adv.yomiuriトップページへ

MENU

  • ojoトップ
  • adv.yomiuriトップページへ

ojoトップ  > 特集  > おお、紙よ!:紙の代替財を狙う電子ペーパーの野望

特集おお、紙よ!

(Wed Oct 05 10:01:00 JST 2016/2016年10・11月号 特集)

多品種少量生産で人の感覚に訴える

株式会社竹尾   企画部 部長   青柳晃一 氏

青柳晃一 氏

竹尾は、ファインペーパーと呼ばれる特殊印刷用紙の企画・販売を中心に活躍する紙の専門商社だ。新しい紙を世に送り出すだけでなく、紙をめぐるさまざまなテーマで紙の可能性を探る展示などにも積極的に取り組んでいる。企画部部長の青柳晃一氏に、紙の現状と感性素材としての紙の可能性を語ってもらった。

ファインペーパーの専門商社

── 竹尾さんはグラフィックデザイナー御用達の紙屋さんという認識なのですが。

  それは、竹尾が「ファインペーパー」と呼ばれる特殊印刷用紙をメーンに扱う紙の専門商社だからだと思います。
  紙業界というのは、メーカーがあって、一次店(代理店)があり、その下に「卸商」という二次店があるというのが流通の仕組みです。竹尾も、元々は東京の卸商として明治32年(1899年)に創業し、3代目の竹尾栄一のとき、グラフィックデザイナーの原弘様にご協力をいただき、ファインペーパーの開発をスタートさせました。ヨーロッパの手漉き紙や日本伝統の和紙のような風合いを持つ紙を、印刷技術にも対応したより汎用性の高い工業製品として市場に流通させることで、日本の出版文化に貢献したいという思いが、弊社がファインペーパーを開発したきっかけです。

── ファインペーパーというのは、どういうところに使われる紙ですか。

  本の表紙や見返し、ポスター、高級感のあるカタログやカレンダーなどに使われる紙です。紙の種類について少し説明すると、大きく「紙」と段ボールなどの「板紙」に分かれます。「紙」の中でさらに印刷・情報用紙として、「塗工紙(アート紙やコート紙など)」、「非塗工紙(書籍用紙など)」など4つに分かれた中の「特殊印刷用紙」のさらに一部がファインペーパーです。

── 竹尾さんが扱っている紙は、紙市場全体からみたらごく一部ということですか。

  そうです。例えばチラシを作るときは、「コート73キロ」「上質110キロ」(注)と言えば、メーカーを指定しなくても印刷会社が手配してくれます。コート紙や上質紙は複数の製紙メーカーが同等の品質で大量生産し、流通している紙だからです。
  ところが、我々のファインペーパーは多品種少量生産で、「NTラシャ」「サガンGA」「マーメイド」といった名前が一つ一つ付いています。実際に我々から紙を購入するのは印刷会社や出版社、あるいは同業の紙卸商がほとんどですが、デザイナーやユーザーの皆さんにその紙を指定してもらわないとビジネスにならない。そういう商売なんです。

注)印刷用紙の厚さの単位は、重さ㎏で表される。紙の大きさには四六判・菊判などあるが、それが1000枚で何㎏あるかで大まかな厚さを表す。ちなみに一般の印刷用紙は重量単位で取引され、重さが軽いほど安くなる。

紙とデザインとテクノロジー

── 竹尾の紙の見本帳というのは、そのためにあるわけですね。

  我々の会社では「ミニサンプル」と呼んでいますが、竹尾のファインペーパー約300銘柄、7000種を収録した「紙の総合見本帳」です。現在のものは2003年から毎年作っていますから、市中に出回っている数はかなりの数になると思います。

竹尾のファインペーパーのミニサンプルは約300銘柄、7000種。毎年新しい紙が追加されている

── 神田錦町(東京都千代田区)の「見本帖本店」、「青山見本帖」という店舗もありますね。

  二つの店舗は少し意味合いが違います。「青山見本帖」はデザイナーの方々の紙選びの場で、竹尾の紙をいつでも買える。そのため、常に店舗には全種類の紙を置いて切らさないようにしています。1回に買える枚数は3枚までで、あくまでデザイナーがダミーを作るための紙を購入いただく店舗です。
  神田錦町の「見本帖本店」は、紙の情報発信基地という位置づけで、幅広いジャンルの方に利用していただくことをコンセプトにしたショールームです。1階は一般の方にも竹尾の紙を買っていただけるショップで、スタッフがお客様のご要望の紙を、壁面の引き出しから一枚一枚丁寧に出庫するシステムになっています。2階は、紙とデザインに関する展示やセミナーを開催したり、紙に関するさまざまな相談をお受けしています。バックヤードにはファインペーパーを使用した製品見本や加工見本も用意しています。

── 「見本帖本店」では定期的に、さまざまな紙の展覧会を開催されていますね。

  竹尾は事業領域として「紙とデザインとテクノロジー」を掲げています。ファインペーパーのパイオニアという自負から、後追いではなく常にゼロから市場を作っていくという社是から来ているのですが、そのためには、最新のテクノロジーとも接点を持つことが大事です。もちろん、テクノロジーというのは最先端だけではなく、例えば、印刷の「箔押し」「型抜き」といった熟練の加工技術も含めてですが。

見本帖本店2Fの展示スペース。架空のアパレルブランド「SAGAN GA」のショップ空間を紙で作った服で表現している

News & Report

〈No.849 リーディングトレンド〉

月末の金曜日に退社時間を早める「プレミアムフライデー」が、いよいよスタートする。午後3時に退社し、余暇を楽しんでもらおうという取り組みは、クールビズのように新たなビジネススタイル、ライフスタイルとして定着し、ビジネスチャンスとなることを目指している。

〈No.849 ojo interview〉

砥川 直大さん(アサツー ディ・ケイ クリエイティブディレクター)

〈No.849 読み解き読者調査〉

新製品からロングセラーまで商品が多彩な食品ですが、生活者はその銘柄をどのように選んでいるのでしょうか。銘柄の選定状況や理由、食品ジャンル別の購入パターンを調べました。

インタビュー

第一三共ヘルスケア
小さな広告シリーズ500回記念で全面広告を掲載 4コマ漫画下の小枠広告の継続の力を実感