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若者を、振り向かせろ

企業とのコラボで作る新感覚のアトラクション

よみうりランド

遊園地事業本部 副本部長 企画・宣伝部 営業部担当 曽原俊雄

3月18日によみうりランドにオープンした新遊園地エリア「グッジョバ!!」。その立ち上げに、企画から携わってきたのが曽原俊雄氏だ。自動車、食品、ファッション、文具の4業種のfactoryでアトラクションに乗って楽しみながらモノづくりが体感できる「グッジョバ!!」は、遊園地と企業のコラボ、ブランド体験の場、そしてこれからの遊園地のあり方を考える上でも、示唆に富んだ事例だ。

── 「グッジョバ!!」がオープンして、1か月たちましたが。

これまでのところ、遊園地全体の入園者も前年同期比で3割増えています。よみうりランドの来園者は、今までヤングファミリーや小中学生が多かったのですが、「グッジョバ!!」ができてからは、お孫さんと一緒のおじいちゃんおばあちゃん、それに高校生の入園者も増えています。

── よみうりランドの入園者数は、「グッジョバ!!」ができる前も増えていますね。

7年前と比べると2.5倍以上になっています。2008年度に64万人だった入園者数が2015年度は172万人に増えています。テーマパークは堅調な伸びを続けている中で、遊園地はどこも集客に苦しんでいました。7年前というのは、その状況を打開すべく、我々がさまざまな施策に取り組み始めた年です。親子三代で楽しめるモノづくりをテーマにしたアトラクション「グッジョバ!!」もその一環で、2009年5月に検討をスタート。ですから、開業まで足掛け7年かかった事業ということになります。

遊園地の楽しさへのこだわり

── 企画を立ち上げた当初、ターゲットとなる人たちをどう捉えていたのでしょうか。

2009年というのは団塊の世代がすべて60歳の定年を迎えた年で、元気なおじいちゃんおばあちゃんが増えているというのが実感でした。その一方で、子供たちは家でゲームばかりしている。親子三世代をターゲットにしよう、デジタルな映像をできるだけ排除し、リアルにこだわろうという方針は、そういう背景から生まれました。

リアルというのは、まさに遊園地の強みです。しかし、そうは言っても、これまでの遊園地のやり方では親子三世代の集客は望めません。そのため三つのことを考えました。一つはテーマを掲げること、二つ目が屋内型のアトラクションを作ること、三つ目が、能動的なアトラクションにすることです。これが最も大きいチャレンジだったのですが。

── 能動的なアトラクションというのは?

遊園地で人気のアトラクションと言えばジェットコースターです。しかし、ジェットコースターというのは、ただ乗って、決められたコースを走るだけの完全に受け身のアトラクションです。実は、遊園地のアトラクションのほとんどが、そうした受け身で楽しむものなんですね。数少ない例外がゴーカートで、自分でアクセルを踏んで、操縦しないと動かない。自分がアクションを起こさないと始まらないし、自分のアクションによって反応がある。そういう能動的なアトラクション、体験型のアトラクションを作っていこうと考えたのです。モノづくりというのは、まさに能動的だし、おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんから教えてもらえるというコミュニケーションが生まれる。遊園地の新しい魅力になると考えたのです。ただ、それを遊園地のアトラクションとして実現させるのはかなり難しかったですね。

──それはどういう点ですか。

「グッジョバ!!」は「グッド・ジョブ・アトラクションズ」からの造語ですが、その名の通り、モノづくりの遊園地を作ろうということでスタートした企画です。ところが、そのせいで、最初は「モノづくりを教える」という発想からなかなか抜け出せませんでした。全国のモノづくり施設も見学に行きましたが、必ずしも教育内容のすばらしさが来場者数に結びついていないことも目の当たりにしました。

「あくまでうちは教育施設ではなく、遊園地なんだ」。そこにたどり着くのに3年半かかりました。そのとき一つ決めたのが、入口はエンターテインメントにしようということです。それによって、遊園地で「モノづくりを教える」とはどういうことかという袋小路を一気に突破した気がしました。エンターテインメントは、我々の得意分野だからです。

「グッジョバ!!」と「キッザニア」はどこが違うのかよく聞かれますが、今まで説明してきたようにコンセプトがまるで違います。キッザニアさんは職業体験、アクティビティーです。我々は「アトラクションを通じてモノづくりを学ぶ」という考え方で、あくまで“リアルな遊園地”であることにこだわっているんですね。

企業とのコラボレーション

── 「グッジョバ!!」は、車、食品、ファッション、文具の4業種のfactoryで構成されていますね。

それをいかにアトラクション化して、楽しめるものにするかにこだわりました。例えば、「CAR factory」の「カスタムガレージ」は、ボンネット、左右のヘッドライト、フロントバンパーなど好きなデザインの部品を時間内に車体に取り付けて、実際に車に乗り込み、コースを試験走行できるアトラクションです。部品を取り付けた後、ネジを締めるのですが、電動ドライバーでネジを締めることにこだわりました。安全にはもちろん配慮していますが、市販されているBOSCHの電動ドライバーを使用しています。男の子は絶対喜ぶという確信があったのですが、実際始めてみると、女の子やお母さんも喜んでやっている。私たちの想定外のことでした。

