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STORYストーリー

フォーラム開催でドキュメンタリーも制作
「噛むこと」の健康効果を啓発するロッテ

「噛むこと」を通じてさまざまな社会貢献を行っているロッテが協賛を続けるのが、認知症にやさしい社会の実現を目指す「ハート・リングフォーラム」。摂食嚥下リハビリテーションの専門医を取材したドキュメンタリー動画を加えることで、視聴層を広げることにも成功している。

2022年11月8日全国朝刊

2022年11月8日全国朝刊(クリックで拡大)

「健康寿命の延伸」「生活の質の改善」に貢献したい

坂ノ下 典正 氏

株式会社ロッテ
コーポレートコミュニケーション部 渉外課 課長
博士(学術)
坂ノ下 典正 氏

――ロッテは食品会社として「噛むこと」をテーマにさまざまな取り組みをされています。

坂ノ下氏:ロッテは1948年に創業し、チューインガムの製造販売を開始しました。以来ガムをずっと作り続け、チューインガムの国内市場シェアは62.6%※を占めています。なぜロッテが「噛むこと」に力を入れているのかと言うと、「噛むこと」 を通じて「健康寿命の延伸」「生活の質の改善」に貢献したいという思いがあるからです。

※(株)インテージSRI+ 2020年4月~2021年3月調べ

むし歯の原因となる酸をつくらない「キシリトール」を配合したチューインガムをロッテが販売したのは1997年。また、義歯でも噛むことでオーラルフレイルや口腔機能低下対策ができるよう、歯に付きにくい低付着性チューインガムも開発しています。さらに2004年には咀嚼力をチェックする「咀嚼チェックガム」を歯科向けに発売。近年は、北海道、青森、新潟、会津若松市、海老名市、千葉、山口など地方自治体や各地の歯科医師会と連携した、むし歯予防や高齢者の口腔機能維持に関する啓発活動も行っています。ウェブサイトでは、「噛むこと研究室」を設置、噛むことと健康に関する様々なコンテンツを公開しています。

「認知症にやさしい社会」を目指すハート・リング運動

早田 雅美 氏

NPO法人ハート・リング運動 専務理事
早田 雅美 氏

――「ハート・リングフォーラム」はいつ、どのような経緯で始まったのでしょうか。

早田氏:65歳以上の4人に1人、あるいはそれ以上が認知症かその予備軍と言われる時代です。認知症は単に脳の病気、障害という話ではなく、運転免許返納問題、認知症を抱えた家族の問題、周囲とのトラブルなど大きな社会問題になっています。ハート・リング運動は「認知症にやさしい社会」の実現を人や企業、社会に働きかけることを目的に2012年に設立されたNPO法人です。日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会という医療の三つの大きな職能団体が、このNPO活動の後援をし、医療界を繋ぐ活動になっているのが特徴です。

そのハート・リング運動の活動の中心になっているのが「ハート・リングフォーラム」です。ロッテさんには2017年から支援いただいています。また、フォーラムの協賛の他にラジオ番組の提供や関連書籍出版への協力もいただいています。

――「ハート・リングフォーラム」の具体的内容はどういったものですか。

早田氏:医師と歯科医師の両方が出演して認知症について語り合うフォーラムを全国各地で行ってきました。2015年と、2017年から現在に至るまで毎年読売新聞と共催しています。フォーラムのテーマは「口からから考える認知症」です。口の機能に着目することで非常に達成度高く認知症にアプローチできることを、医療や介護のスタンダードにしていきたい。それがこのフォーラムの目標です。ロッテさんがハート・リングフォーラムを支援してくださったこともあって、口や噛むことの機能が健康の非常に重要な要素であり、認知症にも関係があることは、広く知られるようになってきたと思っています。

坂ノ下氏:ロッテとしても、ハート・リングフォーラムを長年支援することで、医師会、歯科医師会の先生方や厚生労働省などとのリレーションを醸成でき、「噛むこと」 を通じた社会貢献活動推進の礎となっています。

