from Europe

2010.2・3/vol.12-No.11・12

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世界トップブランドが見せるCSR戦略

 昨秋から、パリはユニクロ旋風が吹き荒れている。10月の旗艦店開店の際、クールな着こなしの「カシミヤ」と「ジーンズ」の広告で色と質を訴求した後は、寒波の訪れに合わせるように「ヒートテック」のテクノロジーがパリジャンをうならせた。佐藤可士和氏デザインの赤いロゴの紙袋は、パリの街に映え、PR効果が長続きした。開店前日の会見で柳井正社長が語った「パリで成功した暁には世界ブランドを狙う」計画は、大方の予想よりも早く進みそうだ。
 世界ブランドといえば、この9年間、米ビジネスウィーク誌と英インターブランド社が行う「世界ブランドランキング」で不動の1位をキープしているのがコカ・コーラだ。フランスではコカ・コーラ(パリの人は「コカ」と言う)そのものが、大人がカフェで、コーヒーでもワインでもビールでもない気分の時に飲むしゃれた飲み物としての地位を確立している。自国の文化にこだわりがちなパリの人がコカを飲んだり、リーバイスやコンバースをさりげなく履きこなす姿は、私の目にはなかなか格好よく映る。
仏コカ・コーラ社の企業広告「メイド・イン・フランスの誇り」 仏コカ・コーラ社の企業広告「メイド・イン・フランスの誇り」  コカ・コーラ社は、日本を含む全世界共通キャンペーン「Live Positively」の一環として、サスティナブル・パッケージの開発に取り組んでおり、昨年11月に植物を原料とするペットボトル「PlantBottle」を発表した。コペンハーゲンでの気候変動会議COP15に合わせて、まずはデンマークで導入し、その後、バンクーバー五輪、上海万博などの世界的なイベントの開催国での導入や、今年、日本で導入することも発表された。フランスでの導入は発表されていないが、COP15から年末までの時期、そのイメージに沿ったCSR広告が新聞に掲載された。
 まずはCOP15開催に合わせて、赤の本体に白抜きロゴのボトルイメージと「コペンハーゲンでの約束を守ります」というメッセージ広告。同社の環境に関する具体的な目標を宣言している。その記憶をとどめるかのように、続けて仏コカ・コーラ社が「メード・イン・フランスの誇り」という企業広告を掲載。現地法人で働く男女7人の従業員が登場し、「わが社が販売する商品の95%は国内の5工場で生産されており、その80%に国産の原材料が用いられている。2700人以上のフランス人を雇用し、2004年以来2億6000万ユーロを直接投資している。わが社はこのビッグネームと大勢の従業員を誇りに思っている」という内容。フランスを悩ませる失業問題に同社がいかに貢献しているかを表現しつつ、社員たちの表情が、同社の企業市民としての誇りを表現している。
再生可能な緑色のペットボトルでつくられたクリスマスツリー 再生可能な緑色のペットボトルでつくられたクリスマスツリー  さて、こちらはクリスマスも新年の祝いも一続きのようで、正月を過ぎてもイルミネーションが残っているが、弊社事務所のあるオペラ通り近くで見つけたクリスマスツリーも、コカ・コーラ社とパリ市共催の環境企画だった。夜は明かりとなって輝く「もみの木」の材料は再生可能な緑色のペットボトルで、青色のイルミネーションを見飽きた目に優しい。上記の企業広告のリンクからもこのツリーを見られたのが、新聞読者へのプレゼントのようで何とも心憎かった。

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