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Pick up 定型調査

(Fri Aug 05 10:00:00 JST 2011)

共感と説得力が購入意向を喚起した「シャボン玉石けん」の広告
シャボン玉石けん

6月4日の虫歯予防デーには、歯の健康に関する商品や啓発の広告が今年もたくさん掲載されました。中でも目を引いたのは、真っ白な野菜や魚が個性的なシャボン玉石けん「せっけんハミガキ」の広告です。

シャボン玉石けん

6月4日 朝刊

意外性のある色合いが関心を引く

  広告接触率は82.3%、「確かに見た」は63.0%といずれも予測値を上回る高いスコアとなっています(図1)。白がメーンの落ち着いた色合いが、「野菜が全部白いのと、せっけんハミガキというネーミングにまず驚いた」(男性30代)、「カラー広告にもかかわらず白を基調とする作りはインパクトがあると思います」(女性40代)などかえって読者の目を引き付けたようです。

図1 広告接触状況

 

  また、広告評価を見てみると、広告興味度が平均を約14ポイント上回ったほか、理解度、好感度でも平均を上回っています(表1)。「真っ白なとうもろこしや魚が目に入ってきて、何の広告かな?と引き付けるのに、十分な効果があると思った。真っ白でほぼ統一していることで、着色料や防腐剤などが無添加であることをうまくアピールしていると思う」(女性30代)や、「余計な添加物が入っていない石鹸の広告として、色調を全体的に無垢で純粋な白で統一しているのは、商品のコンセプトに非常にあっていて良いと思った」(女性29歳以下)という自由回答からも分かるように、白い野菜は読者の興味を引いただけでなく、着色料や防腐剤非使用の理解を促進し、清潔なイメージを強めたりもすることで、広告の評価が高まったと考えられます。

表1 広告評価

目立たないのにインパクトのある広告

  次に、広告の印象設問のスコアのユニークな動きを紹介します(表2)。「個性的である」「おもしろい」といった評価では、いずれも平均を10ポイント以上上回っている一方で、「目立つ」は平均値を下回りました。高い広告接触率が示すように、記憶にはしっかり残っているのでインパクトがあったはずですが、色味が控えめなため、「目立つ」のスコアとしては表れなかったのでしょう。目立たないのにインパクトのある広告なのです。

表2 広告の印象

 

  また、心理的受容度の各スコアの高さも特徴的です。「今まで何気なく使っていた歯みがき粉も口の中に入れるのだから、もっと真剣に考えてなくてはならないんだと思い知った」(女性50代)という感想からも見て取れるように、生活に身近な点での新しい気付きがあったことに加え、「細かい説明ではなく、ごくシンプルな内容表現になっているものの、大変的確でインパクトの強い表現になっており、興味を持たせる内容だと思います」(男性50代)というように、控えめさが広告のメッセージやコンセプトの簡潔さを際立たせ、読者の共感をより高めたのではないでしょうか。

購入意向も喚起

  最後に、広告商品の購入・検討を見てみます(図2)。「すでに購入・利用したことがある」という人は平均と同程度の11.6%ですが、「購入・利用の候補にしてもよいと思う」では、平均を20ポイント以上も上回る60.1%という高いスコアになっています。
  「今まで自分が使っていた歯みがき粉がどんな成分が使われているか、まるで知らず興味を持ったこともなかったことに驚きました。まずは店頭で調べてみましょう」(女性50代)という自由回答に代表されるように、商品への興味を高めた好事例と言えそうです。

図2 広告商品の購入・検討

(藤木)

【広告主から】

シャボン玉石けん株式会社 マーケティング部 係長  松永康志氏


  生活者の安心安全、自然派志向の高まりやハミガキ粉の大きな市場サイズから、「せっけんハミガキ」はまだまだ伸びる可能性が高い商品です。社名に比べまだ低い商品認知を高めていくのが目下の課題です。また、発泡剤は合成界面活性剤ではなく無添加石けんであることや、着色料・防腐剤を使用していないこと、泡立ちを抑えているのでしっかりとブラッシングできることなど、商品理解を促すことができる媒体として紙媒体を選びました。売り上げは前年同期と比べ大幅に伸びたことから、広告効果を強く実感しています。J-MONITORの自由回答からは改善点や課題も発見でき、今後のコピー改善にも大変参考になりました。