(Mon Apr 05 17:37:00 JST 2010)
アイコンとデータで購入促進をアピールした「BIG」の発売広告
日本スポーツ振興センター
最高6億円が当たるくじ「BIG」を運営する独立行政法人日本スポーツ振興センターは、2月21日朝刊のテレビ面に「BIG」発売開始の広告を掲載しました。Jリーグ2010年シーズン開幕を2週間後に控えた日曜日に掲載された広告の反響を、アド・ボイス調査の結果から紹介します。
テレビCMとのクロス接触で確実に記憶
広告では、人気コミック「キャッツ・アイ」の美人三姉妹に扮したお笑いトリオ、森三中が「BIG今年も発売開始! さぁ、あなたも6億円を狙うわよ!」というキャッツ・アイ風キャッチコピーでアピールしています。
同内容のテレビCMが新聞広告掲載3日前の2月18日から放映されており、そちらで森三中キャッツ・アイを見た上で新聞広告に接するという状況が出来ていたと思われます。
実際、新聞広告以外での広告接触状況を見ると、掲載当日から行った調査の際にすでに「テレビCM」を見ていた人は48.4%と半数近くもいました(表1)。たった3日の放映でここまでの接触割合になっているのは驚きです。
テレビ面という注目度合いの高いスペースでの掲載であることと相まって、広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合である広告接触率は80.8%、広告注目率※(広告を「確かに見た」人の割合)は65.6%でいずれも予測値を上回りました(図)。特に広告注目率※の方の上回りが大きく、「確かに見た」という確実な記憶をした人が多かったことがわかります。
「キャッツ・アイ世代」に伝わった
「キャッツ・アイ」は原作が1981年に連載開始、テレビアニメが1983年から放映されており、リアルタイムで親しんだのは現在の30代、40代あたりになります。広告評価を性・年代別に見てみると、男性30代、40代ではともに理解度が100%を示しました。他の項目でもおおむね高いスコアとなっており、「キャッツ・アイ世代」が最も反応したことがわかります(表2)。一方女性では、スコアが高いのは20代で、この年代は森三中の親しみやすいキャラクターに反応したと考えられます。自由回答でも「親しみのあるタレントが出ていて、前より注目するようになった」「最近注目の森三中なので目に留まります」という声がありました。
意外性のあるデータが注目を高めた
次に広告中央に書かれた「6億円が出る六曜は?」という問いの部分に注目してみます。宝くじ売り場でよく「本日 大安吉日」というのぼりを見かけますが、くじは当選を願って縁起のよい日に買いたいと思うのが人情。でもそれだと、大安の日に売り場が込み合うでしょうし、買おうと思ったのに大安まで待っているうちに買い損ねたりすることもあるでしょう。
広告に示されたのは、6億円が出るのは、1位仏滅、2位友引・赤口で、大安は3位に過ぎないという驚きのデータです。掲載当日は、2位の友引だということも書き添えてあります。思い立ったら吉日で買いに行きましょう、というメッセージは、自由回答の「仏滅に当選本数が多いのは意外だと思った」(男性20 代)、「六曜のデータがとても面白く、広告が記憶に残る」(男性30代)、「六曜で当たりやすい日の統計が斬新で面白いと思った」(女性20代)などが示すように、しっかり伝わったようです。
情報をじっくり読めるのが新聞
今回の広告は、テレビCMで刷り込まれた、森三中が扮するキャッツ・アイという強いアイコンによって高い注目を得ました。加えて新聞ならではの、目に留めて情報をじっくりと読むことができるという特性を生かして、いつでも吉日となることをデータを使って証明し、「BIG」購入促進アピールに成功した広告です。