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STORYストーリー

白河が応援、白河を応援!
福島県白河市の魅力を伝えるプロジェクト

1月15日の読売新聞に掲載されたカラフルな広告紙面が目を引きました。福島県白河市の魅力を伝える内容です。読売新聞と協働し、新聞広告に加え、観光PR動画や特設サイトなどを制作。特産品の首都圏での販売促進なども予定しています。今回の施策について、白河市産業部観光課観光振興係の小針拓也様にお伺いしました。

2022年1月15日朝刊(1都3県掲載)

2022年1月15日朝刊(1都3県掲載)

みちのくの玄関 白河

小針拓也氏

白河市 産業部 観光課 観光振興係
小針 拓也 氏

――白河市のプロフィルについて教えてください。

小針氏:福島県南部に位置し、人口約5万8000人。「奥州三関」の一つ「白河の関」があり、交通の要衝として古くから発展してきました。現在もみちのくの玄関として東北自動車道や東北新幹線などの高速交通網が発達し、良質で豊富な水に恵まれていることもあって製造業中心にさまざまな企業活動が展開されています。

東北新幹線で東京駅から新白河駅までわずか約80分ということもあって、都心の会社に勤めながら移住して来る人もいます。

――観光面での魅力はどのようなものになりますか。

小針氏:14世紀中頃に築かれたとされる「小峰城跡」をはじめ、白河藩主・松平定信が「士民共楽」(武士や民衆も共に楽しむ)の地として築造した「南湖公園」、そして古代より名所として和歌にうたわれてきた国指定史跡の「白河関跡」などがあります。

グルメでも、醤油ベースで縮れ麺の白河ラーメンや、小分けの具をそばに盛る白河そばが人気を集めています。丁寧な造りの地酒も全国にファンがいます。

観光資源とコシヒカリで地域再生へ

――今回、読売新聞がご協力させていただいたPR施策の狙いを教えてください。

小針氏:2021年度、復興庁の福島再生加速化交付金のメニューの一つとして新設された地域情報発信交付金を活用しています。これは原子力災害による風評の払拭を図り、地域再生を加速化させることが目的。そこで、小峰城跡をはじめとする観光資源や白河産コシヒカリの魅力をPRする広告などを、全国紙として影響力のある読売新聞に掲載することにしました。

――観光振興について抱えている課題はありましたか。

小針氏:遠方の若い人たちへどうやって街の魅力をアピールするかが長年の課題でした。白河の近くには、鶴ヶ城のある福島県会津若松市や避暑地として知られる栃木県那須町といった有名な観光地があり、白河はその「中継地」として埋没しがちだったのです。甲子園で「大優勝旗が関を超えるか」と話題になる「白河の関」は全国的に知られていますので、その知名度を活かして街の魅力を広くアピールする取り組みが求められています。

「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」

――紙面やウェブサイトを制作する上で重視された点を教えてください。

小針氏:紙面と特設ウェブサイトも、観光と白河産コシヒカリの2つのPRを目的に制作しました。主に県外の方に「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」の3つの観点からストーリーを考え、広告を通して白河市を「知って」もらい、次に白河産コシヒカリのおいしさや安全・安心を伝えることで「食べて」もらう。そして、白河に興味を持っていただいた方に「来て」もらい、観光客の増加を目指しています。

白河市の魅力を「女性の旅歩き」視点で伝えた観光PRサイト

白河市の魅力を「女性の旅歩き」視点で伝えた観光PRサイト

どうしたら読者にインパクトを感じてもらえるかという点を意識し、新聞では春の桜をイメージしてピンクを基調とした広告にしました。特設サイトでは、新聞広告に登場いただいた女優の吉永アユリさんとモデルの濱村優菜さんが2人で市内の観光地を巡る動画を見られるようになっていて、若い人たちも楽しく旅行ができる点をPRしています。

1月15日朝刊の全面広告は福島県への旅行経験者が多い1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)にターゲットを絞った形で掲載しました。また、デジタル広告については、読売新聞オンラインの大型バナーやネイティブ広告プラットフォーム、SNSの配信を活用して1都6県の「観光関心層」は「観光PRサイト」へ、「教育関心層」は「合格祈願米PRサイト(次章参照)」へ、とそれぞれに届けたいターゲットに配信しました。ターゲティングを行ったことで、「遠方の若い人にどうやって白河市の魅力をアピールするか」という課題に取り組めたと思います。

一方で読売新聞は全国紙であるので、そのメリットも利用したく、1月23日には全国朝刊1面小枠広告を掲載しました。リーチとターゲティングの併用で、手応えを感じました。

