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京都といえば、「お寺」?? 京都イメージ調査

~東西で比べてみると~

「史上もっとも暑い」夏が過ぎ、街もすっかり秋らしくなりました。過ごしやすい季節、コロナ5類移行後初の紅葉のシーズン、京都を訪れようと考えている人もいるのではないでしょうか。

歴史に彩られた数々の神社仏閣や名跡が京都の魅力であることは疑う余地がありませんが、果たしてそれだけでしょうか。京都が持つ魅力について、イメージ調査をもとに探りました。

■思い浮かべるのは定番イメージ

調査ではまず、「京都」と聞いて思い浮かべるものを1人3つまで自由に答えてもらいました。

その結果、1位「お寺」、2位は「神社仏閣」、さらに7位「清水寺」、10位「金閣寺」といった特定のお寺も入るなど、世界遺産はじめ多くの歴史ある寺が存在する京都らしい結果となりました。

また、3位「古都」や6位「歴史」といった、長い歴史を持つ都市だからこその回答や、4位「舞妓さん」、5位「八ツ橋」といった京都ならではの単語も上位に入っています。

いわば「定番」ともいえるようなこれらのイメージに東西の差はなく、多少の順位の違いはあれ、首都圏、近畿圏ともにおおむね同様の回答が並びました。

「京都」と聞いて思い浮かべるもの(純粋想起)

■他都市と比較した京都の強みは「観光」「文化」

それでは、他の都市と比較しての京都のイメージはどのようなものでしょうか。「観光で訪れたい」「おしゃれな」などの項目について、国内10都市で比較しました。

京都は「独自の文化を持っている」が54.0%で10都市中1位でした。また、「観光で訪れたい」は71.8%で、札幌(78.7%)に続いて2位です。札幌は「自然豊かな」(42.4%)もトップとなっており、観光においては「自然の札幌」と「文化の京都」が二大人気といったところでしょうか。

世界各国から、観光客が訪れ、世界的にもその名を知られる京都ですが、「グローバルな」を選んだ人は多くなく、東京(53.8%)、横浜(31.8%)、大阪(21.3%)といった、人口や経済規模が大きい都市が上位となっています。

主要都市イメージ比較(単位:%、n=450)※1位の項目がある都市のみ抜粋
主要都市イメージ比較(単位:%、n=450)

■「学生のまち」やビジネスに関するイメージは地元で強い

純粋想起では首都圏と近畿圏で大きな差がなかった京都のイメージですが、具体的な項目を22提示したうえで比較してみたところ、いくつかの項目では差があることが分かりました。

ほぼ全員が回答した「文化的・歴史的」や、8割近い人が選択した「国際的」は、首都圏・近畿圏で大きな差はありませんでした。

一方、全体で66.4%で3位の「学生のまち」は、首都圏43.9%、近畿圏86.6%と、両者間で40ポイント以上の開きがありました。市内に30以上の大学・短大があり、人口当たりの学生数や大学数が全国1位の京都ですが、通学圏内でもある地元の近畿圏と首都圏とでは、イメージに隔たりがあるようです。

また、「イノベーションが生まれやすい」「技術力の高い企業が多い」においても、首都圏より近畿圏の方が10~20ポイント程度高い傾向が見られました。任天堂や京セラ、村田製作所など、イノベーションや技術を世界に誇る企業を多数育んできた京都ですが、そういった印象も地元・近畿圏と比べると、首都圏ではやや弱いようです。

観光については全国一律のイメージでも、まだまだ首都圏や遠方で浸透していない京都の魅力もあると言えそうです。

「京都」のイメージ(単位:%)

■これからの京都に対する願い

調査では「京都に望むこと」も自由回答で尋ねました。さまざまな声が寄せられましたが、特に目立ったのが「文化の保護」「オーバーツーリズム対策」、そして現在の魅力を生かしたうえでの「さらなる進化」でした。

古都としての魅力を大切に思いながらも、京都だからこそできる新たな取り組みに対する期待も大きいようです。

文化の保護
  • 歴史を重視し、伝統を継承した、街づくり、環境整備をお願いしたい。 やはりレトロ感は心の癒しになります(首都圏・男性60歳代)
  • 古いものは古いものとして大事にしながら、さらに伝統やいにしえのものの良さを繋いでゆく作業を頑張ってほしいと思う(首都圏・女性60歳代)
  • かつての首都、歴史ある神社・仏閣が後世まで保管保存されますように願います。すてきな鴨川の流れ、周りの景色がいつまでも変わりませんように(近畿圏・女性50歳代)
オーバーツーリズム対策
  • ホテルや飲食店などの需要供給バランスを改善し、オーバーツーリズムを解消してほしい(首都圏・男性50歳代)
  • 最近は国内外問わず観光客が多く、一年中混んでいる。混雑緩和のため、もう少し分散する工夫を考えてほしい(首都圏・女性30歳代)
  • オーバーツーリズムが問題になっているので、地元住民と観光客がうまく共存できるような対策をもっと講じてほしいと思います(近畿圏・男性30歳代)
さらなる進化
  • 古都であると同時に、先進的な魅力を発信してほしい(首都圏・男性60歳代)
  • 革新に優れた企業を育んできた。これらを後世に残しつつ、存在感を世界に知らしめてほしい(近畿圏・女性50歳代)
  • 京都はやはり、学生の町という感じがするので、若い人たちが自由な発想でいろんなことに取り組めるような街でいてほしいと思う(近畿圏・女性60歳代)

新聞広告共通調査プラットフォーム J-MONITOR 調査概要

▶ 調査対象者:読売新聞を購読している15歳~69歳の男女個人 ▶ 調査エリア:<首都圏>東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 <近畿圏> 大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県 ▶ 調査実施日:2023年8月27日(日) ▶ 調査方法:パソコン・スマートフォン等を利用したウェブ調査 ▶ 標本サイズ:1パネルあたり原則約300名 ▶ 有効回答者数:<首都圏>212人 <近畿圏>238人 ▶ 調査機関・レターヘッド:株式会社ビデオリサーチ

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