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特集通信販売に学ぶ モノの売り方

(2013.5.31/2013年6・7月号 特集)

直接購入もできるファッションブランド広告
読売ダイレクト事務局   事務局長   佐藤 昭一 氏

佐藤 昭一 氏

読売新聞の別刷りタブロイド「ランバン コレクション」が3月29日に発行された。デザインは通常のファッションブランドの別刷り特集だが、終面を見ると「読売ダイレクト」の文字とフリーダイヤルが。読売新聞というメディアが媒体だけでなく、通信販売のチャネルも提供するという試みでもある。その意義と可能性を探った。

──別刷りタブロイド「ランバン コレクション」ですが、どういう経緯から生まれた企画なのでしょうか。

  「ランバン コレクション」は、伊藤忠グループが国内ライセンスを所有しているファッションブランドですが、これまでも何度か広告出稿が行われていました。 ところが、掲載後に読者から「どこで買えるのか」という問い合わせが必ずと言っていいほどあったんですね。それで今回は新聞社側から読売ダイレクトを使ってテスト的に読者に直接販売してはどうか、という提案をさせていただいたのです。

──読売ダイレクトで掲載広告主の商品を売るのは初めてですか。

  アパレルとしては初めてです。別刷りタブロイドの企画・制作は読売新聞、我々は販売チャネルを提供するという形で協力させていただきました。別刷りは紙面全体を自由にレイアウトできますから、イメージの重要なファッションブランドにはぴったりの媒体です。また、通常、別刷りには「読売新聞」の題字を入れますが、今回は「ランバン コレクション」のイメージに合わせ、「THE YOMIURI SHIMBUN」の英文の題字を使っています。ファッションを扱う通信販売ではなく、あくまで直接購入もできるファッションブランド広告となっています。

3月29日発行 ファッションブランド別刷りタブロイド「ランバン コレクション」 

新聞社の通販チャネル

──「読売ダイレクト」について、改めて説明してもらえますか。

  読売ダイレクトは、読売新聞グループの通販事業です。アパレル・雑貨の取り扱いは2008年12月にスタートし、新聞媒体中心に展開しています。紙面で紹介した商品は通販サイトの「大手町モール」でも買える仕組みになっています。

──どういう人たちが利用者(顧客)の中心なのでしょうか。

  50〜70代の読者が利用者の多くを占めています。

──最近はシニアでもネットで注文する人たちが増えているのでしょうか。

  そうですね。現在、電話での注文が7割、インターネットが3割くらいですが、ネット利用者の割合はどんどん増えています。インターネットを使わない層というのは確実にいるわけで、そういう読者を大切にしていくというのも新聞の役割だと思っています。
  実は、インターネットでの注文は初めてという読者も多くいて、使い方の相談にも懇切丁寧に対応しています。そういう人たちのインターネットを使ったリピート率は非常に高いんですね。

専用ランディングページで対応

大手町モール内の「ランバン コレクション」のページ

──「ランバン コレクション」も電話とインターネット、両方で対応したわけですか。

  インターネットは「大手町モール」に特設ページを設けて対応しました。ただ、「読売ダイレクト」はシニアの生活雑貨が中心ですから、「ランバン コレクション」とはイメージがそぐわないところがあります。それで、「大手町モール」に別館を作って、検索サイトから行くと直接ランバンのページにランディングするようにしました。別刷りで表現しているブランドイメージのまま商品を購入できるようにしたわけです。

──どういう人たちの購入が多かったのでしょうか。

  お問い合わせは、女性の方が圧倒的に多かったのですが、購入者は男女比1対1でした。

──今回の商品は女性用が多かったと思うのですが……。

  電話注文のお客様で、ジャケットとワンピースを奥様へのギフトにしたいから、という人がいました。2着で14万円くらいする商品です。実際のショップに行って「これを妻に買いたいんだけど、包んでくれ」とは、なかなか言えない。通販だからこそ女性向け商品を男性でも購入することができる一例ではないでしょうか。

テストマーケティングにも

──実際、どのくらい売れたのでしょうか。

  今回は2013年春夏シーズンの「ランバン コレクション」の広告だけが当初の主目的でした。その後に通販で商品を売るという初めての試みが決まりました。そのため、通販用の在庫があまり用意できず、すぐに完売してしまった商品も多数ありました。
  今回の出稿はブランディングの意図も大きいものなので、広告内の各商品のスペックも通販にどうしても必要な項目にとどめていますし、商品写真もイメージ重視で、通常の通販で使うようなディテールまでわかる写真ではありませんでした。しかも高価格帯の商品です。そういう諸条件にもかかわらず、当通販内においても高いレベルの売り上げを出すことができました。
  それから、購入動向はもちろん、読者からの問い合わせや注文時の質問は、すべて広告主に返しています。そういう意味では、テストマーケティング的な使い方もできたと思っています。

──どういうことですか。

  先ほどの奥様へのプレゼントの話もそうですが、消費者の様々な本音を知る調査装置の役割を果たしたということです。通販の仕事をしていて実感するのですが、販社の方は売り場と接点があるので消費者が何を欲しがっているかよく知っているのに対し、メーカーには消費者の声があまり伝わっていないのではないかと思います。
  商品開発時に消費者のインサイトを知ることも重要ですが、購買時点のインサイトを知ることも重要だと言われています。通信販売への問い合わせというのは、まさに実際に購入しようと思っている人たちがしてくるわけですから、そういう消費者の本音を知る絶好の機会にもなる。ファッションブランド以外にも、こうした動きが広まると面白いと思いますね。