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2008.10/vol.11-No.7


シズル感をうまく表現したミツカン

 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。

8月3日 朝刊

 子供たちが夏休み真っただ中の日曜日、東京の最高気温が32.7℃だった8月3日の朝刊に掲載されたのは、お酢を使った「豚のさっぱり焼き」を紹介するミツカンの全5段広告です。この広告は、印刷媒体が不得意と思われがちなシズル感をうまく表現して高い反響を獲得しました。アド・ボイス調査の結果から紹介します。

食卓を担う女性にアピール

 広告では、肉をお酢で焼く「さっぱり焼き」という新しいメニュー をレシピで提案するとともに、バリエーションレシピを紹介する料理サイトCOOKPADへ誘導しています。
 広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合である広告接触率(88.4%)、「確かに見た」人の割合である広告注目率(59.8%)ともに予測値を大きく上回りました()。男女別に見ると、レシピの広告だけあって女性の方が高めで、広告接触率で12ポイント、広告注目率では20ポイント以上男性を上回っています。特に家庭の食卓を担う主婦世代である女性30代以上の各年代の広告接触率が95%以上の高スコアとなっているのも目を引きます(表1)。自由回答でも、「献立を考えるのに役立つ」(女性30代)、「早速このレシピで作ってみました」(女性40代)という声がありました。
 広告評価6項目においても、女性がおしなべて高スコアとなっており、特に広告印象度と広告主との適合度は100%です(表2)。「すべての女性が評価した」とも言える結果になっています。

広告接触率・広告注目率の予測値との差
(N=249、単位 %)
図
表1 広告接触率・広告注目率 (単位 %)
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表2 広告評価 (単位 %)
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テレビに負けない写真の力

 新聞以外の広告接触状況をみると、4割が「テレビコマーシャル」で見聞きしています(表3)。同時期に放映されていたテレビCMは、フライパンでお酢をかけながら豚肉を調理し、出来上がって盛り付けられ、最後に家族そろっておいしく食べている、という流れになっており、新聞広告と訴求内容は同じです。両方見ることによる重複効果が見込める一方で、片方だけでも十分に理解できる、というつくりになっています。
 新聞広告だけでも完結した訴求をすることができたのは、ジュッという音が聞こえてきそうな左側の調理写真をはじめ、写真に力があるからこそでしょう。自由回答でも「とってもおいしそうな写真で興味をひかれました」(女性40代)、「食欲をそそられます」(女性60歳以上)などの声がありました。ここには、シズル感を伝えるのは映像と音のあるテレビCM、新聞広告はその補完、という既成概念にとらわれないユニークさがあると思います。
 女性の54.0%、実に半数以上が「あらためてこの商品・サービスや広告主に注目した」と答えています(表4)。お酢を使った料理の新しい提案がスムーズに受け入れられたということでしょう。「お酢で焼くという新発想は興味深い」(女性30代)、「いろいろな調理方法を紹介してほしい」(女性40代)など、女性はもちろん、男性でも「意外な盲点を突いていると思った」(男性20代)、「酢で焼く発想はなかったので印象的であった」(男性60歳以上)と、提案にビビッドに反応している様子がうかがえます。

表3 新聞以外の広告接触状況 (N=249、単位 %)
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表4 広告閲覧による行動喚起 (単位 %)
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継続提案の姿勢を評価

 ミツカンは、これまでも「鶏のさっぱり煮」、「フルーツを酢に漬けたサワードリンク」、すし酢を使ったメニューなどで新しいお酢の使い方を提案する広告を掲載してきています。
 今回、広告主との適合度で女性が100%だったのは、継続してお酢の新たな可能性を提案してきた広告姿勢が評価されている、と考えられるのではないでしょうか。また自由回答では「家族と一緒にいる時間が多い、日曜日にとても合った広告」(男性50代)、「子供がおいしそうに食べている」(女性40代)など、家族に言及したものも散見されました。今回の広告はお酢の商品広告にとどまらず、ミツカンの心を伝えるブランディング広告でもあったと言えるでしょう。

(伊集院)

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