今月のデータ 2005.11/vol.8-No.8

ビジネスマンの新聞の読み方
 現在、50代後半である団塊の世代の人たちが60代になると、どのような変化があるのだろうか。50代と60代に焦点を当てて、生活意識の動向や関心事、情報源などについて探ってみた。


エンジョイ開始に男女差


 読売新聞東京本社では、この6月に都市生活者調査(東京50km圏)を行い、今後の生活において「貯蓄・投資等将来への備え」と「毎日の生活を充実させて楽しむ」のどちらに力点を置くかを聞いた(図1)。男性においては、20代では「毎日を楽しむ」人の割合が多いが、30代では減り、その後「毎日を楽しむ」人の割合が増えるのは55歳になってからである。
 一方、女性は、20代から堅実で「将来に備える」人の割合が多い。女性の場合、45歳で「毎日を楽しむ」人の割合が「将来に備える」人の割合と逆転し、以降年齢が上がるにつれそのスコアは上がる。45歳で“エンジョイ志向”開始の女性と、55歳からの男性とでは、約10歳の差があることがわかる。
 また、世帯平均預貯金総額を年代別に見ると、50−54歳で801.9万円なのに対し、55−59歳では1,412.5万円と、55歳から急激に増加している。これは子供の独立などが一つの原因だと考えられる。
 55歳からが男女そろってある程度お金を持ち、生活を楽しむことを考えている、“エンジョイ世代”であると言える。

図1  今後の生活における力点−「貯蓄・投資等将来への備え」か「毎日の生活を充実させて楽しむ」か(性年代別)


一番関心のある広告は「国内旅行」

 では、この年代はどのような商品・サービスに興味を抱いているのであろうか。関心のある広告を全国新聞総合調査(=J-READ、ビデオリサーチ調べ)から見てみる(表1)。
 50、60代ともに最も関心のある広告は「国内旅行案内」で約7割。以下、「健康食品・健康飲料」「身の回り品・装身具」「本・書籍」と続く。
 また男性は、60代になると「国内旅行案内」「台所用電気製品」のスコアが約10ポイント上昇。リタイアからくる時間的余裕からか、旅行や身の回りの対象に興味を持ち始めているようだ。また、「健康食品・健康飲料」への関心も増える。
 一方、女性では50代から60代でのスコアの変動のある商品・サービスはあまりない。また、スペースの都合で表には記載できなかったが、女性の関心の高い商品・サービスである「映画・演劇などの案内」「トイレタリー」「化粧品」の項目も、約5割と高いスコアであった。

表1 関心のある広告の種類(Top10)

表1 関心のある広告の種類(Top10)

*表はエクセルデータでご覧になれます。

情報源は新聞

 それでは、この年代はどのようなメディアを通して関心のある商品・サービスの情報を得ているのだろうか。
 四大マスメディア広告に、インターネット、折り込みチラシ、フリーペーパー、交通広告、屋外広告を加え、全国新聞総合調査では聞いている。
 具体的にこの年代で関心が高かった商品・サービスである「国内旅行案内」「健康食品・健康飲料」「本・書籍」で見てみる。「国内旅行」では「新聞」「折り込みチラシ」、「健康食品・健康飲料」では「テレビ」「新聞」、「本・書籍」では「新聞」「雑誌」の順であった(表2)。この代表的な三商品・サービスにおいて新聞のスコアは50−60代でいずれも5割を超えており、新聞が情報源として大きな位置を占めていることがわかる。「本・書籍」では80%台と圧倒的である。この背景には、この年代では週5日以上新聞を読む人が8割を超え、高接触メディアであるという事実がある。
 一方、インターネットについては、この年代では、男性50代が若干高いものの、関心広告情報源として1〜2割程度に過ぎなかった。この傾向は他の商品・サービスでも見られた。
 また、新聞とテレビへの平均接触時間量を見ても、この年代の接触量は全体と比べて多い(表3)。特に男性では、新聞の接触量が60代で50代の1.5倍になる。一方、テレビは2割弱に当たる約30分、つまり番組一本増える程度に過ぎない。

表2 関心広告の情報源

表2 関心広告の情報源

表3 平均接触時間量(平日)

表3 平均接触時間量(平日)

*表はエクセルデータでご覧になれます。

男性60代で生活情報への接触増加


 この年代は新聞のどのようなページを読んでいるのであろうか。読売新聞東京本社が年に4回調査している面別接触率から見てみる(表4)。この年代は政治、経済、社会などあらゆる面を読んでいる。また男性では、リタイアし、いよいよ身近な生活情報に興味を持ったからだろうか、くらし(生活情報)面のスコアが60代で高くなることも特徴の一つである。また、じっくり読む証明として、解説面や投書面のスコアも上がっている。
 あと2年すると団塊の世代のリタイアが始まり大量のエンジョイ実行世代が生まれる。このような社会変化の中で、これから彼らを顧客としてひき付けるためには、彼らとコミュニケーションをとれる適切なメディア選択を行うことが必要である。
 じっくり毎日接触する、彼らが慣れ親しんでいる新聞というメディアを通してのコミュニケーションは、ますます重要になってくるだろう。
 また、団塊の世代のリタイアは新聞社にとってもじっくり新聞を読んでくれる読者が増えることを意味する。新聞社としては、そのことを見据え、彼らと企業を結ぶ効果的なコミュニケーション方法を研究し提案していく責任が、ますます強くなってくるだろう。

表4 50−60代の面別接触率(東京本社:朝刊)

表4 50−60代の面別接触率(東京本社:朝刊)

*表はエクセルデータでご覧になれます。

2004年全国新聞総合調査(J-READ)   2005年都市生活者調査(東京)
調査期間 2004年10月24日〜10月30日
調査地域 全国47都道府県の全域
調査対象 満15〜69歳の男女個人
サンプル数 全国計33,800
サンプリング RDDにより調査対象者を抽出し、調査への協力を依頼
調査方法 調査協力依頼に応諾した対象者に対し、後日郵送で調査票を送付し記入完了後、調査票を返送
有効回収数(率) 全国計28,790(85.2%)
調査企画・設計・
レターヘッド・実査
(株)ビデオリサーチ
 
調査期間 2005年6月24日〜7月15日
調査地域 東京50km圏
調査対象 18歳〜69歳の男女個人
サンプル数 5,000
サンプリング 住民基本台帳を基にした二段階無作為抽出
調査方法 訪問留置法
有効回収数(率) 2,012(40.2%)
調査企画・設計 読売新聞東京本社広告局
レターヘッド・実査 (株)日本リサーチセンター

(東)

もどる