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広告リポートfrom Europe

(Fri Dec 05 10:00:00 JST 2014/2014年12月・2015年1月号 from Europe)

コミュニケーションが最盛期を迎える秋冬
国友 俊   パリ駐在

  フランスでは、長期バカンス明けの9月から全てが本格スタートし、日本に置き換えると新生活を迎える4月のような雰囲気を感じる。夏から秋に気候も大きく変化するため、衣替えを促すように、ファッションや化粧品の広告が世の中を賑わせる。大手新聞には連日一流ブランドの洗練されたビジュアルの広告が掲載され、不景気を忘れるほどの活力を感じた。

  また大型展示会をはじめ、美術展、オペラ、舞台、コンサートなど、あらゆるジャンルのエンターテインメントの告知が所狭しと並び立てられる。今年は2年に一度開催される、世界最大級の国際アンティーク展示会「アンティーク・ビエンナーレ」や、100万人以上が集まると言われる欧州最大級のパリ・モーターショー、さらに恒例のパリ・コレとファッションウイーク、凱旋門賞など枚挙に暇がない。パリは人々を魅了し、飽きさせることのない街だと改めて思う。

  10月には、2009年から約5年間改装工事が続いていた「ピカソ美術館」がリニューアルされ、オープニングのタイミングに合わせた新聞広告や交通広告には、“PICASSO”の文字を使って、同氏をその創始者とする「キュビスム」のイメージを彷彿(ほうふつ)とさせるようなビジュアルが興味を誘った。無料で入場できる第一日曜日には、3時間待ちの行列ができたそうだ。

  日本では6年ぶりのノーベル物理学賞3人の同時受賞が明るいニュースとして世間を賑わせたが、フランスでは、今回2人のノーベル賞受賞者が誕生した。経済学賞を受賞した、仏トゥールーズ第一大学のトップを務めるジャン・ティロール教授はこれを絶好のタイミングと捉え、ル・モンドやレ・ゼコーを含む大手新聞各紙にトゥールーズ市との連名で、1ページのカラー広告を掲載した。同市は、フランスで第四位の人口をもつ地方都市で、エアバスの本社など航空・宇宙産業を中心として、ハイテク産業と多くの教育機関が集結している。そのトゥールーズ市と同大学が、都市全体のイメージアップを狙い広告を大々的に展開した注目の事例となった。

  仏で今年もう一つ世間を賑わせたニュースと言えば、航空大手エールフランスのパイロット労組が待遇改善を求め、2週間にわたり実施した大規模ストだ。この影響で経営再建の切り札とされていた格安航空会社「トランザビア」の拡充計画も見直しを余儀なくされている。同社は、信頼回復を図るべく、スト終了直後には「ASAP」(アフター・ストライク・アクション・プラン)とする広報プランを急遽(きゅうきょ)作成。メッセージ広告を皮切りに、数億円にものぼる費用を投じてイメージアップを狙った広告をグローバルに展開した。パイロットたちの目にどう映るかは定かでないが、顧客の目も厳しいことを痛感していることだと思う。

  本格的な冬が到来する直前のタイミングには、地下鉄で配布される大手フリーペーパーのDirect Matin(ディレクトマタン)で、「スキー特集」が掲載され、宿泊施設、交通機関、スキー用品など11ページにわたる特集ページが掲載された。このような取り組みが欧州でのスキー人気を支える要因の一つであると感じる。クリスマスと年末年始の休暇だけではなく、仏では2月にスキー休暇があるほどウィンタースポーツは盛んなのだ。この時期は、数か月前から予約をしないとリゾート宿泊施設が取れないほどの人気となっていると聞いて、私も数年ぶりのスキー旅行に心が傾いたが、既に時遅し、タイミングを逃してしまったようだ。

国友 俊・パリ駐在

仏人の多くはマイク付きイヤホンを使いスマホ通話をする。理由の一つは、この国の研究結果から一日30分以上耳のそばで通話をすると脳腫瘍が発生する危険性が2~3倍増加すると発表されたことにある。同様に通話する場所、タイミングなどマナー意識も高くあってほしい。