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第75回正倉院展 開催レポート

古都・奈良の秋の風物詩である正倉院展(主催・奈良国立博物館)。読売新聞は2005年から協力、2007年から特別協力をしています。10月28日から11月13日に開催された「第75回正倉院展」には、17日間で計11万5193人が訪れました。

2023年は4年ぶりに開会式が開かれたほか、協賛社による新たな取り組みも行われました。「第75回正倉院展」を振り返ります。

■券売告知と協賛社名連合

券売開始1週間前の9月28日と開始日の10月5日、宝物のビジュアルが目を引く券売告知の広告が読売新聞に掲載となりました。クリエイティブは、ポスターやチラシなどと統一のデザインで、開催概要と合わせ協賛社名も記されています。

2023年9月28日全国朝刊

2023年10月5日全国朝刊

【J-MONITOR自由回答から】

  • 今年も正倉院展の時期が近づいてきたのだなと思える広告でした。琵琶が大きく掲載されていて、実物を見てみたいなと感じさせられました。(9/28・男性40代)
  • 毎年、宝物の写真が大きく掲載されていて目をひかれます。開催日、場所など必要な個所は大きい文字で書かれていて、伝えたい内容が一目でわかります。シンプルでとても良い広告だと思います。(9/28・女性40代)
  • 毎年、正倉院展を見に行っているので、今年も正倉院展の季節が来た!とうれしかった。いつも、気品あるシックな広告ですばらしいと思う。(10/5・女性50代)

■倍率は6倍超「正倉院展講座 in 東京」

正倉院宝物の見どころを紹介する「正倉院展講座in東京」が、9月24日、日本橋ホール(東京・中央区)で開かれました。一昨年、昨年とコロナ禍で50人に絞っていた定員を150人に拡大しましたが、927人もの事前申し込みがあり、正倉院展に対する関心の高さがうかがえました。

講座は奈良国立博物館主任研究員の三本周作さんによる「今年の正倉院展の見どころ」と奈良まほろばソムリエの会の友松洋之子さんによる「Nara観光コンシェルジュおすすめの奈良 2023」の2部構成で、参加者は宝物や奈良の魅力に熱心に耳を傾けていました。

会場では協賛社の資料配布や休憩時の動画放映も実施し、正倉院展ファンと協賛社との接点にもなりました。

■協賛社が一堂に会した開会式

コロナ禍で開催が見送られていた開会式が、10月27日に奈良国立博物館で4年ぶりに開催されました。同館の井上洋一館長や宮内庁正倉院事務所の飯田剛彦所長のほか、16の協賛社の代表者らも参加。開会式の後には、関係者や招待客を対象とした内覧会も開かれ、約1400人が華やかな至宝の数々を一足早く堪能しました。

■初開催の協賛社による「正倉院展講座」

奈良国立博物館講堂での「正倉院展特別講座」が、協賛社による企画として初めて催されました。JR東海は同社のツアー参加者向け、SGCは同社の顧客向けに開催。いずれの講座でも、正倉院や文化財の取材経験豊富な読売新聞大阪本社の関口和哉・橿原支局長が、見どころや宝物の成り立ちについて説明。参加者は「予習」をしてから、観覧を楽しみました。

■来場者の関心を集めた配布資料

会場では、協賛社のうち11社の資料を配布しました。読売新聞のタブロイド別刷りも封入された「資料袋」は、毎日300セットが早々と品切れに。また、博物館地下に設置した協賛社の資料も、多くの人が手に取っていました。

ダイセルは、本紙・朝刊で掲載した歴史学者で国際日本文化研究センター教授の磯田道史さんと、小河義美社長の対談の増刷りを設置。興味深い対談内容に目が留まり、増刷りを手にする人の姿も目立ちました。

協賛社資料とタブロイド別刷りを封入した「資料袋」

奈良国立博物館・地下回廊に設置した資料。カタログなども配布できる

■協賛社にとっての「正倉院展」

紙面での展開以外にも正倉院展の来場者とさまざまな接点が生まれる正倉院展ですが、各企業はどのような思いで協賛しているのでしょうか。今回、はじめて協賛した印傳屋上原勇七に話を聞きました。

――「第75回正倉院展」に協賛して、どのような感想を抱かれましたか。

正倉院宝物には、印傳屋が受け継ぐ「甲州印伝」をはじめとする、日本の漆工芸・革工芸の源流にある品々も含まれています。そのような貴重な歴史資料がいつまでも後世に伝わってゆくお手伝いができましたことを、栄誉に思っています。

――協賛に対する周囲の反応は、いかがだったでしょうか。

正倉院展への協賛は、印傳屋のお客さまにとってもご愛用いただく「甲州印伝」の歴史ストーリーや、日本の工芸の魅力をあらためてご実感いただける貴重な機会となりました。また、特に関西のお客さまに、協賛社に名を連ねたことを高くご評価いただきました。

――今後の正倉院展への思いをお聞かせください。

千年以上の時を経てなお、当時の色彩や輝きを今に伝える正倉院の宝物が、多くの方へ感動をもたらすとともに、日本ならではの“ものづくり”の技へあらためて心を寄せていただく貴重な機会になることを願っています。

長い歴史を持つ正倉院展は、関係者や来場者だけでなく、協賛社の思いもあって成り立っています。

第75回正倉院展 協賛(50音順)

岩谷産業、印傳屋上原勇七、SGC、NTT西日本、関西電気保安協会、京都美術工芸大学、近畿日本鉄道、JR東海、JR西日本、シオノギヘルスケア、ダイキン工業、ダイセル、大和ハウス工業、中西金属工業、丸一鋼管、大和農園

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