第40回読売広告大賞/第5回読売マーケティング賞/
第16回読売・日テレAOY 贈賞式レポート
読売新聞社は7月4日、「第40回読売広告大賞」と「第5回読売マーケティング賞」の贈賞式を都内で開催し、読売広告大賞「グランプリ」を受賞したスウォッチ グループ ジャパンと読売マーケティング賞「グランプリ」を受賞したキヤノンにトロフィーを贈呈しました。引き続き、日本テレビ放送網とともに主催する「第16回読売・日テレ アドバタイザー・オブ・ザ・イヤー(AOY)」の贈賞式も開き、サッポロビールを表彰しました。
第40回読売広告大賞 贈賞式
読売広告大賞は、1984年に読売新聞創刊110周年記念事業としてスタートし、第40回を迎えた今年は、2023年度(2023年4月~2024年3月)に読売新聞に掲載された広告を対象に選考委員が審査を行いました。その結果、「グランプリ」1作品、「準グランプリ」2作品、地域性や話題性の観点で各本支社の推薦があった作品から選考委員が優秀と認めた作品の広告主に贈られる「エリア賞」3作品、8の部門ごとに選考委員が優秀と認めた「部門賞」16作品(最優秀賞8作品、優秀賞8作品)を選定しました。
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グランプリ スウォッチ グループ ジャパン(2023年9月1日、4日、7日朝刊)
準グランプリ 東急不動産(2024年3月21日朝刊)
準グランプリ 東京都トラック協会(2024年3月15日、22日朝刊)
→受賞作品についてはこちらをご覧ください。
2024年7月3日 夕刊
読売新聞グループ本社 山口寿一社長あいさつ
読売新聞グループ本社
山口寿一社長
贈賞式の冒頭、主催者を代表して読売新聞グループ本社の山口社長があいさつ。
「受賞者の皆様、まことにおめでとうございます。読売広告大賞が今年40回目を迎えることができましたのも広告主の皆様のご高配の賜物と深く感謝申し上げます。読売マーケティング賞は5回目となりました。統合型マーケティングの素晴らしい事例を顕彰するこの賞も、必ず広告主の皆様のお力になれると確信しております。今後も、生活者との多様な接点を持つ弊社グループのリソースを最大限活用し、より一層皆様の課題解決に貢献できますよう努めてまいります」と述べました。
また、「生成AIは、インターネット革命を上回る変革をもたらすとされています。生成AIのある社会をどう構築していくか、そこには哲学がなければならないのではないか。読売新聞はNTTとともに、『生成AIのあり方に関する共同提言』を発表しました。大きな岐路に立つ時こそ、良質な新聞が社会には必要なはずです」と読売新聞社の新たな取り組みを紹介し、広告主をはじめ新聞広告にかかわる方々への感謝の言葉とともに締めくくりました。
続いて、選考委員会の座長を務めたクリエイティブディレクターの谷山雅計さんが審査講評を行いました。
読売広告大賞 谷山雅計 選考委員会座長 審査講評
谷山 雅計 氏
クリエイティブディレクター
コピーライター
新聞広告は人を喜ばせてくれることも大切な要素
「今年の広告大賞の受賞作品をみると、新聞のコアな部分である『だれにでもきちんとよくわかること』とは違う部分に高い評価が集まっていたと思います。グランプリのスウォッチは、基本的に水しぶきだけです。『一体これは何、この先、これはどうなっていくの』と意表をつかれる表現が目を引きました。準グランプリの一つ、東急不動産も、新聞広告の紙面だけをみると、少し唐突だけれども意外性がありました。紙面に掲載されている二次元コードにアクセスすれば内容がわかるけれども、『こうした新聞広告もありだ。新鮮だ』と評価しました。
新聞という媒体を考えた時、コアである報道の部分は、正確できちんとわかりやすく作ってもらわなければ困ります。一方で、広告という新聞を構成している重要なパーツについては、ちょっとだけ少し道をそれる、もう一歩、足を踏み出すような挑戦的な表現があってもいいのではないか。遊び心やいたずら心があって人を喜ばせてくれることも大切な要素であると考えています。
2024年は、新聞というメディアがこの先どう変化していくか、どう成長していくのかということについて、おそらく誰にとっても予測が難しい社会状況にあると考えています。今年の広告大賞は、ある意味で新聞広告らしからぬ作品に高い評価が集まったことに興味があり、印象的な出来事であったと感じています。報道というコアと、広告というそれをサポートするものには、別々の魅力があり個性があります。そういったものがどう融合して新聞が世の中の人々にとってより興味のある媒体になっていくのか、どう変わっていくのか期待しています」
