特集 2004.3/vol.6-No.12

2004年の新聞広告を展望する
「ネット・プロモーション」をテーマに第9回WABフォーラム開催される
 
 広告主企業を主体にメディア、広告会社、制作会社などが業界横断的な研究団体として活動する「Web広告研究会」(Web Advertising Bureau、略してWAB)が、2月10日、東京・大手町のサンケイプラザで「第9回WABフォーラム」を開催した。今回のテーマは、実践段階に入ったネット・プロモーション。井上雅博ヤフー代表取締役社長の基調講演をはじめ、具体的な事例を交えた講演やトーク・セッションが行われた。
 フォーラムでは、2003年のインターネット広告費は前年より20〜30%増え1000億円を超えるのではないか、また制作費などを含めると2000億円にのぼり、インターネット広告がラジオ広告の市場規模に迫る勢いという声が聞かれた。その中でも特に伸びているのが、今回のフォーラムのテーマであるプロモーション目的、プロモーション告知目的の費用だ。こうした現状をまとめ、今回のフォーラムでは、「ネット・プロモーション新時代」を宣言した。 
 また、Web広告研究会の組織が、これまでのブロードバンド委員会やモバイル委員会など要素別の組織から、サイト活用委員会、メディアミックス委員会、ネット・プロモーション委員会など活用別組織に変更されたことも発表された。最近は、ネットを使ったキャンペーンも、パソコン、モバイル単独ではなく、マス媒体も含めた複合的な使い方が増えてきた。技術に比重を置いた要素別組織では、柔軟な活動がむずかしくなってきたためという。
 フォーラムで発表された「ネット・プロモーション新時代」宣言は、以下の通り。

「ネット・プロモーション新時代」宣言(全文)
「ネット・プロモーション」がいよいよ新たなステージへ
 携帯を含めたインターネットの活用が、企業のコミュニケーション戦略に変化をもたらしつつある。今やインターネットはマス媒体の一つとして欠かすことが出来なくなっているが、ホームページなど企業のダイレクトコミュニケーション量もここ数年飛躍的に伸びたことも大きな影響を与えていると思われる。また、ネット広告業界の売り上げの伸び率をみると、「プロモーション目的」や「プロモーション告知目的」の出稿が、単純な商品知名度アップなど「純粋の広告目的」出稿に比べ高くなってきているようである。第9回WABフォーラムでは以下の証言から、「ネット・プロモーション」分野がさらなる拡大の新しい局面を迎えていると認識し、ここに「ネット・プロモーション新時代」を宣言する。
●証言1 ネット・プロモーション実施件数および活用業界の裾野拡大へ
新聞掲載されたキャンペーン広告分析でウェブ応募可能比率は、2002年度の19.9%から、2003年度は30.9%と大幅に増加した。また、2002年度は飲料・菓子・食品業界がネット・プロモーションをけん引したが、2003年度は薬品・化粧品・雑貨や衣料品、自動車、家電、住宅、旅行、出版、外食、金融や保険・証券業界等での活用も拡大した。

●証言2 広告とプロモーションを同時に展開可能なネットは、マス媒体の5番目の柱へ
携帯とパソコンを合わせたネットユーザーは人口の約2分の1、全国で約6500万人以上、ブロードバンドは2003年末で約1400万世帯となり、アクティブ・ユーザーの層が着実に拡大した。また、そのアクティブユーザー層の中身を見るとF2(女性35〜49歳)やM3(男性50歳〜)のユニークユーザー数や活用時間が大幅に伸び、マーケティング的な価値が増加した。その結果、広告とプロモーションを同一平面上で展開できるネット媒体は、もはや5番目のマス媒体として欠かすことが出来ない存在となった。

●証言3 ネット・プロモーションにより各種データベース・マーケティングの実現が可能に
ネット・プロモーションにより顧客データベースの構築が容易になり、きめ細かなパーソナル・アプローチや、FSP(フリークエント・ショッパー・プログラム)手法などを可能にしたため、さまざまな業態のマーケティング活動の中で注目を浴びる存在になった。

●証言4 多様なニーズに応えられるインフラの整備やサービスの充実
ネット・プロモーションをサポートするシステムの多様化や活用ノウハウの蓄積が急速に進み、安心して実施出来る環境が出来た。また、プロモーション手法のバリエーションが広がると共に、コスト・パフォーマンスも改善され、企業はマーケティング目標の違いによって選べる状況が整った。

●証言5 「商品単位のキャンペーン手法」から「ブランド・プロモーションの根幹」へ
マーケティング戦略の中でインターネット媒体活用に対する位置付けが、単なる「商品キャンペーンの先進的な手法」であった時代から、「ブランド・プロモーションの中核的な手法」の一つとして、テレビや新聞などのマス媒体とのメディア・ミックスを視野に入れた新たな取り組みの時代に入ってきた。




2004年の新聞広告を展望する
コピーライター 眞木 準氏 × 東海大学文学部広報メディア学科助教授 水島久光氏→
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