(Thu Aug 05 17:37:00 JST 2010)
定番力×「コボちゃん」妹誕生のタイムリー性 「新三共胃腸薬」マンガ下広告
第一三共ヘルスケア
4コマ漫画の「コボちゃん」に妹が誕生した6月14日と、その妹の名前が「ミホちゃん」に決定した6月16日、社会面マンガ下スペースにその内容にちなんだ第一三共ヘルスケア「新三共胃腸薬」の広告が掲載されました。「コボちゃん」の記念すべき日、その真下のスペースを活用した広告に読者がどのように反応したのか見てみます。
※広告局ニュース&リポートにも関連記事(http://adv.yomiuri.co.jp/advtopics/2010/07/03.php)
全7段並みの広告注目率※
この広告は、これまでも月に数回、同じ場所に掲載されてきているシリーズ広告。「すみません。朝ごはんおかわりして遅刻しました。」「夏だ!海だ!焼肉だ!」などタレントの石塚英彦さんの食事に関する一言があり、「人生、おいしく。」で締めくくられます。「石塚さんのシリーズを読むのが楽しみにもなっています。一言で、印象に残り、しかもうまく表現されています」(女性20代、16日)という自由回答からもわかるように、定番として認知している読者もいる広告です。
この定番広告が、コボちゃんの妹誕生という慶事に4倍の大きさのスペースで登場したのです。「今日の4コマ漫画のせいで、お赤飯が食べたくなった。」というコピーの、誕生当日14日の広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)は68.2%、広告注目率※(「確かに見た」人の割合)は41.2%、「僕なら子供の名前に『食』という字、入れてしまいそう。」というコピーの、名前が決まった16日は、広告接触率76.5%、広告注目率※は48.1%でした(図1)。このスコアはそれぞれ全5段、全7段の予測値に相当します。この広告は面積的には全1段分に満たない大きさであることを勘案すると、非常に高いスコアであると言えます。
「コボちゃん」の記念すべき回の内容と連動していたことに加え、石塚さんを起用した定番の広告が読者に浸透していたためでしょう。自由回答でも、「石ちゃんが載っているこの広告を見たことがあり、印象に残っています。毎回同じページの同じ欄に載っていると印象に残りやすい気がしました。今回の広告は上のコボちゃんとストーリーがつながっているので、こういう広告もありなんか!という驚きがありました。なかなかいい広告だと思います」(女性20代、14日)という記述がありました。
二段階で高まった広告関心度
次に広告関心度を見てみます(表)。これまでの「人生、おいしく。」シリーズ12回の平均値と比較すると、14日は8.3ポイント高い58.0%でした。「コボちゃん1万回記念という金字塔が効果抜群ではないか。胃腸薬とは無縁だった私でも、『新三共胃腸薬』の名前は忘れられなくなった」(男性60歳以上)、「マンガに連動していい味を出している。小さいけれどインパクトがあって、製品を使ってみようという気にさせる広告だと思う」(女性30代)という自由回答が示すように、「コボちゃん」への関心とともに、広告への関心も高まっている様子が見て取れます。
16日にはさらに広告関心度が上がり、平均よりも15.1ポイント高い64.8%でした。その要因は、名前を公募していたことに絡めたコピーにありそうです。「田畑家第二子の名前が決定した回にふさわしい、とてもユーモラスな広告だと思った」(男性40代)、「コボちゃんの妹の名前が何になるか気になっていたので、子どもの名前をネタにしていて思わず笑ってしまった。シャレがきいていて上質の広告だと思った」(女性40代)というように、より一段と読者の関心が高まったようです。
広告関心度は通常、同じ商品に対するスコアは広告が違ってもほとんど変動しません。それがこれだけ上昇するということは、「コボちゃん」とのコラボ効果がいかに大きかったかがわかります。
「コボちゃん」の認知度の高さ
最後に、各紙マンガの認知率を紹介します。一般生活者を対象とした調査において、「コボちゃん」の認知率が56.9%と、全国紙三紙の4コマ漫画の中でもひときわ高い数字となりました(図2)。連載開始から28年を超え、読売読者に限らず広く知られている「コボちゃん」。連載1万回や妹・ミホちゃんの誕生は、他の新聞、テレビ、インターネットでも話題になりました。そんな「コボちゃん」とのコラボだったからこそ、幅広い読者層で関心を高め、また評価も得られたと言えるのではないでしょうか。
新しい家族が増え、今後の展開が楽しみな「コボちゃん」。定番広告として、ファンを獲得している「新三共胃腸薬」。「これからも誕生日、ひな祭り、クリスマスといくらでもコラボできそうで楽しみです」(男性60歳以上、14日)という読者の期待も生まれています。