ojo interview 2006.4/vol.9-No.1

青木 克憲氏
青木 克憲氏

 1999年、日本橋の実家から徒歩15分のサンアドを「21世紀になる前に独立したい」という理由で退社。直後設立した社名の由来は、「ずっと習っていた水泳の中でもちょっと頑張らなきゃできない泳ぎだから」など、職人気質の求道者然とした外見に反して、時折いたずらっ子のような表情を浮かべて訥々と語る口調には気負いがない。
 「ベネトンコンドーム」、キリンビール「カンパイ!!ラガー」など、POPで明るいアートディレクションは、ノビノビ泳いだ自由形か。読売巨人軍の新しいエンブレムキャラクターは、そのものズバリ“巨人”だ。「ただし、これが浸透するかどうかはジャイアンツが強いか弱いかにかかっています。広告も同じで、いくら表現が面白くても商品がショボければ、やっぱりダメですからね」
 「難しいものを分かりやすく、分かりやすくしたものを深く考え、深く考えたものを明るく表現して、明るくしたものをまじめに伝える」ことを心がけている。「この言葉に出会うまでは、表現するまでのことばかり考えていましたが、広告をいい結果につなげるために大切なのは、まじめに伝えること。キチンと展開できないと意味がありませんから」
 最近は、昨夏のコカ・コーラのサマーキャンペーンでおなじみの「コペット」、立体フィギュアが発売された「カミロボ」など、「クリエイティブ・デザイナー」たちが創り出すユニークなキャラクターのプロデュースに力を入れている。
 「少年時代にアホみたいに好きだったのがキャラクターの世界。受注生産でやっていた広告の仕事ですが、少しでも自分たちから率先してモノを創り出す仕事にしていければ楽しいと考えました」
 近所の自宅から仕事場へ、五歳になったばかりの長男が遊びに来て資料棚からオモチャを持って帰ってしまうらしい。「オモチャ屋だと思われているんじゃないですか(笑)。でも、次第に棚が全部うちが創ったキャラクターに入れ替わっていけばいいですね」

文/横尾一弘  写真/はやしたつお

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