新聞広告の色彩学 2006.7・8/vol.9-No.4・5

さてもさわやかにそして大胆に
5月9日朝刊  エスビー食品 5月15日朝刊  キヤノン 5月16日夕刊  日本マクドナルド 5月5日朝刊  マツダ
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 5月掲出の広告で1番意表をつかれたのは伊勢丹デパートの秋景色だった。「えッ!ドウシタノ?」。そう思わせるのが狙い目だろうか。たしかに新緑一色の中で印象的だった。

 正統派の新緑印象はいろいろだが、私は「もえぎ色」の範囲にこだわっている。理由はそれの色範囲が、黄色っぽい緑から少し重い緑までと多様だから。S&Bの棚に並んだ香辛料の緑各種の陳列がまさにそれだ。あるある、なんと194種類のなかから選ばれた代表緑君たち多数。よく見ると丸い頭の蓋にくちばしがついて夏鳥のよう。赤やオレンジに混じった黄緑色がよく目立つのは、棚の白い色のおかげだ。それが雪の冬色から春のもえぎ色へのシーズンカラーに対応していて、初夏のおしゃべりが楽しく聞こえてるようだ。

 キヤノンのDIGIC DVUはヤルーッ! フィレンツェにほど近い、同じく都市国家だったシエナのドゥオーモの壮麗な彩色空間を、高精細画面で見事にコマ並べした。実際はもっと暗いからこんな華麗さには見えないが、手に取るように鑑賞できるとはすごい技術だ。

 次のこれこそ最盛の新緑色は、マクドナルドのおいしさできたてのサラダマック開始広告。おいしさは立ち止まらないで、萌えるような緑色が体を燃やすエネルギーに変わる。健康志向にマックの緑変身というニュースだが、ここでフォークの白と緑の共和に注目。

 マツダの4WDのミニバン MPV DISIターボは、燃え立つエネルギーをもって力強く走り抜くだろう。赤と黒の背景からたくましく浮かび出した車体が、その走力をビビッドに視覚化している。

 ところで、最近中国で工業デザインの大学関係者から聞いた話だが、今、中国の1番人気はドイツ車という。理由は、高燃費だが車内が静かだからと。経済力を高めた中国では静粛の高級感志向が生まれつつある。日本車の中ではマツダの評価が1番高かった。現地の話をちょっとご報告。
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