ojo interview 2006.11/vol.9-No.8

森本 千絵氏
森本 千絵氏

 幸せな気持ちになった記事を募集する日本新聞協会の「HAPPY NEWSキャンペーン」は、3回目の募集中だ。
 「新聞を読まない若い人も、読んでいる人も、みんなが新聞を好きになる仕組みを考えました。これから先に希望が持てるような記事が、一面に毎日載るようになったら、うれしいじゃないですか」
 20以上の仕事が同時に進行し、「3日起きて2日寝る」生活が続く中、仕事の過程も丸ごと全力で楽しんでいる。自らメイキングビデオを撮り、「学ぶ」「楽しむ」などのテーマに分けて保存しているが、「HAPPY NEWS」の映像は、願いを込めて「続く」に入れた。
 「人と人が出会って、何か大きなものが生まれるのが好きで。その間にいることが、今、すごく楽しいんです」
 中学2年生までは「異常なほどの数学好き」だったが、問題に1つの答えしかないことが物足りず、課題に自分なりの答えを出せる広告の世界に魅力を感じた。武蔵野美術大学を卒業後、99年に博報堂入社。2002年には「ミスターチルドレン」のポスターでADC賞を受けるなど、早くから注目を集める存在に。
 「決まった公式に当てはめるのは好きじゃない。目指すのは期待通りじゃなくて、期待通り以上」という心意気で生み出される広告は、「協和発酵」「日産NOTE」「コスモスイニシア」など、作品ごとに多様な顔を持っている。
 最近の彼女自身のハッピーニュースは、長く病床に伏せていた大好きな祖母が洗礼を受けた教会でのこと。祖母の昔からの知り合いや親族一同に片っ端から声をかけて多くの人が集まったが、「久しぶりにおめかしをしてみんなに囲まれたおばあちゃんが、本当にうれしそうで幸せそうで。もう号泣でした」。
 表情豊かに、手掛けた作品を次々と見せてくれる姿は、どの仕事もかわいくて仕方がないという気持ちにあふれている。
 「商品を本気で売りたいとか愛しているとか、クライアントのそういう思いを聞くと、世の中大丈夫だ!と思いますね」

文/横尾一弘  写真/清水徹

もどる