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東京を世界一のクリエイティブシティに!
「東京クリエイティブサロン2024」共創パートナーを募集

東京を代表する複数のエリアでファッションウィークとデザインウィークが同時開催される世界的にも類を見ないクリエイティブの祭典「東京クリエイティブサロン(主催:東京クリエイティブサロン実行委員会、協賛:読売新聞社ほか、以下TCS)」が、来年3月の開催に向け「共創パートナー」を募集している。東京を世界一のクリエイティブシティにすることをビジョンに掲げる一大プロジェクトに、企業が参画する意義とは何か。統括共創ディレクターの浜野良太氏に聞く。

東京クリエイティブサロン実行委員会 統括共創ディレクター 浜野 良太 氏

東京クリエイティブサロン実行委員会
統括共創ディレクター 浜野 良太 氏

東京のクリエイティブな魅力を世界に発信

――TCSは、どのようなプロジェクトなのでしょうか。

浜野氏:TCSが始まったのは、2020年。丸の内、有楽町、日本橋、銀座、渋谷、原宿など東京を代表する複数のエリアで、ファッションウィークとデザインウィークが同時開催されるクリエイティブの祭典です。民間企業と地域と行政が連携し、東京を世界⼀のクリエイティブな都市にすることを目指して、桜が咲くシーズンの毎年3月末に開催します。

――「東京を世界一のクリエイティブシティにする」とは、具体的にどういうことでしょうか。

浜野氏:東京は、すでに世界からクリエイティブシティだと思われています。東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノの5都市の居住者を対象にした調査があります。世界30都市から「最もクリエイティブだと思う都市」を挙げてもらったところ、東京はニューヨークに次いで2位でした(表1)。ところが、「自分のことをクリエイティブ(創造的)だと思うか」という問いに「そう思う」と答えた人は、他の4都市の居住者が70%前後なのに対し、東京居住者はわずか22%でした(表2)。「東京のクリエイティブは世界的に評価が高いのに、東京にいる人たちが自覚していない」ということです。

表1 最もクリエイティブ(創造的・独創的)だと思う都市

表1 最もクリエイティブ(創造的・独創的)だと思う都市

表2 自分のことをクリエイティブ(創造的)だと思うか

表2 自分のことをクリエイティブ(創造的)だと思うか

自分たちがクリエイティブかどうかは、クリエイティブ産業従事者(クリエイティブクラス)かどうかとは無関係です。あらゆる職業の中にクリエイティブな人たち(クリエイティブピープル)は存在します。職業を問わずあらゆる人が自分の内なる創造性に気づき、積極的に行動すれば、東京は活気づきます。TCSは、東京がそうした人々の創造的行動を促す「場所・機会・刺激」のある街になることを目指して、東京のクリエイティブな魅力を世界に向けて発信すべく始まったフェスティバルです。

初の本格開催になった「東京クリエイティブサロン2023」

――TCSは、今年の「東京クリエイティブサロン2023」で4回目の開催になりますね。

浜野氏:2020年からスタートしたと言いましたが、残念ながら新型コロナの感染拡大と重なり、20年は期間短縮、21、22年も密への対策から大々的な展開は難しく、本格的開催は2023年が初めてでした。3月17日(金)から2週間にわたり、丸の内・有楽町、日本橋、銀座、渋谷、原宿、羽田の6つのエリアを中心に開催し、ランウェイショー、デザインコンペティション、マーケットイベント、エキシビション、トークイベント、ワークショップ、ショッピングイベント、インスタレーション、音楽ライブ、ダンスパフォーマンス、フードイベントなど、東京中で80以上の催しが実施され、82万人の来場者がありました。

2023年3月に渋谷で行われたTCS2023オープニングイベントの様子

――どのような組織で運営されているのでしょうか。

浜野氏:TCSは、複数企業が参加する実行委員会形式の民間主催イベントです。TCS事務局が主催するイベントと、丸の内・有楽町、日本橋、銀座、渋谷、原宿、羽田、赤坂・六本木など各エリア実行委員会企業がリードするエリアイベントが、統一テーマのもとに開催されます。実行委員会には複数のメディア企業が所属していることから、広報活動も充実しています。

TCSはビジネス交流と観光資源としての成長も期待されています。2023年5月には、政府の「観光立国推進基本計画案および観光庁の新時代のインバウンド拡大アクションプラン」のアジェンダに「東京クリエイティブサロン」が明記されました。

――「東京クリエイティブサロン2023」では、具体的にどのようなイベントが行われたのでしょうか。

浜野氏:エリアイベントしては、渋谷と原宿で「Rakuten Fashion Week TOKYO」とコラボレーションしたファッションショーやインスタレーション、丸の内・有楽町では全国の服飾学校から選ばれた作品のショーや展示を行いました。銀座では街全体を一つのキャンバスとして捉え、商業施設のショーウィンドー、空き店舗の壁面や工事現場の仮囲い、デジタルサイネージなど街の計15か所にタイポアートを施したインスタレーション作品を設置したりと、さまざまな企画を実施しました。

