AD FILES 2007.4/vol.10-No.1

服が持つ世界観を表現 「読ませる」シリーズが高い反響
三陽商会 事業本部 宣伝室長 平松 隆司氏
 光のどけき、風かぐわしき。「アマカ」をまとって桐島かれん、春の人になる──3月9日朝刊に掲載された三陽商会のミドルエイジ女性向けファッションブランド「AMACA(アマカ)」の全ページ広告は、さらりとしたコピーと、アマカの服を身にまとったイメージモデル桐島かれんの4枚の写真が、まるでファッション雑誌の1ページのような印象を与える。

こだわりを記事風に紹介

 イタリア語でハンモックの意味を持つアマカは、2005年秋に誕生し、百貨店を中心に店舗展開を図っている。
 年齢を重ね、本当に良いものを見極めるセンスを持った30代〜40代の女性をターゲットとするアマカは、厳選した高品質の素材を用い、豊富なサイズ展開とシルエットの美しさを追求したこだわりのブランド。このこだわりを表現するために2006年3月からとられた手法が、記事スタイルの新聞広告だ。「アマカ=私と一緒に語ってくれる服」と題したシリーズ広告は、今回で5回目となる。
 「一方的な企業からの押し付けだと読者が感じないように、新聞記事が持つ信頼性にうまく同化できる形にすることが一番のポイントでした。それは、記事スタイルをとることでうまく表現できたと思っています」と語るのは、事業本部宣伝室長の平松隆司氏。
 「新聞広告といえば3秒でページをめくると言われる中、あえて記事風の読ませる手法をとりました」
 丁寧に練り上げられたコピーによって落ち着きと上品さを感じさせるシリーズ広告は、毎回コンセプトを変化させ、レイアウトも工夫することで読者に新鮮な印象を与えている。
 昨年3月9日と4月7日に掲載された広告は、桐島かれんが日常を語るドラマ仕立て、9月15日と10月20日の広告では、1枚で紙面の約半分を占めるポートレートで印象付ける手法をとった。そして、今回の広告では、桐島かれんがモデルとなって登場し、様々な着こなし方を提案している。
 桐島かれんを起用した理由について平松氏は「モデル出身でファッショナブル、アートへの関心も高く、非常にインテリジェンスがあり、さらに子育てもしっかりする母親の顔を持つ彼女のライフスタイルは、アマカのターゲット層に受け入れられるだろうと考えました」と語る。
 「ファッションだけでなく、多くの女性があこがれを抱く桐島さんの生き方を文章で紹介することで、ブランドの世界観をさらに肉づけできるのではと考えたのです」
 今の生活者は、以前のように買いたい商品を百貨店に見つけに行くのではなく、自分に合ったブランドや商品があるという理由で百貨店に行くという消費行動に変化してきた。
 「だからこそ、よりブランドのコンセプトを知りたがるようになった生活者に対して、アマカのコンセプトをきっちり伝えることが大切なのです」。

読まれるメディアとしての新聞

 アマカショップ店頭では新聞広告のタイミングにあわせ掲載商品をディスプレーし、広告を目にした多くの女性たちを店内に誘引した。
 「掲載から3日間で、電話での問い合わせが殺到しました。ショップでの取り置きを依頼されるお客様も多いですね。店頭でも新聞広告で紹介した商品から売れていくなど、新聞広告の即効性と読者を店舗に導く誘引力に気づかされました」と平松氏。
 Webへと誘導するビジュアル中心の広告が多い中で、記事スタイルの広告が効果を上げたということから、改めて新聞が「読まれるメディア」だということも再認識したという。
 「どちらかというと、このような問い合わせは、若い年代向けのブランドに多かったのですが、30代、40代くらいの方々のレスポンスがこのような形で現れるというのは、我々は予想もしていなかったことです」
 当初は、新聞広告では訴求するターゲットが散らばってしまうのではないかという懸念もあったというが、読売新聞の広告反響調査「アドボイス」でも、30代、40代の広告評価が高く、「初めてこのブランドを知ったが、好感が持てた」、「こんな服を着てみたい」、「店頭で商品を確認したい」などの意見が寄せられている。
 「新聞広告はターゲットを広げる効果も期待できることを実感しました。今後も、信頼性の高いメディアで、多くの方にアマカが持つこだわりの世界観を伝えていきたいと思います」


(中西)
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