(Mon Jun 03 12:00:00 JST 2013)
「中食」を提案の「食宅便」 ダイレクト広告を幅広い年代が支持
日清医療食品
4月14日朝刊で日清医療食品が掲載した全15段多色広告は、「食宅便」を告知するもので、多忙な人向けの「まとめてお届けコース」、塩分やカロリーを抑えたい人向けの「ケアシリーズ」の2商品が紹介されています。「毎日の食事づくりでお悩みの方へ」というメーンコピーから、仕事と家族の健康管理の両立に忙しい主婦などへの提案を試みていることがうかがえます。この広告がどのように受け止められたのか、J-MONITOR定型調査の結果からご紹介します。
子育て世代〜高年代層、特に女性が注目
広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)は79.7%で、約8割の人が記憶しています(図1)。年代別に見ると30代から60代まで7割を超えており、子育て世代から高年代層まで幅広く見られていることがわかります。中でも、40代の「確かに見た」のスコアが75.9%と高いことが目を引きます。一般食である「まとめてお届けコース」、塩分やカロリーが配慮された「ケアシリーズ」両方への関心が高まるのが40代のようです。
広告評価では軒並み女性のスコアが高く、理解度98.1%(男性との差+11.6ポイント)、興味度69.2%(同11.5ポイント)、好感度78.8%(同15.3ポイント)、信頼度91.3%(同22.1ポイント)でした(表1)。「育児や介護に追われながら健康に気を使った食事を作るのは大変だと思います。そうした人にはとても助かる商品だと思いました」(女性29歳以下)という自由回答に代表されるように、家族の健康管理に気を使いながら料理する機会の多い女性の心をつかんでいることがうかがえます。
商品の購入意向でも女性が男性を13.5ポイント上回っており、ここでも一般的に料理する機会が多い女性が反応しています(図2)。「まだ買い物や自炊のできる世代だが、高齢になったときや必要な人がいたら教えてあげたい情報が得られた」(女性40代)のように、将来的な利用候補という意味もあるようです。
バランスよいレイアウトを評価
広告の印象では、全体的に女性が男性を上回り、特に顕著なのが「役に立つ」(男性との差+17.3ポイント)、「文章が読みやすい」(同+14.4ポイント)、「説得力がある」(同+12.5ポイント)などです(表2)。「写真の配置が良く字も読みやすく、わかりやすい良い広告だと思いました」(女性29歳以下)という意見に代表されるように、コピーと商品紹介写真がバランスよくレイアウトされており、商品の特徴について読みやすい広告表現だったことがわかります。
年代別に見ると、「自分たち向けの」という項目は「まとめてお届けコース」を意識したと思われる子育て世代の30代と、「ケアシリーズ」を意識したと思われる60代が高く、「買い物や料理をする時間がない多忙な方へ」(「まとめてお届けコース」)、「塩分やカロリーをしっかり抑えたい方に」(「ケアシリーズ」)というコピーの狙い的中の様子がうかがえます(表3)。
また、「役に立つ」は30代と60代に加え29歳以下も高めとなっています。社会進出する女性の増加で、「外食」や家庭で調理したものを食べる「内食」に加え、今回の広告のような調理されたものを買って家庭で食べる「中食」が注目されるようになっていますが、若い世代は「中食」が役に立つと自然に評価しているのかもしれません。
日本の労働人口が将来的に減少していくことが予測される中、今後ますます女性の社会進出が期待されています。それを後押しできるであろう新しい「中食」を提案するサービスを紹介する今回の広告は、主に調理を担当する主婦年代層だけでなくそれぞれの視点で広く見られたことがわかりました。