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(Tue Oct 05 22:00:00 JST 2010)

話題性と美しいクリエイティブで訴求力アップ 「ANA」の羽田国際線拡大広告
ANA

現在、羽田空港では10月21日の新国際線のターミナル開業など、国際拠点空港化に向けてさまざまな拡張事業が進んでいます。これに伴い、ANAが羽田からの国際線をこれまでの4路線から9路線に拡大。新設される路線を紹介する広告が8月23日の朝刊に掲載されました。今回は、この広告についての反響をご紹介します。

8月23日 朝刊

8月23日 朝刊

男性の記憶に強く残った広告

  まず広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」の割合)と、広告注目率(広告を「確かに見た」人の割合)を見てみましょう(表1)。接触率、注目率ともに実測値が予測値を10ポイント前後上回っています。性別に見ると、女性はほぼ予測値に近いスコアとなっているのに対し、男性は20ポイント以上上回っています。「くらし家庭」面に掲載されたことで女性の予測値が男性よりも高くなっていますが、男性のスコアは女性の予測値も大きく上回っています。男性はこの広告のどのようなところに注目したのでしょうか。さらに、「旅行好き」と思われる女性がこの広告をどのように受け止めたのか、閲覧状況とは別な視点から見ていきたいと思います。

表1 広告接触率、広告注目率※の予測値との差

男女で異なる評価ポイント

  表2は、広告評価の各スコアを平均値と比較したものです。すべての項目で、「ANA」のスコアが平均値よりも高く、特に「関心度」の女性と「印象度」の男性はそれぞれ平均を20ポイント以上上回っています。女性の自由回答には「具体的な発着時間も記載され、とてもわかりやすい内容の広告だと思う。ぜひ今後利用したいと感じた」(女性20代)、「羽田からの就航を楽しみに待っていた。海外旅行が楽になると思う」(女性30代)という、旅行の利便性向上を評価する意見と、「青を基調とした、さわやかな、落ち着いた感じがいいと思う」(女性30代)といったクリエイティブを評価するコメントが多く見られました。「旅行」への興味とわかりやすく美しい紙面に目を引かれたことが女性の関心度をアップさせたと考えられます。一方男性は、「ANAの取り組みを支持する」(男性50代)、「ANAが世界にはばたくスタートは印象的だと思う」(男性60代)など、高年代を中心に広告主企業を支持する意見が多数見られました。リーマンショック以来の厳しい経済情勢が続く中、航空会社が新規路線の広告を出すことについて、この層が好意的に受け止めている様子が分かります。

表2 広告評価

東京と千葉県在住者で高い関心度

  「羽田空港の国際線拡大」という広告内容は、やはり回答者の居住地域によって関心状況が大きく左右されると考えられます。最後に、回答者の居住地域別に広告への関心度を見てみましょう()。最も関心度が高いのは「東京23区」で85.9%、次いで「千葉県」が81.0%です。さらに関心度を「とても関心がある」と「まあ関心がある」に分けて見ると、「とても関心がある」は「東京23区」と「東京23区外」がともに3割以上なのに対して、「千葉県」は16.7%にとどまっています。
  東京都在住者の関心が高いのは、大田区にある羽田空港への利便性向上を素直に肯定しているからと思われます。自由回答にも「羽田が近いので、利用の幅が広がるのはうれしいですね」(男性50代)、「羽田からの便はうれしいのでどんどん増やしていただきたいです」(女性40代)といった意見が見られました。
  一方、「千葉県」在住者は地元に成田空港があることから、やや複雑な心境が伺えます。「我が家は成田へのアクセスがドアツードアでわずか30分。都内に住む人たちには便利」(男性60代)、「好感が持てるすっきりした印象の広告。羽田の国際化がどんどん進むので千葉県民としてはちょっと複雑な心境です」(女性50代)。広告に好感を抱きながらも、「隣の様子がちょっと気になる」微妙な心情が、関心度のスコアに表れているように思われます。
  1910年12月に日本で初めて動力機による公開飛行を実施してから、2010年はちょうど100年にあたります。「航空100年」の年にスタートする羽田の国際線定期便拡大の広告は、さわやかなクリエイティブから、読者の注目を集めることに成功しました。

図 居住地域別に見た広告関心度

(鎌田)

読売新聞は、新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR」に参加しています

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