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2009.10・11/vol.12-No.7・8

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「世界天文年」に宇宙科学の歴史を学ぶ

 7月22日は日食だった。さすがに皆既日食になる奄美大島やトカラ列島まで出かけはしなかったけど、私も楽しみにしていた。日食メガネだって手に入れた(黒い下敷きやサングラスじゃだめなんて知らなかった)。だから当日の天気がイマイチだったのはつくづく残念。でも、何もかもがコントロール可能だと錯覚しそうな現代、意のままにならないことがあるのを知るのは大事かもしれない。
 今年は「世界天文年」である、というのを某大型書店の理工書売り場で知った。それから注意して見ると、天文関係の本のフェアをやっている書店がけっこう目につく。たまたま日食が重なったが、だから世界天文年というわけではない。今年はガリレオ・ガリレイが望遠鏡で天体観測して400年なのである。「それでも地球は回っている」という言葉があるけれども、ガリレオの観測によって科学の歴史も人類の歴史も大きく変わった。
 日食の3日前、7月19日の朝刊にはこの世界天文年にちなんだ企画広告がある。第5面を使った全面だ。題して「さあ、宇宙を見上げてみよう!」。なかなか読み応えのあるページだ。
 真ん中には世界天文年2009日本委員会委員長の海部宣男さんへのQ&A。まずは「今回の日食の観測のポイントを教えて下さい」と、タイムリーな話題から入って、ガリレオの業績やこれからの天文学について訊いている。

“見て疑って考えること”の発見

 ガリレオはたんに天体を観察しただけではない。私たちの世界観を変えてしまった。
 〈この400年の間、人間が「自分はどういう世界、どういう宇宙にいるのか」という疑問を持って追究してきた〉と海部さんは言う。それまでは、たとえば〈当時、ローマカトリックでは、月は神様がつくった水晶の玉だと教えてい〉て、それを信じるしかなかった。でもガリレオが望遠鏡で覗いてみたことで、人間は疑うことを知り、考えることを身につけた。近代科学はこうやって生まれた。ガリレオからの400年は、見て疑って考えることの400年だ。
 このページには七つの出版社が広告を出している。ふだん書店の理工書コーナーに足を運ばない人には、なじみのない出版社が多いかもしれない。でも、文系人間にも面白そうな本が並んでいる。たとえば地人書館の『ケプラー疑惑』。副題は「ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録」とある。なんだかロバート・ラングドン博士が活躍しそうではないか。トム・ハンクスの姿が目に浮かぶ。
 日本評論社の『たとえば、銀河がどら焼きだったら?』というのも、和菓子ファンの私としては見逃せない。ニュートンプレスの『宇宙画像2009』もぜひ見なくちゃ。
 ときどき真夜中に空を見上げる。月や星が出ていたら、双眼鏡を取り出す(天体観測用に買ったのである)。どれが北斗七星かも知らないような私でも、月や星を見ると神秘的な気分になる。双眼鏡で見ると、肉眼で見た時よりもずっとたくさん星があるのがわかる。というか、夜空は星だらけだ。私のちっぽけな悩みなんて、宇宙の歴史に比べるとほとんど無いも同然。坂本九の歌が、思わず口をついて出てくる。

7月13日 朝刊
7月19日 朝刊

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