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Pick up 定型調査

(Thu May 24 12:00:00 JST 2012)

「G.G」にシニア層から共感を得、若年層に可能性を感じさせたイオン
イオン

イオンはシニアに代わる新しい世代の捉え方として「グランド・ジェネレーション(G.G)」を提唱する全15段多色広告を4月11日の朝刊に掲載しました。このタイミングは、広告内で告知されているイベント「グランド・ジェネレーションズ コレクションin東京」(4月13日〜15日・東京国際フォーラム)の直前に当たります。50代から上を意識した「G.G」。J-MONITOR定型調査の結果を50代・60代とそれより下の世代に分けて考察していきます。

イオン

4月11日 朝刊

50代、60代は共感や説得力を感じた

  まず広告接触率(「確かに見た」+「見たような気がする」)を見てみます(図1)。全体平均で77.5%と8割近い人が広告を記憶しています。年代が上がるほど高くなっており、最も高い60代は87.5%で9割近いスコアです。50代も8割を超えており、G.G世代にきちんと見られたことがわかります。

図1 広告接触状況

  次に広告評価と広告の印象について見ていきます。まず、G.Gターゲットである50代と60代が反応している項目を見ます(表1)。広告評価では、広告興味度と広告好感度が当該世代で高くなりました。広告の印象では、まず「自分たち向けの」に注目したいと思います。29歳以下から40代は一桁なのに対し、50代・60代で3割を超しており、自分たちがターゲットであることを理解していることが表れました。この項目の平均(2011年4月〜2012年3月2338件)は8.8%であり、3割を超える人が「自分たち向け」と感じるのは高いスコアであることがわかります。当該世代の自由回答でも「初めて見聞きした広告でしたが、自分と同世代で興味が湧きました」(男性60代)、「自分もシニア世代でいい企画を提供していると思う」(女性50代)などが見られました。
  そのほか、「共感できる」「説得力がある」「役に立つ」「話題性がある」などで50代・60代が高く、ターゲットは共感や説得力、有用性を感じていることがわかります。

表1 50代・60代が反応している項目

若年層の反応は?

  次に若い世代にも評価されている項目について見ます(表2)。広告評価では広告理解度と広告信頼度です。理解度は、60代が最も高い75.8%ですがそれに29歳以下(75.0%)、30代(72.0%)が迫っています。ターゲットから遠い世代の若年層での理解度が高いのはなぜでしょうか。ターゲットの自由回答からは「グランド・ジェネレーションの意味が漠然とわかった」、「どのようなものか確認のため会場に行ってみたいと思った」(ともに男性60代)など、イベント参加も視野に入れてより深い情報を求めていることがわかります。一方、若年層では「『G.G』という言葉を初めて知った。『G.G』って何だろう?と興味を持ち、文章を読んで簡単に理解できた」(女性29歳以下)など、求めている情報が深くないので理解したという意識を得やすかったのではないでしょうか。
  広告の印象では、「個性的である」のほか、「目立つ」「文章が読みやすい」「文字の大きさがちょうどよい」などのクリエイティブについての項目が若年層にも評価されました。「文字も大きくてみやすく、内容もわかりやすかった」(男性30代)、「年輩の方をターゲットにしているため、画面いっぱいを使った文字配列など、とても読みやすい広告になっていると思います」(女性30代)など、大きな文字や簡潔に表現されたレイアウトのクリエイティブが評価されています。

表2 若年層も反応している項目

  今回の広告は年代ターゲットがはっきりしていたために、ターゲットが反応する評価項目、ターゲットに関係なく評価される項目があることがわかりました。直接ターゲットではなく関与が高くない人も反応する項目があるということは、新聞が広い世代に読まれる媒体であることを活用するヒントになるのではないでしょうか。
  最後に一つの自由回答を紹介します。「団塊の世代が高齢化を迎え一気にシニア世代が増えるという。この世代向けの新しい商機に興味を感じた」(男性29歳以下)。この取り組みから若年層に新しい可能性を感じさせるという役割も本広告は果たしています。

(樋口)