オンラインで多くの人が視聴できるフォーラムに

読売新聞オンラインの特設ページ

――2020年以降、ハート・リングフォーラムはオンラインになりました。

坂ノ下氏:コロナ禍を機にオンラインフォーラムに切り替えました。リアル実施が難しくなったということもありますが、逆にオンラインにしたことでより多くの人に見てもらえるようになりました。それまでは限定された地域・会場に来た数百人しかフォーラムを見ることができなかった。加えて、どの地域で開催しても関心が高く、来場いただける人は抽選になっていました。その多くは40代、50代で、やはり家族に認知症の方がいてお困りの家族が多い。そういった課題をオンラインが解決してくれました。

早田氏:私もオンラインフォーラムには期待を持っていました。オンラインなら将来認知症になる可能性がある世代の人たちにも見てもらえるし、見てもらいたいからです。認知症は高齢者や高齢者のいる家族だけの問題ではないからです。試聴できる人が増えるというのは、オンラインの大きなメリットだと思いますね。

――オンラインにするにあたって今までと変えたことはありますか。

坂ノ下氏:今までのフォーラムでは、紙面で参加者を募集し、フォーラム終了後、その採録を紙面掲載していました。オンラインフォーラムは、オープンにしておけばいつでも見ることができるので、紙面はオンラインフォーラムの入口の役割になっています。それから、講演内容は事前に録画しました。商品情報や薬機法に関する表現を公開前にチェックできるというのは、実施する側にとっては大きなメリットだと思います。

ドキュメンタリーを制作、BS日テレでも放送

――「ハート・リングフォーラム2022」では、今までの講演にドキュメンタリーが加わりました。

ハート・リングフォーラム2022

動画はこちらからご覧になれます

坂ノ下氏:リアル開催の時代から、毎回のテーマに沿った複数の講演という形式でフォーラムを行っていたのですが、「ハート・リングフォーラム2022」では、読売新聞からの提案で、オンラインフォーラム+ドキュメンタリーという構成にしました。東京医科歯科大学で摂食嚥下リハビリテーションの専門医である戸原玄先生に講演いただくと共に、先生の取り組みをドキュメンタリーで紹介。オンラインフォーラム内だけでなく、BS日テレでも放送されました。

――今回のドキュメンタリーの制作で重視された点はありますか。

坂ノ下氏:生活者に寄り添った内容にしたい、ということでしょうか。弊社の「咀嚼チェックガム」も、もちろん知ってほしいですが、一番には、患者さんに寄り添い情熱を持って摂食嚥下リハビリテーションに取り組んでいる先生がいることを知らせたいと考えました。制作会社のANOSA様(https://anosa.co.jp/)(※YBSに参画)には、まさにプロの仕事を見せてもらいました。制作期間が1か月しかなく、しかも先生のスケジュールも非常にタイトだったにもかかわらず、高いクオリティの番組が制作できました。番組を見た人の心にメッセージが刺さったと思いますね。

早田氏:BS日テレの放送終了後すぐ、NPOに医師やケアマネージャーの方からいい番組だったというメールが何件も入りました。これまで摂食嚥下リハビリテーションを扱うのは耳鼻咽喉科で、歯科医師に摂食嚥下リハビリテーション専門医がいることを初めて知ったという方が多かったですね。

咀嚼チェックガム

番組内で「咀嚼チェックガム」を使う診察の様子も取り上げた

全世代の口腔健康サポートに取り組む

坂ノ下氏

――「噛むこと」を通じた社会貢献の今後についてはどのような展開を考えているのでしょうか。

坂ノ下氏:具体的なところでは、ハート・リングフォーラムにご登壇いただいた医師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士など有識者の有志の先生方を中心にご協力をいただき、「口腔健康サポーター」市民講座という健康情報動画の無料配信を考えています。さらに、その動画を見てテストに合格した方を「口腔健康サポーター」に認定し、口の健康と食べる力を支える伝道師になっていただくような活動を考えています。嚥下や咀嚼力の低下は高齢者だけの問題ではありません。食生活の変化で、子供たちの食べ物を飲み込む力、咀嚼力の低下も問題になっています。今後も認知症にやさしい社会をつくるハート・リング運動への支援は続けますが、「口の健康と食べることの大切さ」をあらゆる年代に広げていき、この国の健康作りのスタンダードにしていく活動をさらに推進していきたいと思っています。

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