(Wed May 18 11:40:00 JST 2011)
買い物で東日本大震災復興支援を訴えた広告はどう見られたか
イオンリテール「WAON」
イオンリテール株式会社は、「WAONカード」の広告を2011年4月1日朝刊に掲載しました。
WAONカードを使って買い物の支払いをした際、その金額の0.1%をイオンが拠出し、震災復興支援に活用することを告知する広告です。3月11日の大震災からちょうど三週間というタイミングで掲載された広告に、読者がどのように反応したのかを新聞広告共通調査プラットフォーム「J‐MONITOR」での定型設問調査の結果から見ていきます。
http://adv.yomiuri.co.jp/newsreport/201104news3.html
「J‐MONITOR」の定型調査設問内容は、広告接触状況、広告評価(理解度・興味度・好感度・信頼度)、広告の印象、調査前企業(ブランド)認知、商品・サービス購入意向、広告による態度変容、他媒体での同一内容広告接触経験、と自由回答です。
最初に広告接触状況を見ていきましょう(図1)。「確かに見た」と「見たような気がする」と答えた人を合わせた広告接触率は67.2%でした。3月まで読売新聞が行ってきたAdVoiceデータからの予測広告接触率よりも、プラス10.8ポイントという結果です(比較は参考)。
理解しやすく、信頼性も高い広告
広告評価を見ていくと(図2)、広告理解度が「あてはまる」「ややあてはまる」の合計で90.8%という高い数字です。また広告好感度、広告信頼度も80.0%を超えています。大きな文字で、実際の支援の方法をわかりやすく説明。このような企業の取り組みに対して、多くの読者が好感を持ち、信頼を寄せた、ということが数字に表れています。
コピーや出稿のタイミング、心理的共感が評価された
広告の印象について4割を超えた項目を見てみると(表)、コピーの「文章が読みやすい」49.4%、「文字の大きさがちょうどよい」40.2%、心理的受容度の「共感できる」42.7%、「よい広告を出していると思う」43.1%、タイミングの「タイミングがよい」48.1%などが、読者から評価されました。
身近でできる支援活動に共感して、新規利用意向が喚起された
「WAON」を利用の候補にしてもよいかですが(図3)、「すでに購入・利用したことがある」が21.8%、「購入・利用の候補にしてもよいと思う」が43.1%でした。すでにWAONを使ったことのある人の倍以上の人が今後の利用意向を持ったことがわかります。自由回答からも、「広告を見てWAONを使おうと思い、イオンのお店に出かけてWAONで購入した。」(男性20代)、「普段の買物で災害の復興支援に役立つのなら、利用したいと思った。」(男性50代)、「この広告を見るまで、内容を知らなかった。機会があればぜひ利用したいと思った。」(女性30代)、「毎日のお買物が被災地の方のお役に立つのならワオンカードを作ろうと思いました。」(女性50代)といった意見が見られました。
高齢層ほど「WAON」を今回認知、若年層はあらためて注目
広告による態度変容の項目では、「ホームページを見たいと思った」「インターネット(ホームページ以外)で比較したり、調べてみたいと思った」「店頭で確認しようと思った」「まわりの人と話題にしたいと思った(ブログ、SNSの発信含む)」といった設問も聞いていますが、ここでは「初めて知った」、「あらためて注目した」を年代別で見てみましょう。
「初めて『WAON』を知った」では、50代以上が高く、「あらためて『WAON』に注目した」は30代を筆頭に40代、20代も高い、という結果が出ました。高齢層ほど「WAON」を今回初めて認知し、若年層はあらためて注目したことがわかります。