AD FILES 2005.11/vol.8-No.8

創業者のDNAを今に伝える130周年イベント広告
NTTデータ 広報室 課長 加藤恭彦氏  1975年7月1日に創業した東芝は、今年「130周年プロジェクト」として、「for your No.1」のキャンペーンスローガンを掲げてコミュニケーション戦略を強化している。その一環として、9月9日から11日まで国立科学博物館で「驚き!130年モノづくり物語」(東芝グループ主催、読売新聞社後援)を開催し、イベント初日の朝刊に全ページ広告を掲載して告知した。

企業広告としてのイベント告知

 同社の創業者である「からくり儀右衛門」こと、田中久重が作った“万年時計(複製品)”を中央に据えた全ページ広告は、単にイベントへの集客効果だけを狙ったものではない。同時に東芝のモノづくりに対する“強い思い”を込めた企業広告にもなっている。
 「万年時計から現在、さらには未来へと広がっていくイメージです。江戸時代に日本人の生活を考えて作られた万年時計に象徴されるように、日本のモノづくりの基本的な発想には、真理を背景とした確かな技術があります。そして、それを世の中に出す時に、使う人の気持ちを非常に繊細に考えて愛される工夫をするというモノづくりに対する情熱もあります。この二つを表現しました」と語るのは、ブランド推進部長の白井純氏。
 本誌読者モニターからも、「企業イベントの広告であるが、自社の技術をひけらかすのではなく、日本のモノづくりについて、今振り返ってみようとする姿勢が好印象」、「現代では忘れられている『モノづくり日本』の神髄を見られるようなイベントだ」、「子どもを連れて博物館に行ってみよう」などのコメントが寄せられている。
2万人を超す来場者でにぎわった記念イベント「驚き!130年モノづくり物語」
2万人を超す来場者でにぎわった記念イベント「驚き!130年モノづくり物語」
 今回は、同社が国立科学博物館・文部科学省特定領域研究「江戸のモノづくり」総括・研究班と共同で“万年時計復元・複製プロジェクト”に取り組んでいたことから、同館では初めての民間企業単独主催のイベントとなった。復元された万年時計は「愛・地球博」で展示され話題を呼び、今回特別展示された複製品が呼び水となって、会場は親子連れや若者など老若男女を問わず、3日間で2万人以上を集めてにぎわった。
 新聞広告は、ニュース性を生かすためにイベント初日に掲載した。「幅広い読者層を持つ読売新聞で告知したことによって、万年時計に興味のある方や、最新技術に興味がある方、江戸に関心のある方など様々な人が来場しました。また、ネット時代にもかかわらず、中高生が熱心にメモをとりながら展示物を見ていた姿が印象的でした。そういう未来を支える人たちにアピールできたこともあり、まさに国立科学博物館でイベントを実施して良かったと思いました」と白井氏。

記事体広告で詳細に

 9月29日の朝刊には、会場で行われたシンポジウムを採録した記事体広告を掲載した。
 「直接イベントに来てくださった方以外にも、色々な立場の人も含めたできるだけ多くの人に趣旨を伝えたいと思いました。また、後援である読売新聞と一緒になって社会に対する提案活動を行っていることをアピールする目的もあって、信頼性が高く情報量を多く盛り込める新聞社制作の記事体広告を選択しました」
 また、新聞広告にはインナーに向けてのブランディング効果も期待したという。「例えば、従業員も一般生活者であり、家庭では新聞を読んでいます。そこへ自分が関係する事業が掲載されれば勇気づけられますし、会社の取り組みもじっと見ています。そういう意味で、新聞広告というのはコミュニケーションのブーメラン効果が非常に大きいと思います」

東芝らしい「強い広告」

 新しいコミュニケーションを展開していく上で、「力強い東芝」をテーマにした戦略を強化していくために、これまで様々な分野で社会を進歩させることに貢献してきた同社の活動を見つめ直した結果、「飽くなき探究心と情熱」という創業以来一貫して流れているDNAを表現したいと考えたという。
 「『for your No.1』というスローガンの根っこには、使って下さるお客様に一番満足されるもの、お客様の気持ちが豊かになるものを提供していくという決意を込めています。我々は、“驚きと感動”“安心と安全”“快適”という三つの価値をお客様にお届けしていきたいと思っています」
 幅広い事業を展開する同社だが、今後も様々なメディアの特性を使い分けながら、「東芝らしさを出した強い広告」を通じてコミュニケーションを強化していくという。「まずは我々の思いを伝えました。しかしメーカーとしては、やはり商品を通して具体的に伝えていくことも大切です。今後は来年6月末まで続く130周年期間に投入する新商品をメーンに出し、さらには未来についても展開していく予定です」

9月9日 朝刊 9月29日 朝刊

(橋本)
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