特集 2001.3/vol.3-No.12

デジタル時代の法律
コラム
 
 情報の伝送路をコンジットという。コンジットは、まず出版、ついで電気通信、さらに放送、最後にインターネットという順で出現してきた。それぞれコントロールする法律は違う。
 一般にコンジットに関する法律は、事業者に対する事業規制として設けられる。その目的は、情報流通をゆがめることのないような制度を作ることにある。その条件は、だれもがそのコンジットに公平にアクセスできることである。そのコンジットが潤沢に存在すれば、だれでもアクセスできる。だが潤沢でなければ、ユーザーが偏らないように利用のルールを設けなければならない。

[1] 出版
 出版には法的規制はない。出版は社会に潤沢に存在する資源であり、だれでも自由にアクセスできるからだ。唯一規制があるとしたら「表現の自由」に対する乱用禁止規制のみとなる。

[2] 電気通信サービス
 電気通信事業法によって規制されている。電話会社などの事業者は、だれでもアクセスできるサービスを義務づけられており、これを「ユニバーサルサービス」と呼ぶ。

[3] 放送サービス
 放送サービスは、技術的には電気通信サービスの一部門だが、法律は別のものとして定義している。放送を規制しているのが放送法で、電波の周波数は有限であることから放送の不偏不党などの公正原則の規制がある。公正原則は、米国ではテレビの多チャンネル化に伴い80年代に廃止されている。

[4] コンピューターネットワークサービス
 コンピューターネットワークというアプリケーションは70年代に出現した。このアプリケーションは、電気通信サービスとコンピューターを融合させた。日本では、電気通信サービスを第一種事業、コンピューターネットワークのサービスは第二種事業と分類し、前者を規制の強い領域、後者を規制の弱い領域に置いた。

[5] 通信サービス+放送サービス
出版
電気通信サービス
放送サービス
コンピューターネットワークサービス
通信サービス+放送サービス
インターネット
 80年代半ばには、「通信と放送の融合」が始まった。日本では通信は電気通信事業法、放送は放送法で規制されている。憲法上の規定で通信には「通信の秘密」があり、放送には「表現の自由」があり、融合の領域にどのようなかたちの規制をかけるのかが問題になっている。

[6] インターネット
 インターネットは95年に商用化が始まっている。インターネットは電気通信事業者の提供するサービスの上に構築された一つのアプリケーションということもできる。この意味では、法的規制の対象外である。一方、インターネット電話やインターネット放送は規制対象のアプリケーションである。つまり、インターネットは、規制対象外であり、かつ規制対象内であるというねじれた関係になっている。



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