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2009.4/vol.12-No.1・2


「あうあう!」見開き特大号 全20巻の偉人伝を紹介

 出会いたがりのアザラシ「あうあう」が、本をきっかけとしたコミュニケーションをさぐる企画広告「あうあう!」。その第7回は特大号「世界の偉人たち」である。3月13日の夕刊で、8・9面のどーんと見開きだ。アザラシの鳴き声と「会う/逢う」を掛けただけのベタなダジャレ・キャラクターが、ついにここまで出世したかと思うと、込み上げてくるものがある。
 今回の「あうあう!」は言うことがでかい。「今こそ、歴史の大転換期!」と太ゴチ白抜きで叫ぶのである。しかも「この人を見よ! 歴史をつくった人びと伝」を読んで僕らの日本を洗濯しよう! とたたみかける。たしかに昨年9月15日以降、正真正銘の大転換期に入った感はある。
 あうあう君がいささか前のめりになって叫んでいるのは、ポプラ社から『この人を見よ! 歴史をつくった人びと伝』という評伝シリーズが全20巻で出たからである。9面に並んだ本の背表紙には、エジソン、ベートーベン、アインシュタイン、野口英世、徳川家康らの名前が。オードリー・ヘップバーンや岡本太郎、手塚治虫も入っているところが現代風だ。
 しかも8面の「この本の読みかた・楽しみかた」を見ると、私が幼いころ読んだ偉人伝とはずいぶん違うことがわかる。巻頭にいきなりクイズがあり、10ページで偉人の一生を伝える「はやわかりコミック」がある。偉人の動きと世界のできごとを織り交ぜた年表や、偉人の周囲の人びとの紹介ページも。偉人の発言や周囲の証言、本やDVD、博物館などの紹介、そしてトリビア豆知識まで。偉人の生涯を現代と関連づけながら立体的に見せていく工夫が凝らされている。
 ポプラ社はこのシリーズ刊行を記念して「未来の世界を考えようコンクール」を開催している。作文部門と名言部門があり、作文は400字詰め原稿用紙3〜4枚(小学生)、4〜5枚(中学生)。名言部門は五・七・五形式または30字以内で自由に。ちなみに、大人の部はない。

目玉は「アザラシ私小説」

 しかし、今回の「あうあう!」の目玉は「アザラシ私小説」である。最下段に細かい字で書かれていて目立たないが、これがなんともいやはや。あうあう君が偉人になろうと思い立ち、喫茶店のマスターに相談。「いろいろ行くしかない」という無責任なアドバイスを真に受け、フィリピンのイロイロに行く。フィリピン中部にそういう街があるのである。あうあう君はイロイロ博物館やイロイロマーケットをたずね、イロイロ川で物思いにふけるのであるが、ちゃんと現地の写真入り。このアホらしいダジャレ企画のために、現地取材までしているのだから呆れる。

「この人を見よ!」は名文句

 全20巻の顔ぶれを見ると、映画監督もいれば冒険家もいる。武将もいれば女優もいる、作曲家もいる。まさに「いろいろ」。マスターのアドバイスも、そして真に受けたあうあう君の旅も、あながち外れてはいない?
 ちなみに、「この人を見よ!」というのは、ニーチェの自伝のタイトルでもあるし、もともとは聖書に出てくる言葉。ユダヤ総督ピラトが、捕えたキリストを示して群衆にこう言った。カラヴァッジオをはじめ多くの画家が画題にしてきた名文句である。

3月13日 夕刊
3月13日 夕刊
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