from America

2010.2・3/vol.12-No.11・12

  • この記事をクリップ!
  • newsing it!
  • Buzzurlにブックマーク
  • このエントリーを含むはてなブックマーク

メディアはどこまで飛び出るか

 2010年はメディアにとって大きな転換点となる。そんな確信を抱かせるようなニュースが年明けの米国で相次いだ。
 グーグルは同社初となる独自開発のスマートフォン「ネクサスワン」の発売を開始。iPhone、ブラックベリーが先行するスマートフォン市場に本格参入した。
 米国ではインターネットアクセスの約15%が携帯電話経由とされており、2年以内に25%まで拡大するという調査報告もある。スマートフォンはパソコンとほぼ同じ機能を持ち、増加する携帯電話からのインターネットアクセスの主役になると見られている。今回のグーグルの本格参入により、その流れはますます加速するだろう。それに伴い、ウォール・ストリート・ジャーナルをはじめ多くのメディアも提供する携帯電話用コンテンツのみならず、今後は携帯電話向けインターネット広告商品も拡充が見込まれる。BtoC企業にとっては、いずれ携帯電話が主戦場になるのではなかろうか。
 テレビ業界にも大きな変革が起こりそうだ。1月にラスベガスで開催された家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーでテレビメーカー各社は3D対応型テレビを発表。さらに、スポーツ専門放送局のESPNは、6月に新しいネットワークを立ち上げ、サッカーワールドカップ及びプロバスケットボールNBAの試合を3Dで放映すると発表した。また、ソニー、ケーブルテレビ放送局のディスカバリー・コミュニケーションズ、映像技術大手アイマックスの3社は共同で3D番組専門放送会社を設立し、2011年より映画やテレビ番組の放送を予定している。
 このように米国では家庭向け3Dエンターテインメントの普及促進が加速している。昨年12月中旬に公開された、3D映像が話題の映画「アバター」の全世界興行収入が、すでに10億ドルを超えたことも追い風となっているようだ。3D技術も「ここ20〜30年のものとは全く異なる」(米パナソニック副社長ピーター・ファノン氏)ほど進歩し、電動開閉シャッター付きの専用メガネも開発されている。
 しかし、ハイビジョンテレビがようやく普及した現在、果たして消費者は限られた3D番組を見るために最低でも20万円以上はする対応テレビをわざわざ買うのか、という疑問の声もある。これに対して、「ほとんどの男性が3Dテレビでのスポーツ観戦に魅了されるだろう」と語るアナリストもいるように、今後は3D対応コンテンツを充実させることが必要となる。
 広告業界にとっても、CMクリエイティブの幅が広がり、より大きなインパクトを視聴者に与えられるというメリットがある。制作費は増えるが、3Dテレビの普及に比例して3Dコマーシャルも増加するだろう。
 映像の3D化という意味では、インターネットコンテンツやビデオ広告、ゲームなどにも転用できそうだ。こうなると、先述のスマートフォンでも3Dの映像コンテンツが視聴でき、さらに将来的には3D対応カメラが内蔵され、携帯電話で簡単に3D写真や動画を撮影できるようになる日が来るかもしれない。
 米国で3Dテレビが普及すれば、日本にも登場することは十分考えられる。2011年にデジタルテレビ放送に移行し、チャンネル数が増えればなおさら3D番組放送のハードルは低くなる。日本で最新技術の3Dテレビが普及し、その専用メガネを使うことで飛び出す新聞広告を開発できないものかと考えてしまうのは、あまりにも性急だろうか。

もどる