栞ちゃん 2007.10/vol.10-No.7

栞ちゃん
Vol.5  遊んで、遊んで、遊びました。

遊んで、遊んで、遊びました。
もしもじぶんの人生を総括する時がきて、そんな風に言えたなら、
それはひとつの究極の人生かもしれない。

さて、これは誰の言葉でしょうか。
夜遊び好きのちょいワル親父ではありません。

これは、アストリッド・リンドグレーンの言葉。
「長くつ下のピッピ」「やかまし村の子どもたち」など、
世界中の人々に愛され続ける作品をたくさん書いた、
スウェーデンの児童文学作家です。

まるで自身の作品のように生き生きとした、彼女の人生を綴った本
「遊んで、遊んで、遊びました〜リンドグレーンからの贈りもの〜/ラトルズ」。
その表紙には、なんと80歳の本人が木登りしている姿があります。
どこまでもお茶目で、お転婆なおばあさん。おてん婆さん。

「人生でいちばん楽しかったのは子ども時代」というリンドグレーンは、
妻になっても母になっても、幾つになってもそこから離れることなく、
一生を、幸福な子ども時代の瞳のままで過ごしました。

そんな人生を一言で明快に表現した本のタイトル、とても好きだなあと思うのです。
遊んで、遊んで、遊びました。

じゃあ、こんなのもあり?
愛して、愛して、愛しました(すてき)。
生きて、生きて、生きました(何やらすごい)。
恨んで、恨んで、恨みました(怖い)。
寝て、寝て、寝てました(ニート?)。
悩んで、悩んで、悩みました(がんばれ!)。
食べて、食べて、食べました(ギャル曽根)。
呑んで、呑んで、呑みました(志ん生)。

どんな言葉でも(あまりネガティブでなければ)、
こんな風に言い切ってしまえるのは、すごいことなのかも。

書いて、書いて、書きました。
・・・今の私には、最後に(笑)がつくのがオチ。いや、オチにもならない。
まだまだ道のりは遠くて、遠くて、遠いのでした。

国井美果(文)
ライトパブリシテイ コピーライター
本誌デザイン
帆足英里子(デザイン・写真)

ライトパブリシテイ アートディレクター


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