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STORYストーリー

タイアップ企画はメディアとの化学反応
B to B企業のコーポレートコミュニケーション

日本特殊陶業 HRコミュニケーションカンパニー 
コーポレートコミュニケーション部長 深尾奈美氏

橋本愛さん

B to B企業にとって知名度の低さは、採用活動においても大きなネックになる。自動車関連の製品のスパークプラグや排ガス用酸素センサで世界トップシェア(※)を誇る日本特殊陶業も例外ではない。同社は12月1日、タイアップ企画+純広告の見開き30段の企業広告を掲載。これまでの延長線上にない広報・宣伝に取り組む日本特殊陶業のコーポレートコミュニケーション戦略とは?

※2021年3月時点の日本特殊陶業による推計

2022年12月1日全国朝刊(クリックで紙面が拡大します)

2022年12月1日全国朝刊(クリックで紙面が拡大します)

延長線上にない変化で事業ポートフォリオの転換を図る

深尾奈美氏

日本特殊陶業
HRコミュニケーションカンパニー
コーポレートコミュニケーション部長
深尾 奈美 氏

――貴社のトップメッセージに「これまでの延長線上にない変化を」とあります。その言葉に込められた意図をお聞かせください。

深尾氏:「これまでの延長線上にない変化を」は、2040年までに目指す姿である弊社の長期経営計画のテーマになっています。自動車関連の製品のエンジンのスパークプラグや排ガス用酸素センサで世界トップシェアを占める会社ですが、自動車のEV化に向けて事業ポートフォリオの転換を図っていかなければいけない時期に来ています。そうした時に、培ってきた技術を生かしつつ、これまでの延長線上だけではないさまざまな発想で新しい事業をつくっていかなければ事業ポートフォリオ転換は図れません。「これまでの延長線上で考えないこと」「延長線上にない変化をみんなで遂げていこう」は社長の川合の口癖ですが、私たち広報もこれまでの延長線上にない発想でコミュニケーション活動に取り組んでいるところです。

2022年3月10日読売KODOMO新聞(中面4ページ広告特集のフロント面)

――企業イメージキャラクターに、2022年2月から橋本愛さんを起用されています。理由は何でしょう。

深尾氏:弊社は創立80周年の2016年から企業のブランドイメージをしっかりつくっていこうと、TVコマーシャルを中心に企業広告を展開してきました。会社の認知・理解がまずあって、その先にその会社に対して好感や共感が醸成されファンになってもらえるものだと考えています。そうすることで会社に対しての良いイメージ形成が可能になるわけです。一方で、弊社は特に20代、30代という若年層・ビジネス層からの知名度が低く、女性の認知も低いという課題を抱えています。外部環境および会社自身も大きく変わろうとしている中で、今後は多様な人財の採用にも力を入れていきたい。会社が大きく変化しようとしているイメージをまさに体現してくれる方にキャラクターになっていただきたいと考え、映画やドラマ、舞台等で活躍されている橋本愛さんにお願いしました。

当社の中期経営計画スローガンは「変えるために、壊す。変わるために、創る。」です。「変えるために、壊す。」の部分、つまり新たな時代を切り拓き、ブレークスルーする若い力を、橋本さんが漆黒の壁を華麗なアクションで大胆に壊すことで、見事に表現してくださいました。これまでの枠や想像を超えた「延長線上にない変化」を実現していくという当社の意志を力強く発信できたと感じています。

(TVCMはこちらでご覧になれます。)

タイアップ企画+純広告で「映える」見開き30段に

深尾奈美氏

――橋本愛さんと川合社長、若手社員の皆さんでの座談会を読売新聞とのタイアップ企画で掲載することになった狙いを教えてください。

深尾氏:若年層に日本特殊陶業という会社を知ってもらい、会社の活動や想いを理解してもらうことが狙いです。会社の知名度の低さ、特に若年層やビジネス層の知名度が低いという課題感は先ほどお話しました。実は私自身、3年前にキャリア採用で入社し、昨年末まで採用マネジャーを担っていました。採用のための広報活動が仕事のひとつだったのですが、若年層、特に大学が集中する関東、関西での会社の知名度の低さにより、関東・関西の学生の応募が増えないということが採用活動の大きなネックになっていました。採用広報だけでは限界があり、コーポレートの広報自体を変えていかない限りこの問題は解決しない、ということを経営層に話したところ、現在の業務であるコーポレート広報を担当することになったのです。

――「広報もこれまでの延長線上にない発想でコミュニケーション活動に取り組んでいる」というのは、そういうことも含まれているんですね。

深尾氏:はい。ですので、広報戦略のひとつとして広報活動を特に強化して行っていく時期も、若年層と20代~40代のビジネス層の活動量が年間を通じていつ頃増えるのかをベースの考えとし、ターゲットの活動量が最も増える時期に広報活動強化の山を2つ設けて、広告も集中的に強化することに決めました。

最初の広報活動強化の山においてはテレビCMを集中的に実施すると同時に、NewsPicksで「日本特殊陶業が本気で取り組むCXとは?」と題するタイアップ番組を制作・配信しました。20代から40代のビジネス層にコーポレート・トランスフォーメーション(CX)に本気で取り組む弊社の姿を知ってもらうことを狙いとした企画です。

