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ごあいさつ

読売新聞東京本社 常務取締役広告局長 安部 順一

 昨年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、雑誌の発売延期や書店の休業、物流の停滞など、出版業界はこれまでにない混乱に翻弄された1年となりました。その一方で春先には学習参考書や児童書、文芸書、コミックが売り上げを伸ばし、カミュの「ペスト」はベストセラーとなりました。書店店頭の売り上げも着実に伸びています。困難な時代ではありますが、出版物が必要とされていることが証明された1年でもありました。

 また、市場を牽引したコミック「鬼滅の刃」は幅広い読者層に支持され、最終巻発売にあわせ読売新聞を始め全国紙5紙に掲載された広告は大きな話題となりました。予断を許さない状況が続きますが、読売新聞は、本年も日々の紙面を通じて様々な書籍・雑誌を紹介し、良質な出版広告を数多く掲載することで、皆様とともに日本の出版文化を盛り上げていきます。

 さて、出版界の更なる発展と出版広告の活性化に寄与することを目的として1996年に創設された読売出版広告賞は、今回、節目となる25回を迎えました。対象期間に読売新聞に掲載された出版広告を対象に厳正なる選考を実施した結果、大賞に弘文堂様、金賞に集英社様、銀賞に新潮社様、銅賞に双葉社様、そして特別賞にワニブックス様が選ばれました。いずれも、選考委員から高い評価を得ての受賞であり、受賞されました広告主の皆様には心からお祝い申し上げます。

 今後もこの読売出版広告賞が、出版界の更なる発展と、広告活動の活性化に寄与できるよう、努力してまいります。関係者の皆様には、引き続き変わらぬご支援を賜りたく、お願い申し上げます。

 最後になりましたが、選考をお願いした先生方に深く感謝いたします。


第25回受賞作品

第25回読売出版広告賞は、2019年12月12日から2020年12月3日までに読売新聞に掲載されたすべての出版広告が賞の対象となっています。

大賞

弘文堂「こども六法」
2019年12月21日付朝刊 全15段
  • 制作/Creative Capital
  • クリエイティブディレクター/小川凜一(Creative Capital)
  • アートディレクター/砂田智香(Creative Capital)
  • イラスト/伊藤ハムスター
北村薫 選評
 大切なことなのに、見るのがつらくて、つい目をそむけたくなる問題がある。
 動物たちの姿を借りた絵が、まず力強くわたしたちをつかみ、そちらに目を向けさせる。
 絵から、手書きの文字へ、活字の言葉へと、見る者の視線を、心を導いて行く。
 著者と、この仕事にかかわったすべての方たちの、この本を必要とする人がいるのだ、そういう「きみ」の手に、この本を届けたいのだ――という願いが、真っすぐに響いてくる。
 伝えたいことがあるのだ、という広告本来の働きを見事に示す作品である。

金賞

集英社「『ハイキュー‼』ユニフォームプロジェクト」
2020年8月24日付朝刊 全30段
  • 制作/電通
  • クリエーティブディレクター/中尾孝年
  • アートディレクター/各務将成
  • プランナー/多々良樹、大崎名美映
嶋浩一郎 選評
 2020年、部活動をしている高校生はコロナ禍により試合の機会を奪われた。悔しかったにちがいない。その年にしか出場できないインターハイを目指して多くの高校生が全てをかけてきたわけだから。
 バレーボールを描いた漫画「ハイキュー!!」はそんな高校生を励ます取り組みに着手。インターハイ決勝を開催予定だった宇都宮の体育館に全国から送られたバレー部のユニフォームを集結させた。「友情・努力・勝利」をテーマにしてきた「週刊少年ジャンプ」ならではの企画だ。バレー部の高校生だけでなく、他の運動部部員、そしてスポーツを愛するすべての人に響く強いメッセージになった。

銀賞

新潮社「ケーキの切れない非行少年たち」
2020年1月9日付朝刊 全3段
  • 制作/新潮社宣伝部
  • デザイン/佐藤舞
荻野アンナ 選評
 円形が2つ。本屋の平積みで、新聞広告で、何度も目にした。
 円はケーキで、これを三等分するよう言われたのは非行少年たち。A君は横に2本の線を引いた。B君は縦に割った残りを二等分した。
 どちらの円も、こちらの胸に刺さってくる。「すべてがゆがんで見えている」とはどういうことか。2つの円が雄弁に教えてくれる。
 何度見ても、目が慣れることはない。異なった認知の仕方をする人々が存在する、という認識は我々の視野を広げてくれる。
 自分の行動を認識できない少年たちに「反省」を求めても無駄と分かる。彼らにどう対処したら良いのか、答えは本の中にある。

銅賞

双葉社「夜に駆ける YOASOBI小説集」
2020年7月20日付朝刊 全15段

東京本社版掲載
大阪本社版掲載
西部本社版掲載
  • 制作/双葉社、博報堂
  • クリエイティブディレクター/中谷亜未、大久保日向子、安藤宏治
  • アートディレクター/中谷亜未
  • コピーライター/大久保日向子、浅倉涼花
  • デザイナー/小汀侑子、黒田菜緒、大和田奈菜子(エヌプラスエヌ)
  • アカウントエグゼクティブ/山田侑奈、海老根清香
松田哲夫 選評
A 夜遊び⁉ 夜間遊興は自粛という流れに逆らおうっていうの?
B 違うよ。ネットの音楽シーンで話題のユニットで、ユーチューブなどに公開した音楽動画「夜に駆ける」が再生数2億回を超え、CD販売なしなのにビルボードジャパン年間チャート1位に輝き、紅白にも出場したんだ。
C 出版とはどんな関係が?
D 作詞・作曲担当のAyaseがネット上の小説を読みその物語や世界観を音楽にしたのが、この作品になったのさ。その原作小説などを集めて双葉社が本を出したんだ。
E それだけじゃない。今度は、読者(リスナー)から作品を募集して、その優秀作を音楽にするんだよ。
松田 広告が媒介する音楽と本の新コラボだ!

特別賞

ワニブックス「地味を笑うな」
2020年6月1日付朝刊 3段8割
  • 制作/ワニブックス
  • 書籍編集部/岩尾雅彦、工藤まりな
徳毛貴文 選評
 地味で知られる大リーガーが、地味をうたった本を出し、その広告もこれまた地味。ファンはニヤリとしたはずだ。
 野球に疎い私は「本のタイトルはどこ?」と早合点してしまったが、「なんだこれ」というこちらの興味が、ぽっかりあいた空白に吸い込まれていきそうだ。
 新聞1面の小枠広告は、限られたスペースに、どれだけ情報を盛り込めるかが勝負だと思っていた。ところが本作は逆に、情報をそぎ落として強い印象を残した。
 ちなみに、この本の表紙は……。広告を頼りに本屋さんへ出かけた人は、またニヤリとしただろう。気になる人は書店へGO!

(敬称略)

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