丸の内・有楽町エリアではこれからのファッションを創る学生たちの作品を展示

丸の内・有楽町エリアではこれからのファッションを創る学生たちの作品を展示

銀座に設置されたインスタレーション作品の一例

銀座に設置されたインスタレーション作品の一例

――TCS事務局が主催したイベントを紹介してください。

浜野氏:4エリアで実施したイベントがあります。世界的ファッションデザイナーとして知られるジャンポール・ゴルチエの半生を描いたランウェイミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の日本公演(2023年5月)に先立ち、パフォーマーに来日してもらい、銀座、丸の内・有楽町、渋谷、日本橋で特別ヴァージョンとして公開しました。

丸の内・有楽町エリアではこれからのファッションを創る学生たちの作品を展示

TCSとしてミラノデザインウィークにも参加

――今年4月には、ミラノデザインウィークにも「TCS」として参加しています。

浜野氏:海外の人たちにも「TCS」を知ってもらい、出展してもらうことが目的です。「ミラノデザインウィーク」は、毎年4月にイタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインフェスティバルです。

2023年4月ミラノデザインウィークの様子

2023年4月ミラノデザインウィークの様子

――元々は「ミラノサローネ」という家具の国際見本市を中心に発展したものと聞いています。

浜野氏:「ミラノサローネ」は60年以上の歴史のあるフェスティバルですが、それに伴いミラノ市内のあちこちで、インテリアメーカーに限らず、さまざまな企業やデザイナーによる展示「フォーリサローネ」が行われるようになり、それらを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれています。今では「ミラノサローネ」よりも「フォーリサローネ」のほうが規模が大きくなっています。TCSが参加したのは、この「フォーリサローネ」で、毎年参加している日本企業も数多くあります。例えば、ある自動車メーカーは今年、アーティストとのコラボレーションで、最新のフラッグシップモデルを原寸大で再現したインスタレーションの展示を行いました。また、あるメーカーは水を通さず空気を通す自社製品の特性を活かしたインスタレーションを出展しました。つまり、企業にとって「ミラノデザインウィーク」が世界に向けたブランディングや欧州市場開拓の場になっているわけです。TCSでは「共創パートナー」と呼んでいますが、こうした企業の参加の仕方は、TCSが目指しているものの一つでもあります。

――TCS2023で注目された大塚オーミ陶業の陶板作品も、ミラノデザインウィークに出展されましたね。

浜野氏:大塚オーミ陶業は2023年から参加いただいた共創パートナーの1社です。大塚ホールディングスのグループ会社で、大塚国際美術館(徳島県鳴門市)の陶板画を制作している会社としても知られています。同社が共創パートナーとして参画したのは、同社の強みである大型陶板、セラミックを使ったアート作品の魅力と可能性を広く周知するためでした。そこで、TCS実行委員会がナイキとのコラボスニーカーや巨大バルーンアートで話題のグラフィックデザイナー・MACCIU(マチュー)氏とのコラボレーションを提案し、陶板を使った作品を制作しました。このようにクリエイターと企業を繋ぐこともTCS実行委員会の役割の一つだと思っています。

丸の内・有楽町エリアではこれからのファッションを創る学生たちの作品を展示

大塚オーミ陶業とMACCIU氏とのコラボレーションで制作された大型セラミック作品は無印良品 銀座B1階に展示された

「共創・越境のプラットフォーム」がTCSの役割

浜野 良太 氏

――来年の「東京クリエイティブサロン2024」の目標、新たに考えていることがあれば教えてください。

浜野氏:来場者150万人、コンテンツを150に増やすことを来年の目標にしています。桜の咲き始める季節に、東京の各エリアでさまざまなインスタラクション、クリエイティブなイベントが同時開催されることがTCSの魅力ですが、象徴となるエリアを作ることも重要だと考えています。そこで、来年から代々木体育館でTCS全体を俯瞰できるようなプレイベントの実施を予定しています。もう一つはプロジェクトに参加いただける共創パートナー(企業・団体)の拡大です。お陰様で、この4年で、エリアやメディアの実行委員会などTCSの仲間が大きく増えました。今後、共創パートナーの皆様の課題を解決しながら、TCSも盛り上げられるように進んでいきたいと思っております。

――共創パートナーはTCSとどう関われるのでしょうか。

浜野氏:TCSへの参画は、協賛、企画との連携、作品の出展など、さまざまな関わり方が可能だと思っています。それは資金的なことだけではなく、「クリエイティブシティ東京を共に創るパートナー」という捉え方をしています。作品やコンテンツをお持ちの企業があれば場所を提供します。素材や技術はあるが出展できる作品、コンテンツがない場合は、TCSがコラボレーションできるクリエイターを紹介できます。そしてTCSで披露した作品やコンテンツは、ミラノデザインウィークで「東京のクリエイティブ」として発表することも可能です。

――最後に一言お願いいたします。

浜野氏:東京を世界一のクリエイティブシティにするために従来の枠組みを越えて多様なモノ・コト・ヒトが出合い、つながりをつくっていく。「共創・越境のプラットフォーム」がTCSの役割だと思っています。TCSを通じて、クリエイティビティの発展をサポートする姿勢を示したり、事業や取り組みのクリエイティビティを世界に発表できます。是非、お気軽にお問合せをください。

「共創パートナー」についてのお問い合わせ

東京クリエイティブサロン実行委員会事務局
info@tokyo-creativesalon.com

東京クリエイティブサロン 公式サイト
https://tokyo-creativesalon.com/contact

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