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Pick up 定型調査

(Thu Jan 24 12:00:00 JST 2013)

インパクトと説得力を両立させたキッコーマン 「いつでも新鮮 生しょうゆ」シリーズ・新ボトル
キッコーマン

ボトルを持った篠原涼子さんが微笑む姿が印象的なキッコーマンの「生(なま)しょうゆ」の広告が、2012年12月1日の読売新聞朝刊に掲載されました。加熱殺菌をせず、しぼりたての風味を楽しめる生しょうゆは、酸化を防ぐため空気に触れないよう保存する必要があります。今回の広告は、これまでのパウチタイプがボトルタイプになったことを告知するもので、なぜ可能になったのかが図解されています。ボトルは二重構造になっており、使った分は内袋だけが減り空気が入らない状態が維持できるというわけです。読者の反応をJ-MONITOR定型調査の結果から紹介します。

キッコーマン

2012年12月1日 朝刊

好感度の高い篠原さんがアイキャッチに

  広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)は81.5%です(図1)。自由回答の「篠原涼子さんの笑顔と『やわらか密封ボトル』の図解がとても印象深く記憶に残っており、すぐに思い出しました」(男性40代)、「篠原涼子さんが綺麗」(女性50代)などに見られるように、篠原さんのアイキャッチ力が強かったことがわかります。広告接触率は男性の方がやや高く、篠原さんの男女を問わない好感度の高さが、女性の方の関与が高い食品の広告ながら、男性の広告接触率を押し上げたことが伺えます。一方、「確かに見た」のみのスコアでは女性(67.0%)の方が男性(63.7%)よりも高くなっています。この要因と思われるデータを次に紹介します。

図1 広告閲覧状況

説得力のある役立ち情報

  広告の印象で平均値より10ポイント以上高いのは「説得力がある」と「役に立つ」です(表1)。男女別に見ると、高かった二項目のうちの「役に立つ」のほか、「自分たち向けの」や「共感できる」などで女性の方が高くなっています。調味料への関与が高いであろう女性は、自分が実際にこの商品を使うことまでイメージするなど男性よりもしっかり広告を見ており、そのため女性の「確かに見た」のスコアが高まったものと推測できます。

表1 広告の印象

  広告による態度変容では、「あらためて『キッコーマン「生しょうゆ」』に注目した」(55.5%)、「店頭で確認しようと思った」(29.9%)が高く、特に女性は店頭確認意向が男性より約15ポイント高くなりました(表2)。広告商品の購入・検討項目でも、88.2%と非常に高い購入意向になっただけでなく、その半数近い42.7%はこれまでに購入・利用経験のない新規顧客層です(表3)。

表2 広告による態度変容

表3 広告による態度変容

新聞広告ならではの理解促進

  広告掲載時には、篠原さんの出演するテレビCMも放映されていました。今回の広告内容を「テレビ番組・CMで見た」という人は3割近くおり、テレビと新聞両方での接触効果で、篠原さんのアイキャッチ力が高まったものと思われます(表4)。一方、テレビCMでも二重構造のパッケージの説明はされていますが、使って中身が減っていっても空気に触れない仕組みをしっかり理解してもらうには、読者が自分が納得するまで広告を読み込める新聞広告に及ぶものはないでしょう。それが「実際に手に取って確かめたいと思わせる広告」(男性60代)、「本当にボトルが広告どおりになるのか、試してみたい」(女性29歳以下)、「ボトルを触ってみたくなった」(女性50代)という感想につながりました。生しょうゆという中身そのものに加え、進化したボトルの新鮮さも伝わった読者にとって “新鮮な”広告事例です。

表4 他の媒体での同一内容接触経験

(伊集院紀彦)