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広告リポートfrom America

(Tue Aug 05 10:00:00 JST 2014/2014年8・9月号 from America)

コピーに関するパロディーと訂正?
井上 武範   ニューヨーク駐在

  「牛乳に相談だ」。このコピーを見るだけでCMがよみがえってくる。米国でも、カリフォルニア牛乳加工業委員会が1993年に始めた「got milk?」(牛乳飲んだ?)キャンペーンは、伝説的マーケティングとして知られている。95年には牛乳加工業教育プログラム(MilkPEP)により全国規模に発展し、ハリウッドスターやスポーツ選手らさまざまな著名人が“牛乳ヒゲ”を生やして牛乳を飲むクリエイティブがメディアをにぎわした。「got beer?」「got cookie?」さらには「got Bon Jovi?」のようなパロディーが数多く生まれ、社会現象にもなっている。残念ながらMilkPEPは20年以上続いたこのキャンペーンを今年2月で終了し、飲むことそのものより牛乳の高い栄養価を強調する「Milk Life」というキャンペーンを新たにスタートさせているが。

  スコッチウイスキーのジョニーウォーカーは、1999年から「Keep Walking」(歩き続ける)をタグラインに掲げ続けている。昨年のニューヨーク市長選挙翌日にはニューヨーク・タイムズに、「市長殿、選挙は終わったが、あなたの何たるかはこれからにかかっている。あなたの可能性を握っているのは次の一歩だ。歩き続けよう」と語りかける広告を掲載。さらに引き付けられたのは、その隣にまったく同じ文章、デザインで、「次点者殿、選挙は…」と続いていたことだ。大きな関心を集めた市長選を利用しつつ政治には深入りしない、巧みな広告だ。そのほかヤンキースタジアムでは、ヤンキースの選手が四球を選ぶと、場内スクリーンに「Keep Walking」の文字と同社のロゴマークが表示される。四球はしばしば一塁へ「歩く」と言われるからだ。

  先月までブラジルで開催されたサッカーワールドカップでは、コロンビアが日本の決勝トーナメント進出のわずかな望みを打ち砕いたことが記憶に新しい。そのコロンビアでは今、国民が中心となって「It's Colombia, NOT Columbia」と呼ぶキャンペーンが行われている。

  ご覧のとおり正しいつづりはColombia。ところが米コロンビア大学やスポーツウェアブランドのコロンビア、コロンビアレコードなどの印象が強いためか、Columbiaと誤記される例があとを絶たないという。賛同する一般人がフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディア上で誤りを見つけると、「It's Colombia…」と指摘するのだそうだ。これまでにパリス・ヒルトンやジャスティン・ビーバーら著名人や、世界的に知られた大企業がこの「注意」を受けている。

  コロンビアの知名度もまだまだだと言ってやりたいところだが、笑ってばかりもいられない。ツイッターはワールドカップの期間中、「ハッシュフラッグ」という機能を導入した。ツイート内に「#」に続いてFIFAが定めるアルファベット3文字の国名略称を打ち込むと、自動的に国旗のイメージが挿入されるというものだ。「#JPN」と打てば日の丸が現れるのだが、誤って「#JAP」と入力するケースが4.6%あった(大会第1週時点)。ウォール・ストリート・ジャーナルはカメルーン(13.8%)やスペイン(4.3%)などと並び、間違いが多かった7か国の一つとして日本を紹介している。我々日本人も、「It's JPN, NOT JAP」のキャンペーンを張ろうではないか、と訴えるのは自虐的に過ぎるだろうか。

井上武範・ニューヨーク駐在

本稿の締め切りに追われる7月4日、アパート屋上から独立記念日の花火を見物しました。開始時間に屋上に上がるとすでに黒山の人だかり。結局花火はゴルフボール程度にしか見えず、ぐったりとして執筆に戻りました。