新聞広告の色彩学 2006.10/vol.9-No.7

 色彩は心理学
8月5日朝刊 カゴメ 8月7日朝刊 明治製菓 8月22日夕刊 伊勢丹 8月15日朝刊 三越
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 「夏来たりなば秋遠からじ」なんて甘いか。“例年なら…式”は今年は間違いだった。夏台風がドンドンきて、8月の日本にじっくり雨と暑さが居座った。変調が普通だと変人も常識の人になる。その逆であっても、座標は直角で上下の軸がきまってないと素人は困る。

 引き換えて広告は堅調だ。まずカゴメで色と栄養学のお勉強。紫は紫ニンジンのアントシアニン、黄色はニンジンのβ-カロチン、緑は葉っぱのクロロフィルとこのあたりまではなんとなく耳にしていたでしょうが、赤のカプサンチンがパプリカ、赤ピーマンの色素だなんて知ってました? そう言えば沖縄の紅イモ。その仲間がカゴメには入ってます。

 夏空に太陽とくれば真っ黒日焼けが昔は夏休みの宿題だった。最近紫外線は目の敵にされてるが、ビタミンD吸収にその助けは欠かせない。海で山で肌を焼いて一皮も二皮もむけ、「脱げる、が、勝ちだ」の人に見せたい心理言語で体づくり。「それが男というものサ」そこでゴクゴクゴクと水飲みできる次世代プロテイン、ザバス「アクア」が新登場。

 次は、秋は秋色でという伊勢丹の秋色広告。記憶に残ってますか? 5月紙の広告でした。反復は印象広告成功の基本方法。ものの色燃えて心静まる秋は心理学の季節だ。今回は帽子とコートのリッチ・ブラウン色よりも、ジーパンの紫色がいい。こげ茶系がありきたりというのではない。紫色が並ぶ紫の縞模様とピッタリ同調したから。異種企業間の呼応広告というコーディネート方法が、カラー紙面の効果的利用法として研究されてよい時代だ。

 三越のオータム・コレクションの広告の色調は、秋の静かさ、寂しさを語るシックなグレー。それは室内の微妙な光の中に女性がいるフェルメールの絵のような、いぶし銀の光を感じさせている。こんな色の効果を専門語で底艶というが、微妙なその色感を生かしきっているのは、革コートの光に身を包んで立つ女性の、真珠のような顔だ。
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