グランプリを受賞したスウォッチ グループ ジャパンのハイディ・シュ代表取締役社長には、読売新聞東京本社の村岡彰敏社長からトロフィーが贈られました。
右:スウォッチ グループ ジャパン ハイディ・シュ代表取締役社長
左:読売新聞東京本社 村岡彰敏社長
受賞者あいさつ
読売広告大賞 グランプリ受賞 スウォッチ グループ ジャパン
ハイディ・シュ代表取締役社長
スウォッチ グループ ジャパン
ハイディ・シュ代表取締役社長
「常に想像力をかきたてる話題と意外性で驚きを皆様にお届けしていきたい」
「広告大賞グランプリをいただき心より感謝を申し上げるとともに、読売新聞の創刊150周年という記念の年に受賞できたことを心よりうれしく思います。スイス本社と日本チームが日々情熱を持って取り組んだ成果であり、一同、受賞を喜んでおります。広告掲載にかかわるすべての関係者の皆様に御礼申し上げます。
受賞した広告は、スイス時計の中で最も歴史が長く、ダイバーズウォッチを代表とするブランドであるブランパンと、スウォッチのコラボレーションです。プロジェクトの全容を一つ一つ明かすように3回に分けて広告を掲載しました。
1回目は、浅い海の中に浮かび上がる“S”というロゴと“日付”だけです。謎解きのようにさまざまな予想と期待を生み、新聞の紙面広告がSNSをにぎわせるという現象を起こしました。2回目は、さらに読者の好奇心を刺激するような、ブランパンとスウォッチのロゴを背景に地球にある5つの海を描いてストーリーを発展させました。発売直前の3回目は、これまでのイマジネーションの結実として、深い海に時計が次々に現れるストーリーで読者の感動を高めました。
これらの一連のストーリーは、記憶に残る演出としてSNSでも大きく話題にしていただきました。スウォッチは、常に想像力をかきたてる話題と意外性を皆様にお届けしています。これからもスウォッチの取り組みを多くの皆様に楽しんでいただきたいです」
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第5回読売マーケティング賞 贈賞式
広告大賞に続き、読売マーケティング賞の贈賞式が開かれ、選考委員長の加治慶光・シナモンAI会長兼CSDO/日立製作所 Lumada Innovation Hub Senior Principalが登壇しました。
読売マーケティング賞は、読売新聞社のリソース(本紙、イベント、YOMIURI BRAND STUDIOの制作力など)を活用したマーケティング活動で優れた成果を上げた企業・団体などに贈られ、第5回のグランプリにはキヤノンが輝きました。総合展示会「Canon EXPO 2023」に合わせて2つのシリーズ広告を計12回掲載し3万人を超える来場者を集めました。準グランプリは、『名探偵コナン』の全巻を一年かけて読み進めようという「CONAN READING CLUB」の訴求を目的に読売新聞、読売KODOMO新聞、PR号外等で展開した小学館と、読売新聞と4エリアの日本テレビ系列局、BS日本の連動で日本の畜産業を応援するキャンペーンを展開した地方競馬全国協会が受賞しました。
また今回から、インターナショナルモード誌『marie claire』を活用した優れたマーケティング活動を顕彰する「marie claire(マリ・クレール)賞」を創設し、パテック フィリップ ジャパンが受賞しました。同社の展覧会イベントを読売新聞や『marie claire』、『marie claire digital』でのタイアップ広告で紹介し、幅広い層に向けて訴求しました。
2024年7月4日 朝刊
グランプリのキヤノン・藤森寛朋執行役員に村岡彰敏社長から、準グランプリの小学館・杉中実マーケティング局コミック事業室副課長と地方競馬全国協会・斎藤弘理事長、マリ・クレール賞のパテック フィリップ ジャパン・大塚和泉広告・広報部部長に読売新聞東京本社の安部順一専務取締役ビジネス担当・イノベーション本部担当からトロフィーが贈られました。
右:キヤノン 藤森寛朋執行役員
左:村岡社長
読売マーケティング賞 加治慶光 選考委員長 審査講評
加治 慶光 氏
シナモンAI会長兼CSDO/日立製作所
Lumada Innovation Hub Senior Principal
「リアルとサイバーをつなぐ」 今、新聞の役割とは?
