特集

2008.10/vol.11-No.7


北京オリンピックとJOCパートナーの取り組み

“代表選手に応援メッセージを  野球を通した社会貢献

 今年の都市対抗野球で、通算9度目の優勝を果たした新日本石油。社会人野球の名門として知られているが、少年野球から障害者野球まで野球への積極的な支援を続けている企業でもある。今回の北京オリンピックでは、野球日本代表の公式スポンサー、JOCオフィシャルパートナーという立場で、7月末から大会期間中、「北京オリンピック野球日本代表応援キャンペーン」を行った。今回のキャンペーンと野球に対する取り組みについて、新日本石油広報部長兼野球部副部長の指宿祐一氏に聞いた。

――新日本石油がオリンピック野球日本代表をサポートするようになった経緯からお聞かせください。

 当社は2001年から、「野球日本代表」のオフィシャルスポンサーを務めています。従って、星野ジャパンに限らず、あらゆるカテゴリーの野球日本代表を自動的に協賛することになっています。今年8月に松山市で行われた「女子野球ワールドカップ」や、大学生の世界大会などが対象になります。また、少年、女子、障害者などさまざまな野球活動も支援しています。野球を通じて社会貢献を行うというのが当社の考えで、野球日本代表のオフィシャルスポンサーも、その取り組みの一環でなったということです。今回はオリンピックに野球日本代表が出場することを受けて、JOCのオフィシャルパートナーにもなったという訳です。

野球ファンの声を届ける

――オリンピック期間中は新聞に、日本代表への応援メッセージの募集広告を連日出稿されましたね。

 テレビCMでは星野監督や代表選手の肖像権を使って、北京オリンピック野球日本代表を応援する「夢を語る」編と「かなわない夢なんてない」編の2本を制作し、期間限定でオンエアしました。加えて、「北京オリンピック野球日本代表応援キャンペーン」としてウェブを使った応援メッセージの募集を行いました。日本のすべての野球ファンの熱いメッセージを野球日本代表に届けたいという思いだったんですね。最終的には、5492通もの応援メッセージが寄せられ、実際にそのメッセージをフラッグ、冊子にして野球日本代表チームに届けました。
 応援メッセージのウェブサイトは7月の末に立ち上げたのですが、8月9日朝刊の全5段カラーや1面、社会面などの雑報も有効活用し、応援メッセージ募集を告知する広告を連日掲載しました。また、ウェブサイトは新日本石油の様々な協賛活動を紹介するページにもリンクして、その全体像の認知促進も図りました。

応援メッセージを募集したウェブサイト
――オリンピック開催期間中の広告では、マスコットキャラクターの「エネゴリくん」を起用していましたが。

 「エネゴリくん」は環境問題や社会貢献など社会性の強いメッセージを訴求するキャラクターで、今年の6月から使い始めたものです。一方、商品広告ではメジャーリーガーのイチロー選手を起用しており、「エネゴリくん」は起用しないことにしています。
 今回の野球日本代表に対する支援も、当社の社会貢献の一環ですから「エネゴリくん」を使ったんですね。

8月9日 朝刊 8月7日 朝刊 1面天気中
――今回のキャンペーンと販促活動との連動は?

 期間中のテレビCMにオリンピックロゴを使いましたが、それ以外はオリンピックと結びつけた特別な展開はしませんでした。というのも、新日本石油にとって野球に対する支援は、あくまで社会貢献の一環だからです。あまり商売と一緒にしてしまうと、企業文化としての野球が錆びついてしまうと思うんです。

野球文化の裾野を広げる

――今年の都市対抗で9度目の優勝をされましたが、野球にはかなり力を注いでいますね。

 逆に言ってしまうと、野球しかないというところがありますね(笑)。それぐらい野球文化が社内に根付いています。
 野球部は1950年の創部ですが、社員の士気の高揚と企業マインドの育成を目的に仕事以外にも目標を持とうということで作られたものです。
 労務政策の一環として創部したので、所管もしばらくは人事部にあったのですが、それが1995年に今の広報部に移りました。その理由の一つは、新日本石油の文化ともいうべき野球をもっと企業の顔にしていこうということです。もう一つは、そういう企業文化に基づいた社会貢献をしていこうという思いがありました。つまり、企業文化で培った野球のイメージを外に向けて発信・訴求することも考えていこうということですね。

――少年野球から日本身体障害者野球連盟の支援まで、本当に幅広い活動をしていますね。

 野球という日本に育ったスポーツ文化を、根幹から、そして幅広く支援していきたいということなんですね。
 例えば少年野球では、新日本石油野球部の本拠地が横浜ということもあり、プロ野球の横浜ベイスターズと「NPO法人横浜ベイスターズ・コミュニティー」を作って小・中学生を対象とした野球教室を年30回以上開催しています。単にお金を出すのではなくて、野球部のOBや現役選手が少人数の子どもたちをじっくり指導するもので、その内容が口コミで広がって、今では横浜市の約6割の地域から要請があります。
 加えて、今年から仙台を本拠地とする楽天ゴールデンイーグルスの「楽天野球塾」とも提携しました。横浜・仙台ともに、当社の製油所があり、もともと地域との結びつきが強いということも考慮しました。また、楽天のホームゲーム全試合に、当社が10席分確保して、そこに地元の少年野球の子どもたちや福祉施設の方を招待する活動も行っていますね。
 こうした活動は野球競技の裾野を拡大するものと考えており、会場でサービスステーションの割引券を配るとか、そういう商売っ気は全く出さないようにしています。
 北京オリンピックの野球は残念な結果に終わってしまいましたが、日本中の子供たちに夢やエネルギーを与えたいという思いをベースに、等身大のENEOSを知っていただく場として、野球を通した社会貢献を今後も積極的に続けていきたいと考えています。


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