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広告リポートfrom Asia

(Mon Oct 06 15:00:00 JST 2014/2014年10・11月号 from Asia)

官民一体となって巻き返しを図るJポップカルチャー
有坂朋宏   シンガポール駐在

  “Cat or not, they love Hello Kitty.” 8月31日付の地元紙「ストレーツ・タイムズ」に、カラー1ページで、サンリオのキャラクター「ハローキティ」に関する特集が掲載された。アメリカの有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」が8月、今年10月からロサンゼルスで開かれるキティ生誕40年記念展に関する記事の中で、「ハローキティは猫ではなく、2本の足で歩く女の子」と伝え、世界中で話題をさらった“女の子”についての記事だ。シンガポールでも、「女の子か猫か?」論争が巻き起こるのかと思いきや、「猫でも猫でなくても、ハローキティ大好き!」と意外にも冷静な反応だ。論争の是非はともかく、日本のポップカルチャー(以下、Jポップ)はシンガポールにも深く浸透しているようだ。

  自国の芸能界が極めて小さいため、シンガポーリアンは常に海外へ目を向けている。英語を公用語としているため、ハリウッド映画などアメリカの娯楽文化は幅広く定着している。一方で、人口の7割を占める華人の影響で、台湾や香港の芸能界も人気が高い。実際、ケーブルテレビでは外国番組の専用チャンネルが大多数を占めるし、シンガポールで唯一の地上波放送局である「メディアコープ 」でさえ、ニュースや一部の報道・娯楽番組を除けば外国の番組をよく流している。スマートデバイスの高い普及率も相まってこの傾向は加速した。そうした中、一昔前に全盛だったJポップに代わり、2000年前後から徐々に人気を博したのがKポップだ。日本では、「韓流ブーム」は過ぎ去った感があるが、東南アジアではまだまだ根強い人気を保っている。ケーブルテレビ大手スターハブが提供する日韓のチャンネル数を比較すると、日本が3に対し、韓国は9と圧倒的だ(2012年末)。では、果たしてJポップは廃れたのか?

  東南アジア地域において、日本のテレビ番組放映権の展開や協賛セールスを担当する電通スポーツアジア 上席副社長 テレビ&エンタメ部門ヘッドの杉本 将氏は、「確かに、コリアンパワーに押され気味のジャパン陣営だが、クールジャパンの掛け声のもと徐々にプレゼンスを高めている。実際、音楽業界ではアミューズやエイベックスが現地法人を設立し、ソニーミュージックはZeppというライブホール事業を展開すべく準備中だ。巻き返しを図る日本エンタメ企業の進出をサポートしていきたい」と話す。

  音楽業界だけではない。電通シンガポールは現地企業と共催で2008年から、大型イベント「アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)」を開催しており、昨年度は8万5000人を動員したという(杉本氏)。昨年からはインドネシアのジャカルタでも開催するなど、その動きは周辺国へと拡大している。本イベントをサポートしているジェトロ・シンガポール事務所のディレクター・吉田達朗氏は、「イベントを機にまずはアニメに興味を抱いてもらい、さらに日本の食文化や旅行にも目を向けてほしい。イベント単体で捉えるのではなく、総合的な海外戦略で日本のコンテンツ産業全体の普及を後押ししたい」と意気込む。Jポップカルチャーの巻き返しが期待される。

  ところで先日、マレーシアに出張した時のこと。取引先の女性(40代)に、“キティ論争”について聞いてみたところ、「小さい頃からキティで育った。キティは絶対に猫よ!」と熱弁された。Jポップカルチャーの影響力は捨てたものではない。

有坂朋宏・シンガポール駐在

高さ452mの88階建て。“マレーシアの象徴”ともいわれるペトロナスツインタワー。実はこの超高層ビル、日本の企業がタワー1を、韓国の企業がタワー2をそれぞれ建設したそうです。調べてみると、いろいろな噂が……。興味のある方はググってみてください。