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Pick up 定型調査

(Fri Dec 09 10:16:00 JST 2011)

純広告、企画広告がそれぞれの役割を果たした「明治オフスタイル」の広告
明治

明治は9月下旬に、「明治ヘルシーソフト オフスタイル70%オフ」の広告を2度掲載しました。1度目の9月20日は純広告で、テレビCMにも出演している松下奈緒さんが大きく出ています。2度目の9月28日は企画広告で、読者の「ギモン」にこたえるQ&A形式で脂肪分70%カットという商品の特長紹介に力点が置かれています。純広告と企画広告という2つのアプローチは、それぞれ読者にどのように評価されたのでしょうか。

明治

9月20日 朝刊

明治

9月28日 朝刊

純広告は高い広告接触率を獲得

  広告を「確かに見た」「見たような気がする」割合である広告接触率では、ほぼ予測値と同等のスコアだった9月28日の企画広告に対し、9月20日の純広告の広告接触率は予測値を6.9ポイント上回る87.8%という高いスコアとなりました(図)。要因の1つは、紙面の半分を占める松下奈緒さんが注目を高めたことであり、自由回答でも「女優の写真がインパクトあり惹きつけられる」(男性40代)という声が見られました。もう1つの要因は、「テレビCMでもよく見かけるので自然に目につく広告だと思います」(女性40代)という自由回答が示すように、テレビCMとの相乗効果が出ていることで、初回の掲載で広く認知させる役割を純広告が果たしたことがわかります。
  9月28日の企画広告については、松下奈緒さんのインパクトとは違ったアイキャッチとして、レイアウトの工夫が読者の目を引いており、「自然と目に入る構図と文字でつい見入ってしまい、隅々まで読みました」(女性60代)という意見などが見られました。

図 広告閲覧状況

  他媒体での同一内容接触経験を見ると、9月28日の企画広告より、20日の純広告の方が、「テレビ番組・CMで見た」と認識された割合が高くなっています(表1)。テレビCMとの相乗効果で純広告の広告接触率が押し上げられたことを裏付けています。

表1 他媒体での同一内容接触経験

企画広告は説得力が評価された

  広告評価の4項目(理解度、興味度、好感度、信頼度)では、両者の間に大きな差は見られません(表2)。広告興味度でそれぞれ平均を20ポイント近く上回ったのを筆頭に、いずれの項目でも純広告、企画広告ともに平均値を大きく上回り、2広告とも高く評価されました。

表2 広告評価

  一方、広告の印象設問では、2つの広告の違いが出た項目が見られました(表3)。
  純広告は企画広告より「センスがよい」(企画広告+14.7ポイント)、「目立つ」(企画広告+5.0ポイント)などデザイン項目の評価が高くなっています。「松下奈緒さんがきれいだし、おいしそうな表情がいい」(女性30代)というように、接触率の高さの一因でもあった松下奈緒さんのビジュアルが多くの人の目に留まっただけでなく、好印象も与えたようです。また、加えて「広告上半部の写真と下半部のコピーとのバランスがよくとても目をひく」(男性60代)、「余白の多い、スッキリした広告ですね」(女性40代)といった、スペースを生かしたレイアウトに対する評価もセンスを感じさせたようです。
  企画広告で評価が高かったのは、1つは「説得力がある」(純広告+8.7ポイント)でした。「グラフや図をたくさん利用しているので、商品特長を理解しやすかった」(女性29歳以下)、「誰にでも理解できるように数字と平易な言葉での説明文に納得しました」(女性50代)といったQ&A企画の特性が評価されています。もう1つは「話題性がある」(純広告+7.2ポイント)で、「脂肪分をカットしてもおいしさが変わらないことがよくわかるし、そのことを気にしている人も多いと思うので、注目されるのでは?」(男性60代)、「健康に気を使う人が増えているので、注目される広告だと思う」(女性30代)のように、商品の特長を踏まえて話題になりそうと捉えた人が多かったようです。商品特性がしっかり伝わった故の結果と言えるでしょう。

表3 広告の印象

ブランド認知者・非認知者に対する役割分担

  広告の印象項目を、調査前企業(ブランド)認知者と非認知者に分けて見てみます(表4)。純広告では認知者と非認知者で10ポイント以上の差がある項目はありません。一方、企画広告では、「目立つ」「センスがよい」「よい広告を出していると思う」などの5項目で、認知者が非認知者を10ポイント以上上回っています。まず純広告で、このブランドを知っていた人にも知らなかった人にも広く伝え、次に企画広告を掲載することで、知っていた人に商品の特徴をより深く訴求しており、2種の広告がうまく役割分担したことがわかりました。

表4 広告の印象〈企業(ブランド)認知状況別〉

(藤木)