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2008.12/vol.11-No.9


視覚にうまく訴えて老若双方をひきつけたライオンの広告

 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。

10月25日 朝刊

 10月25日朝刊に掲載されたライオンの広告は、歯槽膿漏ケア商品デントヘルスの三つのラインアップを紹介しています。しみる症状用の「しみるブロック」はパープル、腫れる症状用の「SP」はブルー、歯ぐきが下がる症状用の「無研磨ゲル」はグリーンと、商品パッケージカラーに合わせた3色で訴求を図っています。
 アド・ボイス定型調査の結果から広告がどのようにとらえられたか見ていくと、若い世代には商品認知、高年層には利用促進効果という、年代によって異なる傾向が見られました。3色に使い分けることにより、視覚に訴えたことも奏功しているようです。

上手な色分けで注目を高める

 広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合である広告接触率は全体で84.6%と、予測値を25.0ポイント上回る結果となりました。広告注目率(広告を「確かに見た」人の割合)でも58.7%(予測値+22.7ポイント)と高スコアになっており、多くの人が注目したことがわかります()。
 自由回答では、「3色のパステル調に好感が持て、3種類を症状に応じて使いたくなってしまう」(男性50代)、「商品によって色分けされていて、症状が一言で説明されているのがわかりやすい」(女性30代)など色に言及したものが見られ、高い注目を得た一因に、うまい色の使い方があったことがうかがわれます。
 広告評価(表1)では、広告関心度(82.6%)、広告好感度(89.5%)、広告理解度(94.7%)ともに平均値より高いスコアを獲得しています。すべての人が潜在的に対象となり得る歯槽膿漏のケア商品であることによって高い関心を得、さらにシーンに合った使い分けが視覚的にわかりやすく表現されていることで好感と理解が高まったと考えられます。

広告接触率・広告注目率の予測値との差(単位:%)
図

若い世代への認知効果

 では、これらの項目を性・年代別に見てみましょう。年齢が進むにつれて直面する人が増える歯槽膿漏のケア商品だけあって、広告関心度は高い年代ほど高スコアとなっています(表1)が、平均値との差で見ると若い世代もそれなりに関心を示していることがわかります。
 広告好感度と理解度は年代にはあまり関係なく、男性20代では広告好感度94.7%、理解度100%と、男性で最も高いスコアとなっているほどです。
 広告を見ての行動喚起の項目(表2)を見ると、「初めてこの商品・サービスや広告主を知った」が、特に男性では40代以下で平均値を大きく上回っているのが目立ちます。自由回答では「商品内容がイメージしやすかった」(男性20代)や「色分けしてあることにより、自分に合った歯磨き粉を見つけることが簡単だと感じることができました」(男性30代)という声が見られました。今回の広告が若い世代へのファーストコンタクトになっていることがわかります。

表1 広告評価
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表2 広告を見ての行動喚起
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高年層への利用促進効果

 一方、より購買に近い項目では直近のターゲットである高年層のスコアが高いという傾向があります。特に「商品を購入したいと思った」は、男性よりも実際に購入する機会が多いと思われる女性でのスコアが高く、女性50代では16.2%(平均値+12.2ポイント)、60歳以上になると25.0%(平均値+11.9ポイント)とスコアがはね上がっています。自由回答でも「日頃から気を付けているので、ぜひ試したい」(男性60歳以上)「現在該当する商品のひとつを使っているが、症状に合わせて他の種類も検討したい」(女性50代)など利用促進効果が出ていることがわかります。
 若い世代への商品認知と高年層への利用促進効果両方が見られた今回の広告ですが、どちらがより高度なコミュニケーションかと言えば、潜在ターゲットである若い層に注目させることでしょう。効果的に3色を使って訴求内容をきちんと整理しつつインパクトも出したことがそれを可能にしたと考えられます。

(川合)

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