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Pick up 定型調査

(Tue Oct 16 15:00:00 JST 2012)

タイミングで広告評価が飛躍することを示した「日本オリンピック委員会」の広告
日本オリンピック委員会

ロンドンオリンピックでは日本代表選手団が史上最多の38個のメダルを獲得して日本中が沸きました。日本オリンピック委員会は開催100日前の4月18日と、閉幕翌日の8月14日の2回、全面広告を掲載しました。4月18日の広告は100日後に始まるオリンピックへの応援を呼びかけるもの、8月14日の広告では金メダリスト全7選手が紙面を飾っています。

日本オリンピック委員会

4月18日 朝刊

日本オリンピック委員会

8月14日 朝刊

「確かに見た」が増加

  4月18日の広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)は76.5%で予測値と同等で平均的に見られています。8月14日は予測値を7.1ポイント上回る83.5%でした(図1)。中でも「確かに見た」が76.2%で、接触者の9割超です。オリンピックの感動から覚めやらぬタイミングでの掲載で、広告を確実に見た人が多かったことがわかります。「オリンピックでの印象的なシーンばかりで、ひとつひとつちゃんと見た」(女性29歳以下)、「あらためてオリンピックの感動がよみがえってきた。各選手の一言と笑顔がすてきです」(女性50代)など、金メダル獲得選手の写真が印象深かった様子が自由回答からうかがえます。

図1 広告閲覧状況

  広告評価では、4月18日分は4項目とも平均を超えている中で広告興味度が10ポイント以上高くなっています(表1)。この時点でも興味の高さが現れましたが、8月14日分では軒並み平均値プラス20ポイント超のスコアとなり、興味だけでなく広告好感度や信頼度も高評価となりました。

表1 広告評価

「心理的受容度」と「タイミング」が大きく上昇

  広告の印象はどのように変化したのでしょうか。平均値プラス10ポイント超となったのは、4月18日分では「タイミングがよい」と「話題性がある」、8月14日分ではそれらに加えて「共感できる」「よい広告を出していると思う」「目立つ」「説得力がある」です(表2)。

表2 広告の印象

  4月18日の自由回答「オリンピックに対する期待やわくわく感が高まりました」(女性29歳以下)などが示すように、100日前でも期待感は高く、タイミングが高く評価されていましたが、8月14日分の「タイミングがよい」の66.0%、「話題性がある」の69.1%は、読売新聞のJ-MONITOR定型調査における最高値です(読売新聞首都圏・全15段多色広告1218件中。2011年4月〜2012年8月)。また、スコアの上がった「共感できる」、「よい広告を出していると思う」は「心理的受容度」を示しています。「五輪の感動がさめないままに、広告であらためてメダリストの写真が見られてうれしい」(男性50代)、「感動のシーンが蘇る、とてもよい広告だと思います。胸に迫るものがあるメッセージ性がありました」(女性60代)などからわかるように、読者のマインドにも大きく影響を与えたようです。

東京招致への期待も生まれる

  そのマインド変化は、「ロンドンでの日本人選手の活躍を思い起こし、東京開催が実現するよう応援したいと思いました」(男性50代)という感想も生み出しています。オリンピック期間中に行ったJ-MONITOR7新聞社共同調査(※)によると、2020年のオリンピック開催地に東京が立候補していることに52.9%が賛成の意を表しています。選手たちの活躍をあらためて伝えた閉幕直後の広告は、今回の感動を反すうするだけでなく、将来への期待も生み出したと言えそうです。

※詳細は、J-MONITORオフィシャルサイト「トピックス」に掲載しています。

(藤木康裕)