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STORYストーリー

ブラインドランナーの出前授業で
パラスポーツ支援の思いを伝える

長瀬産業 サスティナビリティ推進本部 広報・ブランディング室
高橋奈々子氏
清水万由美氏

長瀬産業は同社所属のブラインドランナー和田伸也選手とガイドランナー長谷部匠選手による小学校での「出前授業」を実施し、その様子を読売新聞本紙と読売KODOMO新聞にタイアップ広告として掲載した。

2022年8月25日読売KODOMO新聞(中面4ページ広告の1ページ目)

2022年8月25日読売KODOMO新聞(中面4ページ広告の1ページ目)

なぜパラスポーツ支援なのか

(右から)長瀬産業 サスティナビリティ推進本部 広報・ブランディング室 高橋 奈々子 氏  清水 万由美 氏

(右から)長瀬産業 サスティナビリティ推進本部
広報・ブランディング室 高橋 奈々子 氏 清水 万由美 氏

――長瀬産業がパラスポーツ支援に積極的に取り組まれている理由を教えてください。

清水氏:NAGASEグループではスポーツ振興や地域コミュニティーへの参画は、経営理念の一つである「社会への貢献」につながることから、これまでもアスリート支援、スポーツ支援を行ってきました。パラスポーツに特にこだわってはいませんでした。

高橋氏:積極的にパラスポーツ支援をするようになったきっかけは、やはりブラインドマラソンの和田伸也選手を2018年9月に社員に迎えたことです。そこからブラインドマラソン大会や日本ブラインドマラソン協会への支援、さらに今年7月のパラ陸上競技大会「第1回NAGASEカップ」の開催、特別協賛につながったと思います。

――和田選手が長瀬産業の所属選手になったきっかけは。

高橋氏:当時、和田選手は2016年のリオパラリンピックでの成績が振るわず、練習に集中できる環境を探されている中で、弊社にお声がけいただいたのがきっかけです。本当にご縁があったと言うしかありません。そこから2021年に開催された東京2020パラリンピックで和田選手は1500m T11で銀メダル、5000m T11で銅メダルを獲得したわけですが、そこに至るまでの和田選手のストイックに目標達成に向かっていく姿、あるいは、講演などで語られる和田選手の言葉が私たち社員にプラスの影響を与えてきました。

2021年9月27日全国朝刊

2021年9月27日全国朝刊

全ステークホルダーを意識した企業広告も展開

――和田選手の所属と同時期から、企業広告も一新されていますね。

2021年8月28日全国朝刊

2021年8月28日全国朝刊

2022年6月20日全国朝刊

2022年6月20日全国朝刊

清水氏:イリヤ・クブシノブさんのイラストを使った広告を始めたのは、2019年6月からです。それまでの企業広告は、弊社のビジョンである「見つけ、育み、拡げる」という言葉を広告にも使って展開していました。

高橋 奈々子 氏

高橋氏:今年、創業190年周年と歴史のある長瀬産業ですが、これまで光が当たるのはお客さまであって、商社は目立たなくてよいという姿勢でやってきました。しかし、外部環境も大きく変わり、ビジネスをする上でも、社員採用する上でも、企業に投資してもらうためにも、企業の認知度が重要になってきています。それが今までのビジネスパーソンを対象にした企業広告から全ステークホルダーを意識した企業広告に変えた理由です。同時に事業内容も、これまでの化学系専門商社の枠を超えて多様化してきています。

清水氏:私たちのビジネスが、「化学」「商社」というカテゴリーから国内、海外のさまざまな技術、製品を組み合わせて新しい価値を作っていく、さまざまな機能を掛け合わせて新しい価値を提供していくことに変わってきています。その新しい仕事の姿を私たちは「ビジネスデザイナー」と呼んでいます。この言葉を認知してもらうことも私たち広報のミッションになっています。

高橋氏:そういう会社のステークホルダーに対するコミュニケーションが大きく変わる時期に、和田選手との出会いがあり、パラアスリートへの支援、「NAGASEカップ」が行われるようになったということです。

