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広告リポートfrom Asia

(Tue Aug 05 10:00:00 JST 2014/2014年8・9月号 from Asia)

シンプルで真面目なコピーはお好き?
有坂朋宏   シンガポール駐在

  シンガポール随一のショッピングスポットであるオーチャードロードは、通りの両側にショッピングモールやデパート、ブランドショップが立ち並び、6月になると町全体がセール一色になる。新聞でもセールを扱う広告が数多く見られる時期だ。シンガポールの広告は、その実直な国民性のせいか、その内容やコピーについても真面目でストレートなものが多い。たとえば、セレクトショップ「CLUB21」の広告では、ページ一面に、巨大な赤唐辛子のイラストに「RED HOT SALE」と大きく書かれただけのクリエイティブ。セールにあまり食指が動かない私でさえ印象に残る、シンプルゆえの力強い広告だ。また女性ファッションブランドの「FURLA」の広告は、黒地に、英語や中国語、日本語など8か国語で「SALE」とだけ表記しており、多民族国家ならではのストレートな表現だ。

  次に、シンガポール労働省の政策啓発広告を紹介しよう。経験的な技術やノウハウが豊富な熟年労働者の雇用をサポートすることを目的としたポータルサイト「Age Management Portal(エイジ・マネジメント・ポータル)」のシリーズ広告だ。労働省が中心になって運営する同サイトは、「Tap into a wealth of experience」(経験豊かな人のスキルやノウハウを活用しよう!)をキャッチフレーズに、豊富な知識・経験を持つ年長者の雇用促進を図るシリーズ広告を展開している。例えば、“If not for Auntie Rosalind's guidance, I'd still be a fish out of water.”(ロザリンドおばちゃんの指導がなかったら、ずっと海から揚がった魚のまま)というコピーで、鮭の三枚下ろしを専門とするロザリンドさん(60歳、女性)が、調理場の若い青年を指導する様子が全面広告のキービジュアルに据えられている。日本同様、急速に高齢化が進むシンガポールでは、できるだけ財政的に独立した経済状態を維持し続ける“Active ageing”(アクティブ・エイジング)が奨励されている。年長者の熟練した姿をとらえた真摯(しんし)な広告だ。

  こうした真面目な広告が多いせいだろうか、キーカラーの黄色をバックに、コミカルなイラストと、皮肉めいたコピーで目立っているのが、地元の格安航空会社(LCC)スクートのシリーズ広告だ。「BETTER THAN YOUR GIRLFRIEND.」(あなたの彼女より良い)というメーンコピーに「WE KNOW WHEN TO BE QUIET」(静かにしてほしい時をわきまえています)と添え、ちょっぴりおしゃべりなシンガポール女性を揶揄(やゆ)している。そうかと思えば別の日には、「BETTER THAN YOUR BOYFRIEND」というメーンコピーに、「WE'LL NEVER MAKE YOU FEEL INSECURE.」(決して不安にさせません)と付け加え、女性の肩を持つことも忘れていない。気配りを忘れない姿勢さえも誠実さの表れなのかもしれない。

  さてそんなバイタリティーあふれるシンガポール女性の結婚観は、7つの神器を持った男性が理想的という意味で、通称“7C”と呼ばれているそうだ。Condo(マンション)、Credit Card(クレジットカード)、Cash(現金)、Car(車)、Career(キャリア)、Certificate(学歴)、Country Club membership(ゴルフクラブなどの会員権)。超学歴社会のシンガポール女性の心をつかむのは、広告コピーといえども簡単ではなさそうだ。

有坂朋宏・シンガポール駐在

韓国に出張した時のこと。取引先との仕事を終え、夜に南大門を見学しました。後日、母から聞いた話では、祖母は旧満州時代にソウル在住経験があるらしく、なんと南大門近くに住んでいたとのこと。不思議な縁を感じました。