「本日の贈賞式に参加するにあたり、新聞の果たす役割をAIに問いかけてみたところ、カギとなる言葉が出てきました。その一つ、地域社会への貢献は、準グランプリの地方競馬全国協会の受賞が象徴しています。またAIは、新聞の特性について、文化的役割や情報伝達面積の広さもあげていますが、準グランプリの小学館は、この視点から活動を組み立てて成功されました。今回、創設されたmarie claire賞のパテック フィリップ ジャパンも、女性メディアブランドの『marie claire』を活用し、多様性や情報伝達面積の広さという新聞の存在意義を生かしたものでした。
このほか、AIがあげた新聞の役割のカギとなる言葉には、デジタルデバイドの解消やオンラインメディアにアクセスできない人に情報を提供するといったものがありました。
私は新聞、新聞社の未来の役割として、リアルとサイバーをつなぐことを提示したいと思います。グランプリのキヤノンの挑戦は、その代表例です。リアルな1社単独の大規模展示会の開催とオンラインの展示、新聞広告の展開を通じ、あらゆるものをつないでリアルとサイバーの垣根を超えました。リアルとデジタルを結びつけることにおいて、この賞の役割が広がっていくこと、分断が叫ばれる世界だからこそ、読売新聞が主催する本賞を未来への希望としたいと思います」
受賞者あいさつ
読売マーケティング賞 グランプリ受賞 キヤノン
藤森寛朋 執行役員
キヤノン
藤森寛朋執行役員
時代に合わせて変化し続けるキヤノンの姿を伝えたい
受賞者を代表して、キヤノンの藤森執行役員が、受賞作品が生まれた背景や企画内容について話されました。
「このような栄えある賞を頂戴しまして誠にありがとうございます。ご尽力を賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。
キヤノンは昨年、Canon EXPO(キヤノンエキスポ)という単独の総合展示会を横浜の会場とオンラインのハイブリッドで開催しました。これまでCanon EXPOは、5年に一度実施してきましたが、今回はコロナ禍などの影響で8年ぶりの開催となりました。キヤノンといいますと、カメラ、プリンターという形でご理解をいただいていますが、近年は医療機器や半導体製造装置を中心とした事業を大きく成長させています。今回のCanon EXPOには、時代に合わせて今もなお大きく変化し続けるキヤノンをご理解いただきたいという狙いがありました。
こうした中、多くのお客様に会場に足を運んでいただくとともに、オンラインの展示にご参加いただこうと幅広い取り組みをしました。当社の役員が、それぞれの事業に対する熱い思いを語るという、これまでとは少し違うプレゼンテーションのような広告をつくり、展示会開催の約1か月前から7回にわたり新聞で展開しました。展示会期間中は、当社の最新技術を紹介する広告を5回にわたり実施しました。
昨年10月にCanon EXPOを開催して9か月が経過しましたが、現在も取材やビジネスなどいろいろな形でお声がけをいただいており、新聞の持つ影響力の大きさを感じています。世の中の動きに合わせて半歩、一歩先を行きながら、我々の活動が社会課題の解決に一つでもつながるように、この先もさまざまなチャレンジを続けていきます」
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第16回読売・日テレ アドバタイザー・オブ・ザ・イヤー 贈賞式
この後、「第16回読売・日テレ アドバタイザー・オブ・ザ・イヤー」の贈賞式が行われました。受賞したサッポロビールを代表して、サッポロホールディングスの尾賀真城代表取締役社長に日本テレビ放送網の杉山美邦会長からトロフィー、山口寿一社長から副賞が贈られました。
(左から)山口社長、サッポロホールディングス 尾賀真城代表取締役社長、日本テレビ放送網 杉山美邦会長
「読売・日テレ アドバタイザー・オブ・ザ・イヤー」は、読売新聞と日本テレビでその年のエポックとなる顕著な広告活動を行った企業や人物に贈られます。
サッポロビールは、読売新聞社共催・日本テレビ放送網特別後援の「東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)には、1987年の第63回大会から38回連続で協賛され、新聞、テレビへの広告展開で大会を盛り上げています。新聞では、昨年4月に京都で開催された「100回大会記念シンポジウム」の特集紙面をはじめ、大会終了後の「箱根駅伝~もう一つの物語」特集まで合計11回の出稿がありました。テレビでは、日本テレビによる中継が始まって以来、冠スポンサーとして多大な貢献をされています。中継でOAする、選手たちのひたむきな頑張りを伝えるCMは大会に彩りを添えています。スポットCMでも前年を大きく上回るご出稿をいただいています。
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読売・日テレ 広告感謝の会を開催
続いて、日頃お世話になっている広告主や広告会社の皆様をお迎えしての「読売・日テレ 広告感謝の会」を立食形式で開催しました。会には約1000人が参加し、昨年以上の来場者で大いににぎわいました。