さらに次の強化の山での広報強化施策としては、学生などの特に若年層に対して会社を認知・理解してもらうことを目的としました。そこで実現したのが今回の読売新聞とのタイアップ企画です。若年層に興味を持ってもらうためには、弊社の若手社員が生き生きと活躍している姿を見てもらうのが一番早いですが、若手社員のインタビューだけでは採用活動のシーンでもよくある風景になりがちです。私も入社してから感じたことですが、弊社は独立系のメーカーということもあって、経営層と社員が近いというフラットな社風があります。役員と社員との日常のコミュニケーションも当たり前であり、若手が社長に直接想いを伝えるようなこともあります。また、今年から橋本愛さんも企業イメージキャラクターになっていただいていることもあり、社長と若手社員、そこに橋本さんが同世代の代表として加わることで、若い方たちにも私たちが発信したいメッセージがより強く伝わるのではないかということで、この座談会企画が生まれました。

――座談会の様子を動画にもされていますね。

深尾氏:川合は自分の想いを自分の言葉でわかりやすく魅力的に語ってくれる社長なので、動画の方が私たちが伝えたいことをより熱量をもって伝えられるだろうと考えました。タイアップ企画は読売新聞オンラインでも特設ページで掲載したのですが、そこで動画も見られるようになっています。

社長と若手社員の仕事への思いを動画に

社長と若手社員の仕事への思いを動画に(画像から動画にリンクします)

――タイアップ企画は、橋本愛さんの純広告と合わせ、見開き30段で12月1日朝刊に掲載されましたが、反響はいかがでしたか。

深尾氏:すごく反響がありました。特に社外の方から反響が非常に大きかったですね。冬季のインターンシップやエントリーを始める時期なので学生から新聞広告を見たという声はよく聞かれましたし、お取引先からも「見ましたよ」という声を多くいただき、嬉しかったですね。タイアップ企画と純広告で見開き30段を出稿するというのは私たちにとって初めての試みでしたが、純広告があってタイアップ企画もさらに映えると改めて感じました。

――反響が大きかった要因はなんだと思いますか。

深尾氏:私自身はこれまで人事の経験が非常に長く、広報宣伝に関しての経験はまだまだ浅いです。ただし、これまでの人事の経験で「採用する側の視点」や「一般の方たちがどう会社を見ているのか」「どう自分たちの会社が外から見られているのか」をよく理解しているため、その方たちの気持ちや視点に立ったときにこう見せれば興味を持ってもらえるのではないかという相手目線の発想で今回の企画を考えました。また、それを表現する時に、タイアップ企画という形でメディアのプロフェッショナルと一緒に制作できたことも、良い結果につながったと思います。タイアップ企画の良さは、企業とメディアとの化学反応が生まれるところだと思います。今私たちが進めている弊社に対する認知、理解を高め、好感や共感を広げていく活動は、企業単独で取り組んでいくより、メディアの力を借りながら相乗効果を狙った方が遥かに効率も良く、効果も高いと考えています。

<読者の声>※J-MONITOR調査より

  • 正直全く聞いたことのない会社だったのだけれども、橋本愛さんを起用しての2面広告ということで会社の意気込みと勢いというものを感じるものとなっていると思う。広告だけではなくて、コラムもしっかり付いているので説得力もしっかりあって良いと思うし、今後注目していきたい会社になっていると思う。(男性30代)
  • 橋本さんがかっこ可愛いです!若手社員+社長で対談しているのが好ましく感じました。あまり知らない分野でしたが、これから注目して見ていきたいと思います。(女性29歳以下)

認知・理解から共感し、行動変容につながる施策へ

深尾奈美氏

――新聞は若年層にはそれほど強くないと言われますが、20代、30代をターゲットにした広告に新聞を選んだ理由はなんでしょうか。

深尾氏:特に若年層の場合、就職の決定権を持っているのは本人だけでなくご家族、つまり親御さんや祖父母も含めてだからです。そのため、学生本人だけでなく、親御さんたちも含めて「この会社で働いてみたい」「この会社は良い会社だね」と思ってもらう必要がある。そういうメディアは自分の手で直に触れて読み込むことができる紙媒体の新聞なんだと思います。もちろん、会社としても紙だけでなくデジタルも含めて日ごろから新聞を読んでいるような情報感度の高い学生に来てほしいところはあります。だからこそ、タイアップ企画も、そういう学生たちが読みたくなる内容にしました。

――今後どういう方向に広報・宣伝を展開していくのでしょうか。

深尾氏:これまで海外では「NGKスパークプラグ」という商品ブランド名が社名だったのですが、2023年4月から英文社名が「Niterra(ニテラ)」に変わります。「Niterra」という英文社名をいかに知ってもらい、良いイメージを作っていくかという国内・海外を含めたグローバルでのコーポレート・ブランディング活動を会社としてチャレンジしていくことになります。日本国内では引き続き「日本特殊陶業」の社名は変わりませんが、国内でも「NGKスパークプラグ」「Niterra」「日本特殊陶業」が繋がるようなPR活動を行っていく必要があると思っています。

また、今年の広報活動で「日本特殊陶業」に対する世の中全体の認知度は上がりつつあるため、今後は認知だけでなく、弊社について理解してもらった上で共感し、応援してもらえるような、一般の方の行動変容に繋がる施策を打ち出していきたいと考えています。もう一つは、引き続き若年層や20代~40代のビジネス層といった人財獲得のためのコアターゲットに対して認知度をさらに高めていくことです。そのためにターゲットをより明確にした効果的な施策も行っていきたいと考えています。

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