特集 2006.1・2/vol.8-No.10・11

メディアニュートラル時代に効く広告
企業のビジョンを伝え、生活者と対話するメディア

 これまで製品キャンペーン中心に活動してきた日本コカ・コーラは、8月1日、生活者の意見を募る企業広告を新聞を使って展開した。企業ブランディングに取り組み始めた意図と、新聞広告とネットを連動した展開について聞いた。

紙面
――本格的な企業広告は、初めてと聞いていますが。
 8月1日は企業広告の掲載日であるとともに、全国的なコカ・コーラ企業体の企業ブランディング活動のキックオフ、そして、「人と人をうるおす Coca-Cola」という新しいスローガンの導入の日であり、今年が我々にとっての「企業ブランディング元年」と思っています。

――コカ・コーラ企業体というのは、ボトリング会社も含めてということですか。
 ボトリング会社とは資本関係が直接ないので、全体を指して言うときは、我々はコカ・コーラ企業体、あるいはコカ・コーラ・システムと呼んでいます。マーケティングの開発責任が日本コカ・コーラに、営業の販売責任はボトリング会社にありますが、実際の仕事は協働して行っています。
 なぜ日本コカ・コーラと国内に14社あるボトリング会社がいっしょになって、企業広告を展開したかということですが、内的要因、外的要因それぞれ2つずつ、全部で4つの要因があります。
 内的要因の1つは、企業として認知が低いことです。製品であるコカ・コーラを知らない人はいませんが、逆に、コカ・コーラという企業体の実態はあまり知られていません。ということは、我々が行っている社会的な活動もあまり知られていないということです。これは、調査結果から実態がわかったことで、たとえば、社会貢献的な活動やイベントは、全国のボトリング会社ではこれまで年間で874件やっていました。
 2つ目はブランドが多様化してきたことです。コカ・コーラ、ジョージアの中核商品以外にブランドが増え、企業体としてのコミュニケーションが必要になってきたからです。
 外的要因の1つは、生活者の企業を見る目が厳しくなってきたことです。ここ10年、企業の不祥事が続き、上場企業だから安心できる、製品が有名だから、広告をやっているからいい会社だとは、生活者は思わないようになってきています。
 2つ目は、企業が社会的責任を果たすことが求められるようになってきたことです。飲料メーカーとして、魅力的で安全な製品を開発して届けるだけでなく、企業としての社会的責任も果たして、しかも、それを公表しないとご理解頂けない時代が来ていると思っています。

リフレッシュメントと社会性

――「人と人をうるおす」という企業スローガンの意図というのは?
 いままでは、やはり製品であるコカ・コーラが企業ブランドの役割も果たしていました。社内では“同心円”と言っていますが、コカ・コーラの持っているリフレッシュメント、エネルギッシュ、ヤング・アット・ハート、つまり年齢に関係なく、心の中は若々しくいてほしいというブランドスピリッツが、他の製品だけではなくて、会社の精神にもなっているところがあります。
 中でも、「リフレッシュメント」を提供したいというのは、世界で1日に13億杯飲まれているコカ・コーラ製品の世界的なミッションです。
 これまでは製品キャンペーンですから、それでよかったのですが、いま企業に求められているのは、社会との共存共栄、共生です。そのためには、リフレッシュメントだけでなく、社会との共存を目指す企業の意思を表明したスローガンにしたい。それで生まれたのが、「人と人をうるおす」という企業スローガンです。
 社会からコーポレートレピュテーション、つまり良い評判を頂いて、最終的にはあらゆるステークホルダーの方々から信頼されて、選択される。できれば少しでも尊敬される企業でありたいということが、今回の企業広告につながってきたのです。

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