CURRENT REPORT

2010.2・3/vol.12-No.11・12

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国際化と知の活性化を前面に 未来へ向け大学ブランド強化

 1991年度のピーク時に200万人を超えていた大学入学志願者数は、08年度には120万人と大幅に減少している。そうした状況にもかかわらず、ここ数年、安定した高い人気を維持しているのが明治大学だ。
 経営企画部広報課長の黒田仁一氏に、同大学の今とこれからについて聞いた。

明治大学 経営企画部広報課長 黒田 仁一 氏
――かつてはバンカラなイメージが強かった明治大学ですが

 確かに、以前は質実剛健を旨とする校風でした。それはそれで良かったのですが、1998年、情報化社会に対応し、最新の施設を備えた「リバティタワー」が駿河台キャンパスに竣工したことで、都市型大学として改めて象徴的な存在になりました。その後も時代の変化に即して04年に情報コミュニケーション学部、08年は国際日本学部を開設し、今では女子学生も多く集まる、華やいだ雰囲気がキャンパスにあります。
 こうしたハード、ソフト両面での改革により、本学に対するイメージが大きく変わり、十数年前までは2割に満たなかった女子の比率も1/3近くになり、より多彩な人材が集まるようになっています。

――大きく変わったと

 ただし、本学の持つ良き伝統に変わりはありません。「就職の明治」と言われていますが、学生が1年次からキャリア形成に取り組むためのサポート体制を用意していますし、50万人近くのOB・OGのバックアップもいただき、社会に通用する人物を輩出していると、私たちの就職支援には高い評価をいただいています。
 また、本学は「方言の聞こえる大学」を標榜しており、全国から優秀な人材を集め、地方の名士を育てることも建学の理念の一つとしています。学生の7割が地方出身者だった時代もあったのですが、最近ではその割合が3割にまで低下していました。そこで07年度に全学部統一入試を導入し、1回の試験で複数の学部を併願できるようにし、併せて地方での試験会場を設けて受験生の利便性を高めています。
 07年度から3年続けて志願者が10万人を超えているのは、一連の大学改革・教学改革が評価されてのことだと思いますし、現役高校生が対象の昨年のある調査では、本学が志願大学ランキングのトップでした。

――国際化にも注力していますね

 国際日本学部の設立もその一環なのですが、文部科学省の国際化拠点整備事業「グローバル30」に採択されるなど、「世界に開かれた大学」が今後目指す大きな柱です。昨年の10月には学長直属の国際連携機構を立ち上げ、外国人留学生の受け入れ、留学希望学生のサポートをはじめ、学術交流に一層注力し、2020年度までに4000人の留学生受け入れ、1500人の学生を世界に送り出すことを構想しています。
 研究分野でも、社会科学、人文科学、科学技術の各研究所をやはり学長直属の研究・知財戦略機構のもとに集約し、世界に通用する成果を上げるべく活性化を図っています。いずれにしても、グローバル化への一段の挑戦は、避けて通れない状況です。
 私たち広報にとって、この国際化と研究成果の周知が今後の大きなテーマです。

――どのような形で発信していくのですか

 本学について言えば、限られた予算の中で、新聞広告の重要性はますます高まっています。もちろんWebも活用していますが、大学における幅広いステークホルダーに、説得力のあるメッセージを効率よく届けることが可能な媒体だからです。
 中でも読売新聞は教育報道に力を入れていることから、今年度は4回にわたり、本学の全9学部長の対談・鼎談形式のシリーズ広告を全国版で展開しました。国際的、社会的諸問題について、どのように対処すべきかを語る内容です。
 現代の課題を解決するには、学際的な視点からの発想が必要とされるので、商学部長と農学部長の対談のように、従来、関連性が希薄であると見られていた分野をあえて組み合わせ、読者の知的好奇心を刺激するアカデミックなものとしました。大学のブランド戦略が重視されるようになっていますから、こうした独自性のある広告で、来年迎える創立130周年に向けて本学のブランド力を一層高めていくことが狙いです。

2009年12月18日 朝刊
2009年12月18日 朝刊
2009年12月23日 朝刊
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2010年1月9日 朝刊
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2010年1月23日 朝刊
2010年1月23日 朝刊
――創立130周年の展開は

 理事会の下に新たに「学校法人 明治大学 長期ビジョン策定委員会」を設置して、150周年まで見据えた大学経営の将来像を検討し、高度教育研究拠点として強く推進している国際化と、建学の精神・理念に基づく教育、研究、社会貢献に関する取り組みを、積極的に社会へ発信していきます。
 今回の周年事業コンセプトにある「世界へ─『個』を強め、世界をつなぎ、未来へ─」発展していく明治大学を目指します。

(梅木)

取材メモ

 32か国108大学と交流協定関係を結んでいる明治大学
 今後は国際化拠点構想「グローバルコモン・プログラム」に従い、東アジアを中心に、環太平洋地域を重点地域としてさらなる交流を推進し、協定校も順次拡大していく予定だ。同時に、留学生受け入れのためのワンストップサービスを提供する海外拠点の拡充も図り、既存のマレーシアに加えて、豪州や欧米、特に中国での積極的な拠点化を進めていくとのこと。

※2010年1月現在

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