タイアップ広告で企業の思いを伝える

――「NAGASEカップ」後に読売新聞本紙と読売KODOMO新聞で、和田選手とガイドランナーの長谷部選手による「出前授業」を実施された意図をお聞かせください。

高橋氏:NAGASEカップ」は、日本パラ陸上競技連盟(JPA)が主催、長瀬産業が特別協賛する世界パラ陸上競技連盟(WPA)公認のパラ陸上競技大会です。第1回は東京・駒沢オリンピック公園総合運動場 陸上競技場で、2022年7月2日・3日に開催されました。

弊社がこうしたパラスポーツを支援するイベントをサポートしていることを社内外に広く知っていただくだけでなく、長瀬産業がNAGASEカップ、ひいてはスポーツ支援・アスリート支援に懸ける思いを堅苦しくなく伝える方法として、読売新聞とのタイアップ広告を選びました 。

2022年8月25日読売KODOMO新聞
2022年8月25日読売KODOMO新聞
2022年8月25日読売KODOMO新聞

2022年8月25日読売KODOMO新聞(中面4ページ広告)

――「出前授業」を行う上で配慮した点はありますか。

清水 万由美 氏

清水氏:「出前授業」をNAGASEカップが開催される駒沢オリンピック公園周辺の小学校で行い、子どもたちにパラスポーツに興味を持ってもらい、NAGASEカップに来てもらうきっかけになればと考えました。それから、単なる講演ではなく、体験授業にすることでした。これまで和田選手に学校などで講演してもらう場合は、ステージに立ってスライドを映しながら話すことがほとんどでした。今回は対象が小学生ということもあり、初めて「ブラインドマラソンを体験する」という新しい試みをしました。ブラインドマラソンではブラインドランナーとガイドランナーがペアで走ります。そこで、一方の子どもに目隠ししてもらって、障害物の間をガイドする側とされる側のペアになって歩いてもらいました。例えば、ガイドする側はどういう声のかけ方がいいのか、どこに立ったらいいのか、ガイドロープはどう使うのか。実際に和田選手のガイドランナーをしている長谷部選手にも協力してもらいながら子どもたちが体験しました。そこから視覚障害スポーツ、パラスポーツに関心を持ってもらおうと考えました。

――今回の出前授業企画における読売新聞との協働はいかがでしたか。

高橋氏:出前授業を行う小学校をどうやって探すかが一番の課題でした。競技団体経由でお願いするか、直接小学校に声をかけるか、どうしたらよいのだろうと。それを読売新聞の担当にご相談したら、「読売新聞教育ネットワーク」経由で駒沢公園に近い小学校に連絡を取っていただけました。

清水氏:学校の先生方も非常に熱心で、私たちのアイデアに対していろいろアドバイスもいただき、より子どもたちに分かりやすい授業をすることができました。

NAGASEカップを新しい体験の場に

(右から)長瀬産業 サスティナビリティ推進本部 広報・ブランディング室 高橋 奈々子 氏  清水 万由美 氏

――今後、スポーツ振興、アスリート支援の領域で取り組みたいことはなんでしょうか。

清水氏:長期的には、NAGASEカップを5年10年と毎年続けて、パラアスリートだけでなく、健常者も参加する、アスリートの目標になるような大きな大会にしていきたいということがあります。できれば、陸上に限らない種目、例えばブラインドサッカーや耳が聞こえない方の大会「デフリンピック」の要素も加えるなど、形や枠にとらわれないスポーツ支援に拡大していけたらと考えています。

高橋氏:NAGASEカップも第1回が終わったばかりですので、まずは、ここをしっかり継続的にやっていく。アスリートの人たちが参加しやすく、よい記録が出やすい、アスリートファーストの大会として育てていくというのが一つあります。それから、和田選手が長瀬産業の所属選手になったことで、私たち自身が今までにない経験、気づき、学びをさせてもらっています。今回の「出前授業」もそうですが、NAGASEカップという場を通して、そういう新しい体験を1人でも多くの方にしてもらうことを引き続きやっていきたいと思っています。

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