特集 2005.10/vol.8-No.7

AdVoice特別アンケート 読者は新聞広告をどうみているか?
 新聞広告の特性としてよく言われるものに「信頼性」がある。2004年全国新聞総合調査(J―READ)によると、「信頼できる広告」として新聞広告を挙げた人は56.8%となっている(図1)。多メディア時代になっても、「信頼性」という新聞広告の強みは変わらないようだが、では、実際に読者は新聞広告をどのように見ているのだろうか。読売新聞広告ネットモニター調査「AdVoice」を使って8月20日から23日にかけて実施した読者アンケートから、代表的な「新聞広告についての意見」を紹介する。

図1 信頼できる広告は
図2 企業の考えや訴えたいことがわかるのは

2004年全国新聞総合調査(J-READ)調査概要
調査期間 2004年10月24日(日)〜30日(土)
調査地域 全国47都道府県の全域
調査対象 15〜69歳の男女個人
サンプル数 全国計33,800
サンプリング RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)により調査対象者を抽出し、調査への協力を依頼
調査方法 調査協力依頼に応諾した対象者に対し、後日郵送で調査票を送付し、記入完了後、調査票を返送
有効回収数(率) 全国計28,790(85.2%)
調査企画・設計
・レターヘッド・実査
(株)ビデオリサーチ


新聞広告の良いところ

 J―READによると、「企業の考えや訴えたいことがわかるのは」という設問に対して50.7%が新聞広告を挙げているように(図2)、新聞広告には「企業のメッセージを的確に伝えることができる」という特徴がある。それは「最近の新聞広告は、企業の個性や他社との比較がオープンになっていてよい」(女性20代)、「新聞広告を見ていると、その会社の姿が見えてくる」(女性50歳以上)などのコメントにも表れている。
 また、「新聞とは何か」という問いに対し「日を刻んで出される歴史書」という答え方があるが、それは新聞広告にもあてはまる。「(新聞広告は)時代を象徴しているように感じます」という30代の男性の意見や、同じ世代の男性からも「広告も時代を映す情報のかたまりだ」という声があがっている。

新聞広告の良いところ
最近の新聞広告は今までどれも同じようだったものがなくなり、企業の個性だったり、他社との比較がオープンになったりしていて良いと思う。(女性20代)
新聞が時代を切り取る情報ならば、広告も無論、時代を映す情報のかたまりだ。(男性30代)
新聞広告を見ていると、その会社の姿が見えてくるのは確かだと思います。最近はちょっと気になると、すぐインターネットにアクセスし、より詳しい情報を取得します。(女性50代)
時代を象徴しているように感じます。(男性30代)
書籍の広告は重宝している。書店で見逃しがちな本に出会える。(女性40代)
ゆっくり、興味のあるものだけを見られるのが新聞広告の利点だと思います。(女性30代)
中高年まっただ中のわたしには関係なく通過していくようなことでも、毎日朝晩決まって届く新聞をひとたびめくると、その話題の中心に入っていくことができます。(女性60歳以上)


他メディア広告との違い

 では、新聞広告と他メディアの広告では何が違うのだろう。「テレビはCMになるとチャンネルを変えてしまうけれど、新聞広告は一目見て気に入るとじっくり読んでしまう」(女性20代)、「紙媒体だから、もう一度確認したいときに探すことが可能」(男性40代)など、テレビと比較した回答が目立った。ほかにも「インターネットにない読みやすさがある」(男性30代)など、インターネットとの違いから新聞広告を評価するコメントもあった。

新聞広告と他メディア広告との違い
記事の詳細や、広告などインターネットにない読みやすさがあると思う。(男性30代)
インパクトではテレビCMに負けるが、添えられた文章で訴えられるのが新聞の利点だと思う。またHPアドレスなどはテレビCMではキャッチしにくいが、興味を持った企業や商品について、後で調べられるのがいい。(男性20代)
週刊誌にくらべて新聞にでてると信頼できる感じですね。(女性20代)
新聞は毎日必ず見るものなので、インターネットより宣伝効果はあると思う。(男性30代)
紙媒体だから、もう一度確認したいときに探すことが可能。テレビなどでは一瞬を見逃すと見ることができない。(男性40代)
テレビはCMになるとチャンネルを変えてしまうけれど、新聞広告は一目見て気に入るとじっくり読んでしまう。(女性20代)
テレビCMと違い、ゆっくりと自分のペースでその広告を読めるところがいいと思う。見ていても楽しい。また、広告で、その企業の現在の勢いなどが分かり、購入する際などにも役に立つ。日本の経済も分かるし、見ていて勉強になる。(女性30代)


新聞広告に望むこと

 広告表現については、目を引きつけてパッとイメージが分かるものが良いという意見が多かった。とはいえ、ただ目に付けば良いというものでもないらしい。「さわやかな、またほのぼのとした気分にさせるのが良い」(男性50代)などの意見に代表されるように、男女とも美しい広告を望む意見が多かった。「レイアウトや色遣いのきれいな広告が好き」(女性30代)など、きれいなカラー広告が好まれていることがうかがえる。
 商品文化、企業文化がない「演出」のみの広告はむなしい。「企業側にも、内容が伴っている広告を出す責任があると思う」(女性30代)という意見からは、広告内容への責任を企業に問う姿勢が読み取れる。同様に「しっかりメッセージを伝えてくれる企業には尊敬の念を感じる」(女性40代)と広告の送り手に相応の心構えを期待する意見も目立った。

新聞広告に望むこと
新聞広告は、パッとイメージが分かるもので、一瞬で理解できるものが良い。(男性30代)
広告はまず目を引きつけることが大事。奇抜なものでなく、新鮮な感動を呼ぶものとか、美しい風景があるとか、できればさわやかな、またほのぼのとした気分にさせるのが良い。(男性50代)
毎日、新聞を読みますが、時折記事より先に広告に目がいく時があります。その様な広告には芸術品にも引けを取らない気品が感じられます。広告は商品や企業のポリシーを読者に理解してもらうのが大きな目的と思いますが、読者の心に訴えかける芸術性の高い広告がもっと多く掲載されると良いと思います。(男性50代)
パッと見で、引きつけられるようなコピーや表現だと面白いと思うし、その企業への好感度もあがる。もちろん、広告を出す企業側にも、現実的に商品やサービスなどの内容が伴っている広告を出す責任があると思うが。(女性30代)
しっかりメッセージを伝えてくれる企業には尊敬の念を感じる。テレビにはできない、活字ならではの広告をこれからも楽しみにしています。(女性40代)
よく詳細はHPで、というのがあるが、サイトを見られない環境にある人も多いので、新聞紙面だけでも十分な情報提供を心がけてほしい。(男性60歳以上)
一目で見て分かりやすい広告、レイアウトや色遣いのきれいな広告が好きなので、そういう広告をどんどんつくってほしい。(女性30代)


 読者は一人一人で存在し、決して読者というかたまりがなんとなく存在しているわけではない。新聞広告について寄せられた様々な意見を、すべてここで紹介できないのは残念だが、読者は独自の視点を持ち、新聞広告ならではの接し方で情報を選別しつつ、広告の送り手からの信頼できるメッセージを待っていると言えるだろう。


AdVoiceの調査対象者
多数のモニター応募者(新聞広告とウェブで募集)の中から、読売新聞一般個人調査による読売読者の性・年代、職業別構成に基づいて抽出された300人(×2系列)。(モニター条件:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県に居住する20歳以上の読売新聞朝・夕刊購読者)
調査期間 2005年8月20日〜23日

(増田)



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