BtoB企業にも欠かせない生活者とのコミュニケーション ── インタビュー(III)
「周年」を次の飛躍の絶好の機会と捉える
NTN
- ◆ さまざまなベアリング商品を展開
- ◆ CMで伝えきれないことを新聞広告で
- ◆ 営業・採用・社員の士気に効果
100周年に向け認知度2倍の目標を設定
今はプロジェクトメンバー40人で取り組んでいますが、100周年の3年前、2015年10月のプロジェクト発足時は私と若手社員の専任2人と、兼任5人の体制でした。最初は、式典や社史などを準備すればいいのかな程度に考えていました。しかし、次の飛躍に向けての絶好の機会と捉え、全社的な事業計画をまとめるなど大展開をしている会社がたくさんあることを知り、「周年」に対する考えを改めました。
社内ヒアリングをして方向性を見いだし、周年事業を組み立てていきました。企業認知については、まずは現状を知ろうと調査を行ったところ、一般認知度は20%しかありませんでした。当社と同じBtoB企業の中には80%近い会社もあり、一流評価、就職意向といった項目でも大差がありました。これが2016年7月頃です。
その後、認知度を2倍の40%にするという目標を設定。周年のコミュニケーションワード「世界をなめらかにする仕事。」とキャッチコピー「なん(N)て(T)なめらか(N)」を決め、キャラクターは女優の多部未華子さんを起用、三つのコンテンツで当社のことを紹介していくことにしました。
2017年4月17日 朝刊
2017年6月19日 朝刊
最初のテレビCM投下の前半と2番目のテレビCM開始のタイミングで掲載した新聞広告
ベアリングが多方面に使われることを説明
これまでにない予想以上の広告効果
テレビCMは今年4月に大量投下。CM総合研究所の企業CM部門月間ランキングでトップになりました。 また、CMと同時期に読売をはじめ一般紙へ広告を出稿。ベアリングが自動車、新幹線、ロボットなど多方面に使われ、省エネルギーにも貢献していることなど、CMでは伝えきれないことを伝えるためです。新聞に掲載することで得られる「信頼性」も高く評価しています。
これまでも経済紙や業界紙には広告を出してきましたが、今回の効果は予想以上でした。取引先で評判になるといった営業面もさることながら、採用部門でも効果を実感しています。意外だった効果として、ある従業員のエピソードをひとつご紹介します。自宅で家族から会社の話題が初めて出て、ちょっと自慢だったという話です。社員の士気高揚、これが一番の効果だったかもしれませんね。
自転車レースをスポンサード
100周年記念事業の一環で、5月に行われた自転車レース「ツアー・オブ・ジャパン」の冠スポンサーになった。エコの象徴である自転車と省エネに役立つNTNのベアリング技術との間に親和性があったためだ。自転車競技用ホイールの世界でもNTNのベアリングは高い性能が評価を得ている。