GLOBAL Interview 2005.11/vol.8-No.8

ヒュンダイ モーター ジャパン
菅原 俊朗氏

ヒュンダイモータージャパン(現代自動車)
 韓国第1位、世界第9位の販売台数を誇る総合自動車メーカー。1967年の創立以来、世界を舞台に活躍できる自動車メーカーをめざし、高い品質の実現と最先端の技術開発に力を注いできた結果、2004年には198の国と地域で316万8065台を販売するまでに成長を遂げた。
 ヒュンダイ モーター ジャパンはヒュンダイ モーター カンパニー100%出資の日本販売法人として2000年1月に設立。


 「あなたとすごしたソナタ。新しいソナタで、いままた、会いに行きます。大切なあなたに。」
 テレビドラマ「冬のソナタ」の名場面を連想させる場所を、ぺ・ヨンジュンが感慨にふけりながら車で走り抜けるテレビCMに、思わず見とれてしまった女性も多いことだろう。
 “ヨン様”がハンドルを握るセダンは、その名も「ソナタ」。韓国ナンバーワン自動車メーカー、ヒュンダイが誇るベストセラーカーだ。昨年、全世界で23万台を売り切り、アメリカではトヨタ カムリを抑え、中型車品質ナンバーワンの評価も得た。
 そのヒュンダイ ソナタが去る九月、満を持して日本に上陸した。そこで、ソナタをはじめ「TB」「XG」など、ヒュンダイ車を日本で販売するヒュンダイ モーター ジャパン 代表取締役社長 兼 CEO 菅原俊朗氏に、今後の戦略について話を聞いた。

――海外、特にアメリカで評判が高いようですね

 私が話すより、信頼ある調査機関の評価を知ってもらうほうが良いだろう。まず、一番自動車で大切な品質面でいえば、米JDパワー・アンドアソシエイツ社によるメーカー別初期品質調査(2004年版)で、ヒュンダイは世界の名立たる自動車メーカーの中で第2位の評価を得ることができた。
 ブランドイメージにおいても、英インターブランド社と米ビジネスウィーク誌が7月に発表した「世界の企業ブランド価値ランキング」で84位に入ることができた。自動車メーカーとしてはアウディに次いで第8位、ちなみに第9位は日産だ。

――ヒュンダイ車の特徴は

 まずは圧倒的な評価を得ている品質。そして決して安価ではなく、適正な価格でお客様に提供していること。やはりメーカーというのは、良い商品を継続的に、適正な価格で供給するのが義務だろうと思っている。高すぎるものは、世の中の歴史を見てもだんだん淘汰(とうた)される運命にある。
 
――ソナタも魅力的な価格設定です

 売れ筋の中級グレードには、6エアバッグとESP(横滑り防止装置)などの安全装備のほか、6連奏CDチェンジャーが標準で付いてくる。国産車と比べても10〜20%は廉価な価格で提供している。品質も、日本向けに塗装工程を一段階増やすなど、さらに磨きを掛けている。そういう意味では、非常にお買い得感のある良い車だと自負している。あとは、いかにヒュンダイとソナタという名前を日本の消費者に知ってもらうかということだ。
 
――ぺ・ヨンジュンさんの広告も話題ですね

 新聞広告やテレビCMを打ったおかげで、9月の新車発表会では約8,500人ものお客様にショールームに来ていただいた。ただ、まだ40ディーラー、60拠点と販売店が少なく、すべてのお客様に対応できていないのが残念なところ。電話でも、どこへ行けば買えるのか、という問い合わせが多かった。まずは100拠点の体制作りが急務だと認識している。

――年間販売台数3万5,000台が目標とのことですが

 日本の乗用車市場は約300万台から350万台の規模だ。その中で、1%のマーケットシェアを取りたいというところから、3万とか3万5,000という数字が出てきている。
 確かに日韓には様々な政治的問題や難しい部分もあるが、民間ベースでは毎日1万人もの人々が韓国に渡っている事実を考えれば、決して無理な数字ではない。ただ、そのためにはディーラー網の整備と、車種バリエーションの充実が絶対条件となる。

――今後の展開は

 ソナタに続いては、3.3リットルの高級セダン「グレンジャー」を来年年明けに発売する予定だ。韓国でも今年6月に発売されたばかりの車だが、非常に好評で、ソナタより売れている。日本車でいえば、クラウンよりちょっと上、マジェスタと同クラスに位置する。価格設定はこれからだが、恐らく300万円前後になるだろう。そういう意味では、高級車に適正な値段で乗っていただけることになるはずだ。



 1949年生まれ。早稲田大学卒業後、74年にトヨタ自動車販売に入社。その後、メルセデスベンツ日本、BMWジャパン、日本ゼネラルモーターズを経て、今年8月にヒュンダイ モーター ジャパンに入社し、現職に就任した。
 「ヒュンダイにはポテンシャル、将来大きく発展する可能性を感じていた。だから、日本の販売の指揮を自分自身で執れるということに魅力を感じた」
 自宅のガレージの車もEクラス、7シリーズ、キャディラックからヒュンダイXGに変わった。
「息子もXGを気に入って運転している。次のグレンジャーも楽しみにしているようだ」

(佐藤)

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