CURRENT REPORT

2008.10/vol.11-No.7


成熟した大人ライフ実現へ きめ細かな提案ができる店に

 近年、ブランドショップの進出が相次ぐ銀座の一角に、大人がオンやオフで本当に着たい服を楽しみながらショッピングできる“大人のためのストア”を標榜する、エストネーションの銀座店が8月29日、オープンした。
 個人消費の多様化に伴い、ファッション業界市場の伸び悩みが指摘される中、5年ぶりの新店を出店した同社の販売戦略などについて、マーケティング部ジェネラルマネージャーの本多史英氏に話を聞いた。

株式会社エストネーション マーケティング部 ジェネラルマネージャー 本多史英氏
――エストネーションについて教えて下さい

 「自分らしくありたい大人の男女」が、心からショッピングを楽しめる場所を提供しようと、2000年に創業しました。
 今でこそ、「大人」をキーワードにした商品やサービスは多く見受けられますが、この当時は「大人」をターゲットに打ち出したショップは、まず無かった頃です。
 私たちが言う大人とは、年齢で区切るのではありません。自分自身をプレゼンテーションする術を知っている、そういった場を持っている成熟した大人であり、そういった方にラグジュアリーだけではない、カジュアルも融合した売り場を編成し、新たなライフスタイルを提案していきます。
 扱いブランドは、インターナショナルデザイナーからプライベートブランドまで500前後で、オリジナルが4割、国内外のセレクトが6割といった構成です。商品は洋服だけではなく、生花やコスメ、ジュエリー、ギフトアイテムまで広範に取り揃えています。
 私たちはグッチやエルメスといった高級メゾンではありませんが、エストネーションに行くと何かが見つかる、何かいいよねと思わせることがブランドとして愛され続ける上で大事なことだと考えています。洋服だけではなくカルチャーとあわせて発信していくことで、お客様にとって常に新しい発見があるよう心がけています。
 同時に、私たちはお客様とのつながりも大切にしておりますので、いたずらに顧客の拡大に努めるのではなく、一人ひとりのお客様の満足度を高めるためにメンバーシップ制をとっています。
 ショップの差別化の必要性が久しく言われ続けていますが、商品にも広告にも限界があります。つまるところは人と人とのつながりと言えるのではないでしょうか。

――メンバーシップ制の内容は

 年会費を2100円いただいてメンバーズカードを発行していますが、カードにはクレジット機能がついているわけではありません。特典として、商品のご購入時に5%オフのご優待がありますが、それも入会当日は適用されません。
 ですから、1回きりのサービスのためではなく、私たちと長くお付き合いいただけるお客様しか入会しようと思わないわけです。
 ご来店を重ねていただくうちに、ストアスタッフもお客様が必要と思われるような情報を差し上げることができるようになりますし、コミュニケーションが深まることで、エストネーションで買うという感覚から、あのスタッフに自分のクローゼットを任せたと言われる、「ライフスタイリスト」という言葉を掲げているのですが、そんな関係を結びたいと考えています。

――銀座店を紹介してください

銀座店  2001年9月にオープンした有楽町店、2003年の六本木ヒルズ店に続く3店目となります。
 周辺はどちらかと言うと、ガラス建築が立ち並ぶ無機的な環境ですが、内外装には大人を魅了する美酒である「シャンパン」をコンセプトに施し、「洗練」「優雅」「繊細」「グレード感」を表現しています。
 フロア構成は4層で、延べ2200平方メートルを超えるスケールです。私たちが考える「大人のためのストア」で、居心地の良い、洗練された空間をお楽しみいただけると思います。

――銀座店と有楽町店は非常に近いですが

 確かに商圏が重なるのではないかという意見はありました。実際300メートルくらいしか離れていませんが、私たちは有楽町と銀座とでは別のマーケットがあると考えています。銀座は海外も含め多くのお客様が集まる場所であり、有楽町は比較的丸の内に近い立地ですので、多少ビジネスパーソンを意識した商品構成となっています。 
 ただ、際立った違いは設けていません。エストネーションのあの人から買い物をしたいと思っていただければ、商圏は大きな問題にはなりませんから。

8月29日 別刷り <表紙> <6-7面>

(梅木)

取材メモ

 エストネーションは2000年9月に株式会社サザビー(現サザビーリーグ)の子会社として設立された。
 そのストア名には「EST NATION≒EAST NATION」、東の国からという思いが込められており、その原点となっているのは「東京発信」という発想。
 絶え間なく変化を続ける街、東京が持つ魅力をファッションに表現し、モードの絆で東京を基点に世界をつないでいくというのが意味するところだ。
 同時に、同社が顧客に提供する価値観でもある、感動(=Emotion)、洗練(=Sophistication)、誘惑(=Temptation)の頭文字であり、英語の最上級を表す接尾辞「est」にもなぞらえられている。

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