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いざ、ブランドスタジオ。 ── 事例(Ⅰ)

パンをくわえて走る「JK」 紙面の“仕掛け”も大反響
「超熟の日」推定リーチ人数419万人に

敷島製パン(Pasco)

photo

左/敷島製パン株式会社 マーケティング部 販売促進グループ マネージャー 池井戸悟氏
右/敷島製パン株式会社 マーケティング部 販売促進グループ チーフ 伊藤公則氏

発売20周年「活字+SNS」に挑戦

もちもちとした食感だけでなく、しっとりとした食感もあわせ持つ、敷島製パンの「超熟」。「クラスト(みみ)までおいしく食べられる」食パンとして、大人から子どもまで幅広い層で支持され、10 年連続シェアNo.1※を誇る。
※インテージ・SCIデータ「食パン」全国市場における2010 年4月~2019 年2月のブランドシェア(金額ベース)

同社は、「超熟」の発売日にあたる10 月1 日を、発売から20 周年となる2018 年に「超熟の日」(一般社団法人日本記念日協会制定)と定め、同日付で読売新聞全国版に全面広告を掲載した。

パンをくわえて走る女子高校生のイラストの脇に添えられたキャッチコピー。

「パンだって、走らなくちゃ。」

それまでの同社の広告から大きくかけ離れた突然の「JK 疾走」は、掲載直後からツイッターなどのSNS で広く拡散され、読売新聞が行っているツイッター分析「よみバズ」によると、2 日間で2985 件のツイート数(リツイート含む)を計測し、推定リーチ人数は419 万人に達した。

同社マーケティング部販売促進グループチーフの伊藤公則さんは、その反響の大きさについて、こう話す。

「20周年という大きな節目を迎えるにあたり、お客様への感謝と今後お約束していきたいメッセージを活字で伝えたいという思いがまずありました。ただ一方で、新聞を読んだ人にしか伝わらない広告では意味がなく、特に次世代を担う若者層へのリーチを課題にしていました。結果、期待を上回る反響で驚きました」

YOMIURI BRAND STUDIO(YBS)から同社に最初の提案があったのは、同年4月のことだった。コンセプトの開発からコミュニケーション設計、コピーやクリエイティブを含めた統合的な提案を複数回行い、最終的に今回のプランに決まったのが9月の上旬、掲載ぎりぎりのタイミングだった。

同グループマネージャーの池井戸悟さんは、その時の様子をこう語る。

「YBSから提案のあった数案を伊藤から示されたのですが、その中で、『パンをくわえる女子高生』の案が最も輝いて見えました。聞くと、伊藤も同じだと。『これだ』と思い早々に進めていきましたが、僕たち2人では、この女子高生、ライトノベルの『弱キャラ友崎くん』(屋久ユウキ作)に出てくる『みみみちゃん』にどれだけの知名度があるのか、わかりません。高校2年の息子に聞くと『友達も知っているし、人気あるよ!』と言うので、それでようやく自信が持てました(笑)」

YBSの提案企画書

YBSの提案企画書

超熟のミニチュアスクイーズ

超熟のミニチュアスクイーズ

今後もオンリーワンの提案に期待

2018年10月1日 朝刊

2018年10月1日 朝刊

社外のみならず、社内での反響も大きかった。

「特に若い人たちを中心に、『すごいね』『よく通したね』と言われました。来年創業100周年を迎える、歴史のある会社なのですが、どこか守りに入っていた部分があるのかもしれません。今回の広告をきっかけに、何か新しいことが出来るのではないかという雰囲気が社内に生まれたのは、思ってもいない効果でした」(池井戸さん)

イラスト下に小さな文字で書かれた「これはあくまで広告上の表現です。パンは急がずゆっくりお召し上がりください。」の注意書きや、みみみちゃんの通学バッグにさりげなく付けられた「超熟」のミニチュアスクイーズといった、ちょっと気の利いた仕掛けもSNS上で話題となった。特に12 月にカプセルトイとして販売されたミニチュアスクイーズは、売り切れ店が続出し、いまでも専門検索サイトで上位にランキングされるほどの人気だ。

伊藤さんは、YBSの評価と今後への期待を次のように語った。

「パンをくわえて走るというシーンは、漫画の世界における定番というか、いわゆる王道のシーンではないですか。シェアNo.1の超熟のイメージと重なるものがあり、超熟の価値観、存在感を十分に踏まえた、商品に寄り添ったご提案で、ありがたいと感じると同時に、高く評価させていただきました。あと、『よみバズ』で効果が測定できるというのも、決め手の一つでした。それまでは、広告の効果が測れないというのが、出稿する側の最大の悩みでしたから。

今後、YBSには、新聞広告で培った、われわれが知りえないノウハウを存分に活用していただき、オンリーワンの提案に取り組んでもらえればと期待しています」

敷島製パン「超熟の日」のツイッター分析

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