2022年1月23日全国朝刊

2022年1月23日全国朝刊

伝統工芸品×コシヒカリ=合格祈願米

――「白河だるま」を活用して受験生を応援するというアイデアについてどのように思われましたか。

小針氏:秋田や新潟など、有名なブランド米が全国に数多くある中で、毎日食べるお米を買っていただくためには際立った魅力が必要となります。そこで読売新聞の方たちとも話し合いながら、地元の神社で合格祈願をした伝統⼯芸品の白河だるまと白河産コシヒカリをセットにして合格祈願米として売り出しました。合格への想いを込め、料理研究家の八木佳奈さんに白河産コシヒカリを使って作るおにぎりレシピをご考案いただき、広告などでも紹介しています。

「白河を応援する」観光PRサイトと両建てで「白河が応援する」合格祈願米PRサイトも作成

「白河を応援する」観光PRサイトと両建てで「白河が応援する」合格祈願米PRサイトも作成

これも読売新聞の方たちとのブレーンストーミングで出てきたアイデアです。読売新聞の方たちが何度も白河に足を運んで、この街の応援団になってくれた。そのことが仕事を一緒にする中で伝わってきて、信頼して仕事をお願いすることができました。

――紙面やウェブサイトの反響はいかがでしたか。

小針氏:お米とだるま、そして合格祈願という組み合わせが意外だったようで、紙面掲載や特設サイトの公開後に多くの反響をいただきました。コロナ禍ですぐには行けないが、志望校や資格試験に合格したら、白河をぜひ訪れてみたいという連絡が相次ぎ、観光パンフレットなどをお送りして、手厚くPRを図りました。

白河の市民の方からも、「サイト見たよ」などと声をかけられる機会が増え、その影響力の大きさに驚きながら、今回の施策を読売新聞と協働してよかったと思いました。

――紙面や特設サイトではECサイトにリンクがありましたが、売り上げに変化はありましたか。

小針氏:紙面に加えて、合格祈願米について詳しく説明した特設サイトも多くの方に見てもらえました。おかげさまで、広告掲載日から1週間で多くのお米の注文があり、その後も継続して注文が入っています。

ECサイトから合格祈願米が購入できる

ECサイトから合格祈願米が購入できる

予想を上回った読者調査結果

――紙面に広告が掲載された後、J-MONITORによる読者調査(1都3県)をされていますが、その結果をご覧になった感想を教えてください。

小針氏:白河への訪問意向者について、調査前は5割もあればいいかなと考えていましたが、はるかに多い8割の方が白河を訪れてみたいと思っているという結果に驚きました。読売新聞の影響力を実感しました。

『白河市』への観光実績・今後の訪問意向(%、n=224)

※J-MONITOR調査【調査実施機関】ビデオリサーチ【調査日】2022年1月16日(首都圏)より

※J-MONITOR調査【調査実施機関】ビデオリサーチ【調査日】2022年1月16日(首都圏)より

白河の名産品については、白河ラーメンや白河そば、お菓子など、食に対する関心が強いこともわかりました。旅の「中継地」や「通過点」になりがちな白河ですが、関心の高かった白河ラーメンなどをアピールすることで、まず白河でグルメを楽しんでいただき、市内の観光に結び付けていきたいと考えています。

イベント参加や海外へのPRも視野に

――それでは今後、どのようなPR施策をお考えでしょうか。

小針氏:毎年3月に東京国際フォーラムで行われている国内最大級規模の進学相談会であるGENKIフェスタでの展示ブースの出展を予定しています。GENKIフェスタには、多くの受験生やその家族が来場しますので、多くの受験生を合格祈願米で応援したいと考えています。また、22年度には、東京ドームでプロ野球観戦者へのPRも行えたらと考えています。

――海外へのアピールにも力を入れていますか。

白河市では、16年度よりインバウンド事業として台湾の台南市とさまざまな交流を図っています。台南市には、本市と同じ地名の「白河区」があることが交流のきっかけとなりました。現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でインバウンド事業は中断していますが、今後はアフターコロナを見据え、インバウンドと合わせてアウトバウンドにも取り組んでいきたいと考えています。

小針拓也氏

――新聞広告について、日頃感じていらっしゃることやお考えを教えてください。

小針氏:インターネットの普及によって個人で得られる情報が溢れる中で、自分の知りたい情報は自ら取りにいく傾向が強くなっているのではないかと思います。一方、新聞には毎日異なる広告が掲載され、そこには広告主から発信されるメッセージとの偶然の出会いがあると思います。もともと自分が求めていた情報ではなかったとしても、ふと目にとまった広告に惹きつけられることがあり、新聞広告は新たな出会いを生み出す大きな力を持っていると思います。新聞というメディアの信用力も、出稿する側としては大きな魅力になりました。

今回広告制作に携わらせていただき、広告が多くの人の目に留まるよう多くの労力がかけられていることを知ることができました。これを機に、新たな出会いを楽しみにしながら、新聞広告に注目してみたいと思います。

――ありがとうございました。

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