もう一つの想定外は、factoryで行っているワークショップの人気です。FOOD factoryでは日清焼そばU.F.O.のオリジナル焼きそば、BUNGU factoryではコクヨのオリジナルキャンパスノート、FASHION factoryではコサージュやボタン、CAR factoryでは電気自動車の模型を作るワークショップを、それぞれ1回約40人で土日3回、平日2回開催しているのですが、当初、ワークショップは集客に苦労するだろうと思っていました。ところが蓋を開けてみると、土日は開園から15分で整理券がなくなってしまうくらいの人気だったのです。

企業のブランド体験に関わること

── factoryが、自動車、食品、ファッション、文具の四つになった理由というのはなんですか。

やはり、親子三世代で楽しんでもらうということで、誰にとっても身近な4業種に決めて、いろいろな企業に趣旨をお話しして、今回の4業種6社にサポートいただいております。

── パートナー企業は「グッジョバ!!」に、どうかかわっているのでしょうか。

一言で言うと、「モノづくりをテーマにしたアトラクションを展開したいので、ご協力ください」というお願いをしました。各企業様は今回、このアトラクション、さまざまな造形、すべてにかかわっています。各企業様のこだわりは、我々も学ぶところが多かったですね。

例えば「FOOD factory」では、焼きそばが箸で持ち上がっている造形やソースの照り、それから、factory前の大きなやかんの形まで、細部にわたってこだわりました。日清食品様のテレビCMには、昔のヤキソバンとケトラーの時代からやかんが必ず出てきますが、日清食品様は、あの古いやかんに対するこだわりを持っています。今のやかんは底が平らですが、昔のやかんは底が丸いのです。

それからFASHION factoryはワールド様と島精機様がパートナー企業ですが、「スピンランウェイ」という全長448m、最高時速45.5キロで疾走する人気の屋内コースターがあります。それを待つ長い通路の壁に不思議な絵が描かれているのですが、これはワールド様のデザイナーに描いてもらったものです。実は、これはデザイナーの頭の中というテーマなんですね。

もちろん我々も、それをどうエンターテインメント化するか、アトラクション化するかということでは、いろいろなアイデアを出したわけですが、モノづくりで企業が遊園地とコラボするということは、企業のブランド体験の一翼を担うことなんだということを各企業様との打ち合わせを通じて実感しました。

SNSでシェアしたくなるもの

── アトラクションの写真撮影ですが、すべてOKなのでしょうか。

一切禁止していません。よく目にする光景は2パターンあって、一つは今言ったワークショップや「カスタムガレージ」などのアトラクションで一生懸命になっているお子さんを親御さんやおじいちゃんおばあちゃんが撮っているというのが一つ。例えば、オリジナルキャンパスノートを作るのは、小さいお子さんが多いのですが、親子で参加して親御さんはだいたいお子さんの写真を撮っていますね。もう一つは、若い人がSNSに投稿するために写真を撮るパターンです。FOOD factoryの大きなやかんから定期的に水が出てきますが、ちょっと引いて撮ると、やかんから出る水を飲んでいるように見える。それを撮って楽しんでいる若い人たちのグループも多いですね。

── 遊園地も、SNSでの拡散は意識しているのですか。

最近は明確に意識していますね。我々がSNSを重視するきっかけになったのは2010年冬からスタートした「ジュエルミネーション」です。そのとき、「よみうりランドのイルミネーションがきれいだ」という口コミがSNSであっという間に広がったのを実感しました。インスタグラムが出てから、そうした傾向が一層顕著になってきていますね。

── 「グッジョバ!!」では、SNSでの拡散を狙ったものもあるのですか。

何がSNSで取り上げられるか意識はしますが、予測は難しいですね。むしろ、我々自身が本当に楽しいと感じるか、というほうが大事な気がします。例えばアトラクションも、年齢によって危ない危なくないといった基準は変わりますが、楽しさというのは、子供でも大人でも変わらないものがあるというのが実感です。

それから、遊園地で長年働いていて思うのは、子供の本質は昔も今も変わらないということです。本当に楽しいものには無邪気に反応する。「カスタムガレージ」を見ていると、運転しているときのお子さんの顔がいいんですよ。お父さんが助手席、お母さんが後ろに乗って、ものすごくうれしそうに、自慢げな表情で子供が運転するんです。「グッジョバ!!」が今までの遊園地と違うとしたらそこなんです。「グッジョバ!!」では、自分で作った車、自分で作ったノート、自分で作った焼きそば、自分で作ったボタンが手に入る。そこがたぶん今までの遊園地とは違うところなんですね。

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